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2018年6月3日 八ヶ岳横岳(2829m)

日程:桜平、中の駐車場4:45→5:20夏沢鉱泉→6:10オーレン小屋6:25→6:45夏沢峠6:50→7:45硫黄岳8:00→8:25硫黄岳山荘8:30→9:20横岳9:30→9:50日ノ岳手前10:10→その先→10:40日ノ岳手前10:50→11:15横岳→11:45硫黄岳山荘12:00→12:30硫黄岳→13:00夏沢峠13:10→14:20桜平、中の駐車場

歩行データ:平均登高スピード登り296、下り399、消費エネルギー2710カロリー

メンバー:横井、秋田、長崎

ごく限られた山にしか咲かない、しかも開花期は短く、その上晴れていないと開花しない、そんなわがままなツクモグサを八ヶ岳に見に行こうと計画。直前まで天気の具合を確認し、6月2日土曜始発出発で山小屋泊まり、と前日に決めたはいいが、6月3日は八ヶ岳開山祭、2日は各小屋で前夜祭が行われるため満室、急遽、夕方出て茅野市内の安宿に前泊し、早朝から登って日帰りすることになった。標高差は1000mほど。なかなかハードな日帰り登山だ。春にきれいに整備された桜平の中の駐車場に到着したのは朝の4時半前。同じように日帰りしようとしているのか、数台の車から登山者が出発していった。4時45分頃、歩き始めた。月が浮かぶ空は明るくなっている。途中の夏沢鉱泉までは完全な車道。沢沿いの森の中を歩く。苔むした岩の間からきれいな水が流れ出している。足下にはシロバナヘビイチゴ、キバナノコマノツメ、ミヤマスミレなどが咲いている。やがて夏沢鉱泉。さらに進むと、車道から林道へ。キャタピラの跡が付いている。しばらくすると薪の燃える匂いが漂ってきた。オーレン小屋。昨夜は満員御礼だったはず。ちょうど朝食が済んで出発する登山者が大勢いた。ここで朝食。この先は山道。森の中に朝日が差し込んできた。稜線へ出ると夏沢峠。視界が開ける。その先、しばらく登ると、森林限界を越えた。やがて北アルプスの山並みが雲の間に見え始めるとだだっ広い硫黄岳山頂。阿弥陀岳の向こうには北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳がくっきり。ここで出会った一人登山のおばさんは、昨夜オーレン小屋に泊まったそうで、前夜祭は各地の日本酒飲み放題、バイキング形式のご馳走、外れクジなしのプレゼントなど小屋は大盤振る舞いだったと教えてくれた。すでに昨日硫黄岳にも登って、今日は赤岳の開山祭へ行くのだそうな。がんばるねえ。硫黄岳山荘へ下り、一服後、横岳を目指す。ツクモグサは横岳山頂を越したあたりまで行かないと咲いていない。岩場にはコバノツガザクラ。左前方に富士山。赤岳が負けじと聳え立つ。やがて鎖場、ハシゴ。険しくなってきた。咲きかけ始めたハクサンイチゲ、オヤマノエンドウ、ミヤマキンバイなど、いわゆる高山植物が見え始めた。お、まだ開いていないがツクモグサが斜面に顔を出している。初見参。ホシガラスが足下すぐ近くの枝に止まっていた。イワヒバリが姦しく囀る。すると、目の前の岩の頭にイワヒバリ。人のことなど気にせずひとしきり囀ると飛んでいった。足場はますます険しくなり、鎖場、ハシゴと続く。と、その先に人だかり。おや、咲いてるのかなと思ったら大当たり。ちょうど撮影しやすい場所に幾株もつぼみを膨らませ、中には咲いている株もある。素通りしていく登山者も中にはいるが、たいがいの人はカメラやスマホで撮影していく。順番待ちの行列。さてぼくたちは荷物を下ろして、心ゆくまで撮影タイム。へばりつきカメラをとっかえひっかえ、絞りを変えて。長崎君の愛用白傘で影を作っての撮影も順番に。ツクモグサがあるエリアはもう少し先の方まで。反対から来た人が、あっちにも群落があった、と教えてくれたので、荷物をデポして先へ行ってみた。ツクモグサが生えているのは西側斜面のみ。険しい斜面にいくつも固まっている。近づけないのが玉に瑕。先ほども登山ガイドが、ツクモグサとは関係ないがルートを外れた場所にいた登山者に、登山ルートから外れてはいけません、戻って下さいと大声で注意していた。ひとしきりウロウロしてみて、やはり最初の場所がいい、少し時間が経ったからさらに開花が進んでいるだろうと期待して戻ることにした。途中、ウルップソウがまだ硬い花芽を付けている。さてツクモグサは、といえば。やはりさっきよりは花びらが開いていていい感じ。再び花にとりつく。いやあ初のツクモグサ、素晴らしい。産毛が逆行に光って何とも言えない美しさ。一人で来ていた青年もどうやら山頂目当てではなくツクモグサ目当ての様子。お互いに天気が良くて良かったねと満足顔。さあ堪能した。あとはさっさと下山して、高速の渋滞が酷くなる前に帰りたい。とりあえず硫黄岳山荘まで岩場の下り道を引き返す。ここでランチタイム&トイレ休憩。コンパクトカメラ以外はザックにしまい、ダブルストックを出した。ここからは岩場の下り。この前、檜洞丸で指導してもらった下りのダブルストック使いを実践。効果絶大。速く下りられるし、足にも負担が少ない。いやあいいなあこれは。もっと使いこなせるようにしないと。すいすい下って、夏沢鉱泉の先の車道歩きは行きには撮っていなかったコミヤマカタバミやミヤマスミレなどを撮りながら歩いた。14時半前に桜平の駐車場へ。いやあ10時間近く歩いたことになる。さすがにくたびれた。しかし、その疲れを忘れさせてくれる花だった。

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