2022年5月 伊平屋島
昨年、計画と手配だけして、結果的には緊急事態宣言のため断念した伊平屋(いへや)と伊是名(いぜな)の2島めぐりをようやく実現することができた。
今月2度目のジェットスター早朝便で成田~那覇、さらに那覇空港からやんばる急行バスで終点の運天港へ。那覇から3時間弱の道のりだが、直行なので助かる。
運天港からは伊平屋島、伊是名島へ船が出ている。どちらも各村直営の船。待合室は片側半分が伊平屋行き、半分が伊是名行き、となっていて面白い。
沖縄は梅雨の真っ最中、予報では滞在中、ずっと雨。しょうがない。15時、フェリーいへやⅢ、出航。船は古宇利大橋を右手に見ながら進む。
さほど揺れもせず、やがて伊是名島が見えてくると、間もなくその先に伊平屋島も見えてきた。前泊港に入港。
ターミナルビル内のそよかぜレンタカーで借り出し手続きをして、早速、軽自動車で島内巡り。まずは、西南端の橋で繋がる野甫(のほ)島へ。
今夜の宿は前泊港に近い、ホテルにしえ。2階の部屋は数年前に改装しただけあって、快適なバストイレ付きのシングルルーム。大きなテレビが壁から突き出していた。
雨の合間をみて、近所を散歩。道路向こうの海岸は砂浜のビーチ。軽石がたくさん打ち寄せていた。そしてシヌグ堂という神社、というか拝所。
夕食は18時半から。宿泊客は、5、6組ぐらいかな。仕事の人の方が多いような感じ。飲み物は道路向かいの共同売店で勝手に買ってくる仕組み。
食事を終えるとすることもないし、雨も小降りになっていたので、傘をさして近所を歩いてみた。民宿が数軒、お店も数軒。雨が降ってきたので、おとなしく宿に帰った。
翌朝、雨は降っていないのでまたまた散歩。が、しばらくして雨。宿に戻る。
6時半、大音量で村内放送が始まり、いきなりラジオ体操のメロディが流れた。島の人は強制的に起こされるんだなあ。7時半に朝食。サケは焼きたて。パパイヤイリチーも作りたてで旨い。そしてご飯は白米か黒米か選択できたので黒米にしたが美味しかった。宿泊代も7810円と、今回3つの島で泊まった宿の中では最高値ではあったが、居心地の良い宿だった。
チェックアウトして、島内巡りに出発。まずは、北へ向かう。田名神社に寄ってから、国指定天然記念物の念頭平松へ。おお、でかいわ。枝の張り方がすごい。ぐるり1周した。
さらに北上。と、海際に大きく皺が寄ったような岩塊。チャートだそうな。その根っこが浸食されて洞窟になっているのが、くまや洞窟。入口が狭くて、大柄な人だと入るのに苦労しそう。中は結構広くなっている。奥の方が二又に別れるその突き当たりに祭壇が設けられていた。
さらに進むと、伊平屋島の北東端、久葉山。灯台が立っている。
島の北岸、西岸沿いに南下。海岸沿いには名前の付いた奇岩なども点在するが、雨が降っているのでチラ見するだけで走り抜け、野甫島へ再度行き、世界塩の博物館を見ようとしたら閉館していた。やむなく、伊平屋島の南の集落、島尻へ。広場に立つ神アシアゲという小さな茅葺き小屋を見る。神事の際にノロが中に籠もる神聖な場所。
東海岸沿いに少し北上。海岸へ下りていくと、屋蔵墓と呼ばれる史跡があった。海に面した洞窟で、琉球王朝の第一尚氏、尚円志の先祖屋蔵大主が祀られている。後で分かったのだが、第一尚氏と刻字した直方体の小さな石はもともとあったものではなく誰かが勝手に置いたらしい。花立てらしきモノもたぶん同様だろう。
もう見るべき所もないし、雨は止まないし、港の前の民俗資料館を見学しようと行くと、11時開館の貼り紙。5分待つ。が、開く気配がない。連絡先の番号に電話しても応答無し。しょうがないので、ターミナル内の観光協会へ行って訊ねると、問合せてくれて、担当者が来るのでしばらく待って下さいと言う。
お昼を済ませておこうと思い、レンタカーと同じスペースのカフェで売っていた小ぶりなお弁当を食べることにした。
30分待っても誰も来ない。そろそろ1時間になる12時前、観光協会の人にもういいです、無駄な時間だった、と告げて車に向かうと、資料館に入っていくおばちゃんが見えた。本当は12~13時は昼休みと書いてあったが、さすがに見せてもらえますよね、と言うと、本当に渋々、イヤそうに入れてくれた。教育委員会が担当と聞いていたが、何をやってるんだか。200円払って、見学。たいした展示物はなかった。
車は野甫港に乗り捨てるが、その前にガソリンを島尻で入れようと思い立ち寄ると、昼休みの貼り紙。あちゃー。前泊まで戻って給油後、野甫港へ向かった。待つことしばし、雨の中、やがて船がやってきた。お隣の伊是名島へ渡してくれる船だ。チャーター料8000円。これでなければ、いったん運天港まで戻り、改めて伊是名島へ渡らなくてはならない。ほぼ丸1日潰すことになる。それを考えれば、けっして高くはない船賃だ。
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