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2022年6月 阿佐海岸鉄道DMV

徳島に行くからには、この春からやっと走り始めた世界初のDMV(DualModeVehicle)に乗ってこようと思っていた。
当日はあいにくの雨。徳島駅から牟岐線で終点まで。徳島にはしょっちゅう来ているが、牟岐線に乗るのは初めて、と気がついた。

徳島9:30発、阿波海南行き。1両のワンマン列車。

軽く朝ご飯は食べてきたが、車中のお供に、カツ天とボウゼ姿寿司を買ってきた。ペットボトルのお茶を飲みながら、美味しくいただいた。

カツ天は別名、フィッシュカツ。魚のすり身に少しカレー粉を混ぜ込んで揚げたもの。
笹田蒲鉾、というメーカーは初めて食べたが、身が少し薄め、味はまあまあ。
ボウゼの姿寿司は、徳島の夏に欠かせない。別名、イボダイ。

小松島、阿南、南下していくと車窓にやがて海が見えてきた。

雨は次第に勢いを増してきた。

やがて、日和佐。お城が見える。昔、子供らが小さい頃、国民宿舎にウミガメの産卵を見学するために泊まったことがある。夜中に案内放送があり、懐中電灯の明かりで出産シーンを見たが、子供らは寝てたなあ。

城の向こうに海が広がっている。

さらに列車は南下し、終着駅、阿波海南駅。無人駅。レールは行き止まりになっているが、左手から阿佐海岸鉄道のレールがその先に現れる。かつてはそのまま線路がつながっていた。

阿波海南駅ホーム。阿佐海岸鉄道のレールがその先に続く。
列車は折り返し、上り列車となる。

無人のJRホームに隣接して阿佐海岸鉄道の木造の立派な待合室がある。

自販機もDMVの絵柄、幟にも世界初DMVの文字。

実はこの先に関しては乗車券を事前にネットで予約し、購入している。

予約していないと、乗車可能かどうか分からない。
小さな車体のため、席数が限られているのだ。
線路の上を走ってきた列車が、線路の終点でタイヤにモード変換して、道路へと出てくる。

待合室でしばらく待っていると、上り列車がやってきた。強まる雨の中、傘をさして撮影に出向く。と、やってきた赤い車体は躊躇なくストンと列車モードからバスモードに変換しちゃった。おいおい、雨の中、撮影しようと待ってるんだから、少しぐらい間を置いて撮影のチャンスを作ってくれよ。後から傘をさして駆けつけた女性2人も、えー、サービス精神がないわねえと怒っていた。

列車モードで侵入してきた赤い車体は、この後、そっけなくバスモードに変換した。

その11分後、今度は緑の車体が近づいてきた。今度の運転士さんは、ちゃんとこちらを意識してくれた。ゆっくり変換モード。おかげで撮影できた。ありがとう! こうでなきゃ。

下り列車、接近。
線路の上はこの状態で走行している。やや、前が持ち上がった感じ。

タイヤが下りる瞬間は動画で。

https://youtu.be/30bLBgHBcdI

変換が終了すると、バスモードになって停留所へ出て行く。
乗降客がいないことを確認すると、次の終点、阿波海南文化村へ出発。

さて、もう1台見送ることにする。今度は下り列車。例の赤い車体だ。

停留所前に一般車が進入できないように踏み切りバーが設置されている。
まずは、前方の車輪が下りて、車体前方をぐっと持ち上げる。
この後、後方車輪を出して後方も少し車体を上げて、列車モード変換完了。
ただし、その後、運転士が下車して前方後方の車輪の状態を目視確認する。

で、この11分後、12時51分発の下り列車に乗車した。車内は前から後ろまで6列、2列と1列のシート。全部で21席あるが、予約可能な席は16席と少ない。

こんな感じの車内の様子。
前方にチョー短いトンネルが現れた。

鉄道モードになると、車輪がガタガタする震動が時折伝わってくる。決して乗り心地はいい訳ではない。時速もせいぜい40㎞ぐらい。

おお、車窓に美しい海が見えてきた。お天気だったら、最高の景色だろうに。
運転席周りは完全にデジタル化されている気配だった。
愛想のない運転士は、まだ慣れない運転に必死で、余裕がなかったのかもしれない。

発車から26分後、13時17分、海の駅東洋町に到着。本当はひとつ手前の甲浦駅まで予約してあり、そこからシェア自転車で海の駅まで移動するつもりだったが、この雨では無理。追加料金200円を支払って下車。目の前には美しい砂浜のビーチが広がっていた。

ここは道の駅、ではなく、海の駅。

さあ、お昼ご飯にしよう。海の駅では野菜や魚介類の直売の他に、レストランが併設されている。日替お刺身定食をチョイス。直売している刺身類を切ってもらって食べることも可能だが、どれもサイズがでかくてあれこれ食べられそうにないのでパス。

今日の刺身は、メバチマグロ、タイ、ビンチョウマグロ。
どれも美味しかった。付け合わせのダイコンも美味しかった。
ただし、残念なことにビールは売っておらず、おとなしくお茶でいただくしかなかった。
クーラーボックスでもあるなら、買って帰りたくなる安さ。

浜ではサーファーが、雨もものともせず、波乗りを楽しんでいた。

初心者のようで、岸から近い場所で小さな波に乗っていた。
そうそう、ここは徳島県ではなく高知県なのだ。
土佐銘菓、野根まんじゅうとアーモンドクッキーを食後のおやつにした。
野菜やパンなども売っていた。

帰りの便で阿波海南駅まで戻り、JRの列車の時間まで、駅前のローソンで買ってきたビールを飲んで過ごした。

JRのホームの端っこから、鉄道モードに切り替わったことを目視確認する様子を撮影した。
下り列車が、トンネルに向かって吸い込まれてゆく。

帰りの列車内ではもっぱら持参した文庫本を読んで、2時間を過ごした。北上するにつれ、次第に下校する学生さん達で1両の車両内は混雑していった。

JR阿波海南駅は無人のため、途中駅から乗り込んできた車掌から切符を買い求めた。

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