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力強さの違い ~【櫻坂46】パフォーマンス時の表情について~

 クリスマスイブの今夜、MUSIC STATION『ウルトラ SUPER LIVE2021』に櫻坂46が出演する。
 今回は、「BAN」が披露されるようだが、今年最後の音楽番組ということで、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、非常に楽しみである。

 去年は、改名したばかりということもあり、同番組には「Nobody's fault」で出演していた。録画していたものがあったので、久しぶりに当時のパフォーマンスを観ていたのだが、やはり、最近の配信ライブなどと比べると、大きく変化していることに気がつく。
 その中でも、最も成長しているのは、メンバーの皆さんの表情であろう。
 昨年のパフォーマンス時は、まだまだ表情が硬く、少し欅坂46の名残が感じられる。改名して間もない頃であるため、仕方ない部分もあるだろうが、櫻坂46を名乗っている「欅坂46」という感じがどうしてもあり、正直、それほど改名効果がないように思えた。
 当時の状況を考えると、ファンはもちろん、メンバーの皆さんも、欅坂46に変わったということが、身体の奥まで浸透しておらず、逆に欅坂46の部分を感じることで安心していたところもあったはずである。変化がないことで安心し、これからもファンを続けていこうと思っていたというのが、その頃の正直な気持ちだったのではないだろうか。

 それでも、櫻坂46として、3枚のシングルをリリースし、ライブを重ねてきたことで、櫻坂46らしさ(=櫻坂46スタイル)が確立してきている。
 全国ツアーの最終日や1周年記念ライブの配信を観ていても、彼女たちの表情に「女性らしさ」や「艶っぽさ」が出てきているのが感じられる。パフォーマンス中も、柔和な笑顔が頻繁に登場してくる。
 表面上の硬さが影を潜め、強さがより芯の部分に宿るようになり、その分、表情は柔らかいものになっているのが、最近の彼女たちと言えるだろう。
 この違いを例えると、活動初期は「若くして第一線で戦っていた『ジャンヌダルク』のような凜々しさ」であったものが、「人類を愛で包み込む『聖母マリア』のような慈悲深さ」に進化しているというのが、最近のパフォーマンスから感じられるものである。
 これは、櫻坂46の活動を続けてきたことで、心情的にも、楽曲の解釈という意味でも、自分たちのスタイルに誇りを持って、取り組んでいることを表しているのではないだろうか。
 また、年齢的にも、少女から大人の女性へと変化している。
 このようなメンバーの皆さんの成長が、楽曲のパフォーマンスから受け取ることができるメッセージを、大きく変化させていることは間違いない。

 「Nobody's fault」についても、昨年の番組録画から受け取れるものと、先日の配信ライブから受け取れるものでは、こちらに伝わってくるものが全く異なっている。
 今までも、彼女たちは、与えられた楽曲を披露する度に変化させてきた。CD収録時→MV制作時→楽曲披露時→ライブ披露時と、一つの楽曲を次々と変化させながらパフォーマンスするというのが、彼女たちのスタイルだったのだが、今回は、より本質的な部分の変化と言えるだろう。
 まだ、櫻坂46としての楽曲数が少ないため、同じ曲を何度も繰り返しパフォーマンスできることから、楽曲の解釈を深めることが出来ることも影響していることは間違いない。

 今度はどのような解釈で見せてくれるのか。それが、彼女たちのパフォーマンスを鑑賞する際の大きな楽しみである。
 

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