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焦らしに焦らして? ~【櫻坂46】ティザー映像の有効活用~

3枚目シングルが発売されてから、既に3ヶ月が経ってしまった。
欅坂46時代は、8枚目シングルが発売されてから、9枚目までの期間が長かった。
9枚目は、初の選抜制を導入し、二期生がオリジナルメンバーに選ばれる・・・など、話題が多いシングルだったのだが、ドキュメンタリー映画などでも確認できるように、最終的に発売されることはなかった。
この頃の悔しさが、櫻坂46となってからのシングルで、完全に解放されることになったのだが、それでも、彼女たちにとっては、大好きな「欅坂46」が発展的に解消された衝撃の方が強かったのは確かであろう。
2020年7月のライブで改名することが発表されてから、実際に「櫻坂46」としての1枚目シングルが発売されるまで少し時間があったので、どのような楽曲がくるのか、ファンはもちろん、メンバーの皆さんも期待や不安があったことは間違いない。
そんな中、冠番組の名前も「そこ曲がったら櫻坂?」に変わったばかりのCMで、『Nobody's fault』のティザー映像が公開される。

イントロが流れる中、森田さんが一人佇んでいる姿は、新しいグループとしての幕開けを感じられるものだった。
曲調はもちろん、MVのテイストは、完全に「欅坂46」の流れを踏襲しており、相変わらず「クールさ」と「かっこよさ」は健在であった。
改名しても、この路線が続くことに、正直安堵したファンは多いだろう。

ティザー映像が公開されてから、1週間後に『Nobody's fault』のMVが公開されるのだが、ここが少し戦略的にもったいないような気がしてしまった。
ティザーが作られたことから、もう少し、小出しにして、じわじわとシングルの全体像が明かされることを期待していたのだが、意外にも、1週間であっさりとMVが公開されてしまったからだ。
ある意味、とても良心的とも言えるのだが、もう少し焦らしても良かったのではないだろうか。
このように、ティザー映像を公開してから、比較的短期間でMVを公開するというやり方は、2枚目シングルの「BAN」でも同じであった。

このやり方で公開していくと、どうしても、シングルの表題曲だけではネタ切れ感が否めないので、カップリング曲の音源解禁→そのMVの公開という流れとなり、リリースされるまでの間に、MVを出し尽くしてしまうということになりがちである。

これでは非常にもったいない。
シングルがリリースされるまで、知ることができない楽曲やMVがもっとあっても良いし、その方がCDの売上げにもつながるのではないだろうか。

この辺りの戦略がうまいのは、K-POPのアーティストであろう。
発売前に、ティザー映像がいくつも用意されており、それを少しずつ公開することで、MVで全体が観られるようになるまでに、ファンの期待を最大限まで高めている。
もう期待がピークとなった時点で、MVが公開されることから、あっと言う間に再生回数が数百万、数千万となる。その「急上昇」ぶりが、また話題を呼び、ファン以外も再生してみるということにつながっていく。
話題になってるから・・・と覗いた人たちも、その楽曲の良さやパフォーマンスの素晴らしさに触れることで、他の曲も聴いてみようとなることは間違いない。
このような戦略の積み重ねが、グラミー賞へとつながっていくのである。

もう過去のことは、変えることは出来ない。
それでも、これからのやり方は、いくらでも変えることが可能である。
欅坂46時代からのファンなどは、シングルリリースまでの解禁パターンを大体把握してしまっているだろう。
これからは、そのパターンを変えていくことで、かえって話題となるだろう。
ファンの期待や予想を、良い意味で裏切っていくことで、「次はどうなるんだろう?」というワクワク感は大きくなっていくはずである。

・・・などと書いている今も、「4枚目はいつ?」ということばかり気になっている。
シングルでも、アルバムでも構わない。
次がどのような一歩になるのか・・・期待は高まるばかりである。


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