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2022年8月 隠岐4 島後・隠岐の島

さて、隠岐の旅、〆は島後、隠岐の島。西郷港にフェリーが入港し、ターミナルビル前のレンタカー待合所へ。港から少し離れた場所にあるレンタカー屋さんだったが、大きな店だった。まあ、島前から島後へ来たら、都会に来たように思えてしまうのだが。手早く手続きを済ませ、向かったのはモーモードーム。14時半から牛突きが始まる。観光客向けではあるが、いつでもやってるわけではないのだ。入場してきたのは600㎏を越す大きな黒牛。もう1頭も入場し、角を突き合わせ始めた。

いやあ迫力満点。角が当たるカンカンという音が響く。綱を曳く人の技量も重要らしい。

正式な取組はどちらかが背を向けるまで続けるが、あくまで観光の人に見てもらうためのものなので、一定時間が来たら、引き分けとなる。引き離すのも大変そうだった。その後は、それぞれ客席近くに繋がれ、記念撮影タイム。

近づいて記念撮影させてもらったが、荒い鼻息が首筋に吹きかけられて生々しかった。

モーモード-ムから島の中心部を北上。道路脇に大きな杉の木がある。かぶら杉。同じ根っこから何本も杉の巨木が伸びている。

樹齢600年。今は6本が伸びているが、昔は12本もあったという。

さらに北上すると、隠岐の島最北端、白島崎展望台。豪快な眺めを堪能。

竹島が近いんだよね、ここからは。竹島の大昔の写真が載っている写真集のキャプションに、韓国の漁師達は竹島へ漁に来る時にキムチの大壺を持ち込み、食べ残した分は次に来る日本の漁師達に食べてと書き置きしたという。逆に、日本の漁師達は大甕にタクアンを持ち込み、残りは韓国の漁師達に食べてと、そんな交流があったと書かれていた。
そんな関係に戻れないものかねえ。
美しい海岸線でした。見えている遊歩道を歩こうという気にはなれなかったけど。
とにかく暑い日だったので。
季節外れのアジサイの花が咲いていると思ったら、このあたりでは雪が降るまで咲いている花もあるそうだ。

東の海岸線沿いに南下。国指定重文、佐々木家住宅に寄ると、なんと立入禁止。事前情報では分からなかったが、後で調べると、修復工事中のため9月まで見学不可だった。隠岐の観光案内サイトは散々調べたつもりだったがそんなこと分からなかったなあ。場所が不便な所だけにもっと分かりやすく伝えてほしいなあ。

上から屋根を眺めただけで終わった。

西郷の町に戻り、宿へ。今夜の宿は、隠岐プラザホテルに最近できた別館離れ。川沿いの古民家を2軒、改装して宿泊できるようにしたという。本館でチェックインし、鍵を受け取る。駐車場がないかもしれないと思っていたら、敷地内に駐車可能とのことで一安心。部屋は思った以上に良かった。結果的には同宿者と顔を合わせることもなく、静かに寛ぐことができた。

隠岐プラザホテル別館ゲストハウス、Hito_Naka西町。客室は4部屋かな。
泊まったのはツインルーム。1泊素泊まり、13200円。木の香りがする。
共用スペース。左手奥にはキッチン、ダイニングテーブルもある。

さて、夕食は町中の炉端料理の店へ。青柳。早めの17時半に行くと、一番乗り。カウンター正面席についた。大将は超ベテランの佇まい。冷や奴と刺身盛合せを頼んだ。酒はもちろん隠岐誉。大将は実に丁寧に魚をさばいていく。サザエは奥の水槽から取り出して。

一切、手抜きなし。1種類ずつ、丁寧に包丁を入れていく。
サザエ、真鯛、ブリは背と腹身、イサキ、赤エビ、イワシ、アジ。

刺身はとても美味しい。この店へ来たらイカ丸焼きは絶対食べるべしと口コミで皆が書き込んでいた。大きいと食べきれないので小ぶりなのを、とお願いした。ワタもたっぷり入って旨い。

イカ丸焼き。ワタの旨そうな色合いが見えるでしょ。

この店、美味しいけど、冷房がきいてない。暑くてたまらない。さらに、メニューの選択の余地が少なすぎる。おまけに隣に若者グループが入ってきたので、早々にお勘定を頼んだ。リーズナブルなお勘定。
で、旅先でハシゴをしないという自分で立てた大原則を破って、次の店へ。ハシゴ、と言っても1時間しかいなかったし。次も1時間以内で。
入ったのはDOZIという鉄板焼きの店。本当は1軒目をここにしようかとも思っていたが、お好み焼きも出すようなので、匂いが立ちこめていたりしたらイヤだな、と思っていた。席はカウンター、鉄板真正面。鉄板がよく磨かれていてピカピカ。あ、こりゃいい店だなと思った。珍しい焼酎があったので海藻焼酎にした。肴は、隠岐に来たらぜひとも食べたかった珍味、ベコ。アメフラシのこと。そして隠岐牛を食べ損ねたので、厚切りタン塩。

これがベコ。甘く煮付けてあった。春先から梅雨時にとれる。加工して冷凍保存可能。
タンは柔らかくて美味しかった。

海藻焼酎の後は、お店の人オススメの米焼酎を。お、こっちの方が旨いわ。個室はどうやら満室のようで、時折、お好み焼きや焼きうどんなどのオーダーが入る。すると、女将さんだろうか、カッコいい方がとても手際よく目の前の鉄板で調理する。ヘラの音が心地よい。〆にお好み焼きが食べたくなり、海鮮お好み焼きを注文。ふっくらした仕上がりで美味しかった。

海鮮お好み焼き、完成。大変美味しゅうございました。

いや、満足した。隣の席に若者グループが来たのを機にお勘定。
宿に戻り、ひとりホテル本館の大浴場へ。部屋にちゃんとしたバスルームもあるが、大浴場にも入りたいので。川べりの道を夜風に吹かれて。ホテル隣の神社に明かりが灯っている。大浴場はホテルの3階。温泉でもないし、3階だから眺めがいい訳でもなし。わざわざ出向くほどではなかった。

水祖神社。別名天神さん。

翌朝、近辺を散歩。古い町並みも少し残っている。

今回借りた車。ダイハツのミラ。よく走るいい車だった。
川の対岸にはもう1軒のゲストハウス、Hito_Naka港町。
川沿いには古いお屋敷も所々に残っている。
いかにも漁師町の風情。
カッパ地蔵が祀られていた。
トンビが獲物をしっかり掴んでいた。
水祖神社の鳥居に朝日が差していた。
西郷港に停泊中の隠岐汽船のフェリー。
朝ご飯は、フェリーターミナル内のカフェでテイクアウト。
コーヒーとマフィンサンドとウニ味噌おにぎり。おにぎりはアツアツでウニの香りがして、とても美味しかった。

本館にキーを返却してチェックアウト。玉若酢命神社へ向かう。その前に手前のドラッグストアで買い物。神社にはツアーバスが停まって大勢の人が下りていた。ガイドさんの説明を聞いている間に、先にお詣り。

茅葺きの随神門は重文。
随神門を潜ると杉の巨木。八百杉、国指定天然記念物。

お詣りした後は、隣の隠岐家住宅へ。茅葺きのお宅は国指定重文。奥の宝物館は案内つき。

吹き替えるのが大変だろうと思われる、隠岐家住宅。
宝物館の3つのお宝の筆頭が、駅鈴。全国でもここにしか残っていない。
さらに隠岐倉印も、どちらも国指定重文。

さて、隠岐の島西海岸方面へ。屋那の松原の舟小屋群。丹後半島の伊根あたりで同様なものを見たことがあるが、あれよりずっと規模は小さい。向こうの2階部分もあるからなあ。

小屋の中に置かれているのは小さな磯舟。

五箇地区に立つ水若酢神社へ。こちらは、隠岐の一の宮。先ほど寄ってきた玉若酢命神社は、一の宮ではなく総社という位置づけ。

一の宮の名にふさわしい構え。
他の神社にも土俵がある所は多かった。さすがに神前相撲が盛んな隠岐だけある。
ここは映画のロケが行われたようだ。
奥に立つ本殿は隠岐造りという独特な神社建築様式。寛政年間の造営で国指定重文。
参拝は拝殿の手前にて。奥の本殿が見える。
水若酢神社境内には古墳群が残っている。1号墓は石室が露出している。
こちらも水若酢神社に隣接。西郷に立っていた役所を移築し、現在は郷土館としている。

さて、西郷に戻り、ガソリンを入れて車を返却しよう。船に乗る前に隠岐での最後の食事。港近くのフィッシャーマンズワーフ隠岐。ありきたりだが、刺身と天ぷらの定食。カミさんは焼肉定食にしたが、これが美味しい牛肉でアタリだった。

左上の小鉢、アラメの佃煮が美味しかった。


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