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2022年10月 恐竜の島、御所浦島へ

天草までは何度か行っているが、そこから先、周辺の島へ渡ったことはなかった。今回の目的地は御所浦島。昔から気になっていた島である。
早朝、成田空港第3ターミナルへ。

あら、ずいぶん久しぶりかな。5月に利用して以来と判明。
その後、6月から9月はずっと羽田空港ばかりだった。珍しいこと!

熊本空港からはレンタカー。とにかく安いのを探したから、ターミナル出口から少し歩いた第2駐車場から送迎車に乗らねばならない。先客1名、そしてぼく、その後1名が乗って発車したが、出口近くで夫婦連れが寄ってきて乗り込んだ。事務所に着くと、最後に乗った夫婦のオバハンがずうずうしくもずかずか先に受付で手続きを始めた。社員らもまったく順番通りに誘導しようともせず。気分ワルッ!
空港からひた走り、目指したのは上島の大浦港。昼時だったが、周辺に食堂らしきものはない。少し引き返してコンビニでサラダ巻きを買ってきた。乗船券売り場は建物はあるが、今は使用していない。

昔はちゃんと切符売り場と待合所があったようだ。

待っていた車の人に聞いたら、船に乗ってから乗船券を買うという。待機する車は、与一ヶ浦行きと御所浦行きの2列。御所浦行きの列に並んだ。

乗船を待つ車列に並び、車内でサラダ巻の昼メシ。

やがて到着したフェリーは、加計呂麻へ渡る時のフェリーと同タイプ、すなわち双方向どちらへでも進める船。加計呂麻では評判が悪く、この船がイヤで船長を辞めた人もいると聞いたほど。

双方向に走れる船のいいところは方向転換しなくても車の乗下船ができること。
船長だけが反対を向いて操船すればいいだけのだ。
景色を楽しもうと2階の船室に行くと、なんと、車の中に座ったままでいろと貼り紙。
この先二度と乗ることもないかもしれない航路なのに、残念無念。

あっという間に車を積み込むと、出航。上記キャプションのような事情で、ずっと車に乗ったまま過ごす。外の景色もよく見えず。
横浦島の与一ヶ浦までは15分ほど。数台が下船し、トラックなど3台が乗船した。さらに、30分近くで御所浦港へ。まずは、白亜紀資料館へと向かうが、現在建て替え工事中で仮施設。

あらら、楽しみしてきたのに。
狭い一部屋にわずかばかりの資料が展示してあり、無料で見ることができた。
日本最大級の恐竜の肋骨、というのがすごいなあ。
展示されている化石類は複製品ではないみたいだった。
準備室入り口脇の水槽には、スッポンモドキがいた。
島の地層からはこの仲間と思われる化石も出ているそうだ。

すぐ近くに、化石採集場がある。希望すれば、ハンマーを借りて採集体験もできる。

道路脇のこんな所で化石が出るとは驚いた。
まさに恐竜の島なんだな。

島の南端まで行ってみた。大浦という港周辺が突き当たり。

大きな恵比寿像が立っていた。こんなに大きくする必要があるのかしら。

引き返し、途中から山道へ入る。狭い九十九折りの道。行き止まりの烏峠近くでは勾配も険しくなり、道の折り返しも180度近い難路だった。
駐車場には工事作業車が3台。眺望が素晴らしい。どこまでが島でどこからが九州本土かよく分からない。

正面の島は獅子島、その奥には長島。右手奥は天草の下島かな。
左手奥のどこかからが九州本土だと思うのだが不明。
烏峠駐車場の片隅に化石がたくさん詰まった巨石が置いてあった。
目を近づけると、あちこちに化石。これはアンモナイトかな。

山を下り、港を通り越し、橋を渡って牧島へ。海縁の道を走り、少し山へ入った所に、スフェノセラムスの壁、という名所。立派な看板と説明板も立っている。歩いて行くと、壁はあるにはあったが、かつては壁面一帯に金網を張って剥落防御していたらしいが、その金網すらなくなっている状態。ようは放りっぱなし。斜面を登ってみても、化石らしきものはまったく見つけられず。なんだ、こりゃ。

金網を留めていたと思しき鉄杭だけが所々に残っている。

海際へ戻ると、アンモナイトの館。館と呼ぶのは冗談でしょ、というほど小さな建物。ありゃ、これもまた虚仮威しか、と期待もせず中に入ると、蓋を開けて覗けとある。開けて、びっくり。大きなアンモナイトがそのまま保存されている。陽の光を避けているのは、苔が生えないようにするためなんだそうな。こりゃ、天然記念物の価値あるわ。

まるで電話ボックスぐらいのサイズ。これが天然記念物と言われても、館と言われても、
はいそうですか、とは言えないですよ。中へ入って、蓋を開けるまでは。
CDぐらいのサイズの実に立派なアンモナイト化石。一見の価値あり。

再び橋を渡って、御所浦島へ戻り、今宵の宿の前を通り過ぎ、島の北端の集落嵐口(あらくち)へ。古い港町で細い小路が張り巡らされている。

絶対に車が入れない小路が入り組んだ嵐口の集落。
嵐口から橋を渡れば、前島。突き当たりに春日神社。
その右手には廃校となった小学校跡。今は保育所として使っているようだ。
グラウンドはきれいな芝生。こちらも島民が活用しているようだった。

さて、そろそろ宿へ向かうか。海際の道路端高台にホテルシーガル亭が立っていた。

ホテルシーガル亭。
フロント脇にはごろごろ化石がたくさん置いてある。

フロントに人はおらず、携帯に電話するようにと貼り紙。どんな遠くにいるのかと思いきや脇の部屋から女将さんが登場。早速、本日、10月11日から始まった全国旅行支援の手続きをした。実は数日前に、この割引が適用されますかと確認の電話をした時には、県から送ってもらうクーポンや書類がまだ届いてなくて、11日に間に合うかどうか分からないと言われていた。間に合ってよかった。

3000円分の地域クーポン。

部屋は2階の角部屋。目の前は牧島との間の海峡。

6畳の和室。かろうじてwifiが使えた。テレビもBS視聴可。布団はセルフで。
各部屋にバストイレ付き。こんなかわいい恐竜シール。
残念ながらウォシュレットではない。

夕食は19時からとのことだったので、港近くの酒屋でビールを買ってきた。

スカイレンタカーの格安で借りた日産マーチ。10万㎞近い走行。
いろいろな物が積み上がって迷路のような店内だった。

風呂上がりにビールを吞んで一服。頻繁に海峡を船が通る。連絡船もあれば、漁船もある。

黄昏れて暮れゆく海景色。条件が良ければ夕景が楽しめたのになあ。
どこから来たのかな、連絡船が走って行く。御所浦港と定期船で結ばれるのは5航路ほど。
他に、海上タクシーもあり、いろいろな港へ行くことができる。

さて、お楽しみの夕食タイム。今夜のお客は仕事で長期滞在の人が2組、あとは親子連れ1組。テーブルの上には、ちょっとずつ様々なおかずが並んでいて、思わずニヤリ。残念なことに、ヒトデはなかった。事前に聞いた時には水揚げがあれば出しますとのことだった。

呑兵衛にはたまらない、酒肴オンパレード。上段左から、タイアラ煮、カレイ唐揚げ、タコカルパッチョ。中段、タイ皮唐揚げ、タイ皮酢の物、カンパチ刺身、タコ、馬刺し、シマアジ漬け、タイ湯引き酢の物、デザートは柿。下段、ラッキョウ、アジ南蛮漬け。
右下角皿拡大。左上から時計回り、ニシガイ、カツオたたき、ブリ味噌漬け、マツバガイ。

地元の米焼酎、天草のお湯割りを飲みながら、ゆっくり楽しませてもらった。タイ皮はどちらも旨かったし、刺身はもちろん、アラ煮もよかった。ニシガイはちょいと癖があるがつまみには最高、ブリ味噌漬けも初めての味わい。ひとり最後まで食堂に残って、堪能させてもらった。

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