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201703 音楽の町、コザを起点に春の沖縄を満喫

 昨年3月下旬の連休、沖縄に出かけた。金曜夕方、羽田から那覇へ飛び、国際通り外れのホテルにチェックインし、馴染みの店を回って、山羊肉、沖縄そばなど、久しぶりに沖縄の味を堪能した。

 翌朝、レンタカーを借りて、中部のコザを目指す。かつてのコザ市は、今では沖縄市の一部。米軍嘉手納(かでな)基地がある町だ。お昼はパークアベニュー通りのチャーリー多幸寿(たこす)本店で。ここのタコスは皮がパリパリではなくしっとりしていて美味しい。通りでは聖パトリックデイのお祭りイベントの準備をしていた。


 沖縄に十数年前から移り住んで、現在は「マキノコ製作所」という島ぞうりを作っている知人女性の店を訪ねた後、今夜のホテルへ。パークアベニューにも近いデイゴホテル。常連さんが多い、安くて居心地の良いホテル。


 部屋に荷を置き、お祭り見物に出かけた。メインのパレードはちょうど終わる所だったが、あちらこちらでバンドが演奏したり、大道芸を見せる人がいたり。聖パトリックデイということで、緑色のものを身につけた人が多い。通りの中ほどにあるギャラリーでは、昔のコザの写真展を開催中。戦後すぐ、創業間もない頃のチャーリー多幸寿の写真も展示されていた。

 一度ホテルに戻り、夕食に出かける。まずは酒屋の2階にある麦酒工房へ。クラフトビールを自家醸造している。本日は5種類。ペールエールやIPAがジョッキ1杯500円前後と良心的な値段。酒屋さんの経営ならでは。


 食事は、地元の人イチ押しの台湾料理屋キャサリンでいただく。お気に入りは餃子。焼き餃子も水餃子も美味しい。他には薬膳スープが絶品。朝鮮人参やクコの実などいかにも体に良さそうな物がたっぷり入っていて、滋味深い味わい。それで1000円は安い。〆のデザートは杏仁豆腐とホットぜんざい。大満足。


 食事の後はライブハウス巡り。コザは「音楽の町づくり」を目指している。ミュージックタウン音市場ではいつも何かしらの音楽イベントが行われ、周辺のライブハウスでは昔ながらの実力派バンドが生演奏をしている。


 まずはフィリピンのバンドが出ているクラブクイーン。ベテランらしい安定感のある演奏。2軒目はこぢんまりしたアルテコザ。すぐ目の前で、店主夫妻が三線とギターを奏でながら、新旧の沖縄民謡などを聴かせてくれた。
 翌朝は、ホテルの大浴場で朝風呂を楽しみ、遠征中の中学生の集団で賑やかな朝食会場で朝ご飯をいただき、出発した。


 目指すのは三重城(みえぐすく)港。予約したホエールウォッチングの船が出る港である。クジラが見られるのは12月から3月まで。ぎりぎり最後の機会。この日は2隻出航。船は高速かつ安定走行の双胴タイプ。1隻30名あまり乗船。


 座間味(ざまみ)諸島の渡嘉敷(とかしき)島付近までクジラを探して走るが、なかなか発見できない。1時間ほど走っても影も形もなし。これはダメかもと思った頃、ようやく別の船から発見の報が入った。


 駆けつけると、親子連れのザトウクジラが気持ちよさそうに泳いでいた。子クジラはジャンプしたくてたまらないようで、何度も何度もジャンプを繰り返す。母クジラが時折、お手本を見せるかのように迫力あるジャンプをして、派手に水しぶきを上げる。その一瞬を写そうと船の上でカメラを構えるが、シャッターを切るタイミングが早過ぎたり遅過ぎたり。なかなかうまくいかない。


 しばらく追走していると、すぐ近くまでクジラが寄ってきて、胸びれを高々と上げた。今度こそチャンスを逃さず、うまく撮影することができた。

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