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2019年6月28日 夕張岳(1668m)

日程:夕張岳登山口駐車場5:30→5:45冷水分岐→6:54冷水の沢7:05→8:09望岳台→8:33雪渓→9:36ひょうたん沼→9:50蛇紋岩崩壊地10:15→10:50釣鐘岩→11:00吹き通し11:15→11:38夕張岳山頂12:10→13:45雪渓→14:20馬ノ背分岐→15:14夕張岳ヒュッテ→15:24夕張岳登山口駐車場

歩行データ:平均登高スピード登り285、平均登高スピード下り-418、消費エネルギー2306

メンバー:横井、秋田、長崎

今年の山の花目当ての大遠征は、昨年の知床に続き、北海道。目指すは夕張岳。標高こそ1700mに満たないが、アプローチが長く、標高差1200mを日帰りで往復しなくてはならない。前夜、夕張のホテルに泊まって、朝4時起きで登山口へ向かった。5時半に着いたが、平日にもかかわらず、すでに車が何台も停まっていた。皆さん、花目当てかなあ。

登山届を出して出発。ヒュッテへの林道からすぐに冷水コースへの分岐へ入ると山道。ダケカンバの森の中を登る。ちなみに九州や本州方面は台風接近で大荒れの天気だが、このあたりは曇り、一面ガスがかかっているけど、雨は降っていない。寒いかと思ったがさほどでもなく、歩き始めてしばらくしたらシャツを脱いで、薄手の長袖1枚で十分。

足下にはマイヅルソウ、ズダヤクシュ、クルマバソウなど小さめの白い花が咲いている。分岐から1時間ほどでコース名の由来となっている冷水の沢。ここで朝ご飯。沢の水も少しだけ飲んでみる。冷たくて美味しい。後から登ってきて追い越していった若者3人組が休憩後先に登り始めていった。

冷水の沢から登り、やがて尾根道を行くとシラネアオイの群生する一帯。ただし花は終わりかけで、白っぽい花が多い。そして望岳台。ガスが晴れて、滝ノ沢岳が見えたが、そちらとは反対側へ進む。すぐに雪渓が現れた。念のため軽アイゼンは持ってきたが、幸いアイゼンを使うほどではなく、トラバース。このあたり沢筋にはエゾノリュウキンカが咲いている。同じ黄色系ではミヤマキスミレも。そしてシラネアオイの新鮮な花。濃い紫色が美しい。サンカヨウ、ツバメオモトの白い花も。気のせいか花自体が大きい。

さらに登っていくと、時々木道が現れ、やがて湿原。まだほとんど花は咲いていない。ミネザクラ、エゾグンナイフウロ、ハクサンチドリなど花々を楽しみながら、ガマ岩、ひょうたん池と過ぎ、蛇紋岩崩壊地に出た。ガスの向こうに大きな雪渓が残っているのが見える。さあ、目当ての花がどれだけ見られるか。ミヤマアズマギク、タンポポはユウバリタンポポかなオレンジ色が濃い、チングルマ、シナノキンバイなど。そして、ムシトリスミレ、クモマユキノシタ。木道の下に、キスミレっぽい花、近寄ってみれば、シソバキスミレだった。大当たり。さらに雪渓近くには、遠いけど、ユウパリコザクラが咲いている。やったあ! 望遠レンズでどこまで引っ張れるか。しばらく銘々撮影タイム。シロウマアサツキはまだ蕾。

湿原はその先にも次々と現れた。イワイチョウ。あ、小さな赤紫色の花。ユウパリコザクラ。ラッキー。登るにつれ季節のタイムスリップ。低いところでは咲き終わっていたショウジョウバカマが、きれいに咲き始める。やがて蛇紋岩が露出する砂礫地、吹き通しに出た。おお、ユウバリソウがたくさん。ウルップソウの白花とも言えるが、それでは愛想ナシ。なぜかここではすべて白い花になる。ここでしか見られないからユウバリソウ。でも花期は終わりに近い。ぎりぎり間に合った感じ。小さいのがちょうど満開。さらにナンブイヌナズナ、エゾタカネツメクサ、クモマユキノシタなども。そして、雄蘂が長く突き出たエゾミヤマクワガタも。

と、ここで、驚きの発言が飛び出した。みはらしもきかないし、山頂へ行かなくてもいいんじゃないですか。百名山でもないし。なんと。ここまで来てそんなこと言うか。もしそんなことしたら後で絶対後悔するぞ。ここはさすが年長者、横井さんの登ろうよの一言で先へ。一足先に登ったら、わずか20分ほどで山頂だった。うーん、残念ながら周囲は何も見えない。すぐ下の神社さえ、時々ガスが晴れないと見えないほど。でも空を見ると、一瞬、青い空が雲の向こうに見えた。やっと追いついてきた二人と記念写真。やっぱり登って良かったよね。

下山も長い道のり。おまけにガスと言うより、雨雲の中を歩く感じで、ザックカバーだけは用意した。白く一面覆われたダケカンバの森は神秘的な雰囲気。雨具を着ることはなく一路下った。下りは、分岐を馬ノ背コースの方へ。ここから先はひとり単独でマイペースで下った。山麓近くには夕張岳ヒュッテもあり、ユウパリコザクラの会の拠点となっているようだ。駐車場に着いたのは、歩き始めてから10時間後だった。ふうう、お疲れさんでした。

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