「特技」をさらに伸ばす ~【櫻坂46】「1st YEAR ANNIV. LIVE」鑑賞後記②~
今頃は、来年早々に開催される「3rd Single BACKS LIVE!!」のレッスンに余念が無いことだろう。その間にも、音楽番組やフェス、紅白出場を控えているため、フル回転で活動をしている期間であることは、容易に想像できる。
「BACKS LIVE!!」自体、グループ全体の平均点を上げることを目的としていると思われるため、このようなライブの機会が与えられていることは、今後の活動にとって、非常に意義深いことである。
先日行われた「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」を観ていて、曲間のダンストラックが、非常にハイレベルになっているのが印象的だった。
4曲目の「それが愛なのね」の後に、山﨑さんのソロダンスから開始されたパートが特に素晴らしく、小池さん、齋藤さん、武元さん、藤吉さん、森田さんを加えた6人による、高いダンススキルを余すこと無く発揮したパフォーマンスに、目が釘付けになった。
8曲目の「Microscope」の後には、菅井さんをはじめ、原田さん、遠藤さん、大園さん、大沼さん、田村さん、守屋麗奈さんによる、王道アイドル系の煽りダンスは、会場全体をさらに盛り上げてくれていた。可憐でかわいらしい振りで踊っていても、さすが櫻坂46といえるダンススキルを見せてくれていたのが素晴らしい。
そのダンストラックの後は、井上さんと松田さんによる新ユニット「ふたりな」の『On my way』がお披露目された。どちらも、安定した歌唱が出来るメンバーであるだけに、ステージを目いっぱい使ったパフォーマンスによって、観客の皆さんを存分に楽しませていた。
新ユニットと言えば、小林さんを中心とした藤吉さん、遠藤さんによる「ジャマイカビール」であるが、これはもう格好良すぎると言えるくらいの仕上がりであった。
これらを見ていくと、ダンスが得意なメンバー、歌が得意なメンバーなど、グループ全体のレベルを確実に上げているメンバーがいることがわかる。
このような才能は、リミッターを外して、もっと磨いていかないと非常にもったいない。
「ジャマイカビール」が、新しい振付の方にサポートしていただいたことで、今までにない要素をもたらしてくれたように、より積極的に、これまでとは違うことに、どんどん挑戦していける環境を調えていただくことは可能だろうか。ファンとしては、そのような機会が与えられることを、大いに期待したい。
楽器ができるメンバーによるガールズバンドや、歌が上手なメンバーによる歌唱ユニット、ダンス選抜によるユニットなど、それぞれの特技が活きるユニットが増えることで、グループ全体がさらにパワーアップしていくことは間違いない。
メンバーの平均点を上げることは、もちろん大切なことであるが、長所をもっと伸ばして、あえて、いびつな形にすることも必要なことである。それぞれが尖った部分を持ち、グループ全体を俯瞰でみた時に、はじめて丸く見えるくらいで、ちょうどいいのではないだろうか。
そうでなければ、グループになって活動している意味がなくなってしまう。
不思議なもので、誰か出来る人がそばにいることで、自分も出来るようになることは往々にしてある。ものまね番組などで、ものまね名人の芸を観ているうちに、その人の真似ができるようになることは、よくあることである。その人の特徴を捉え、先鋭化させることで、その人らしさがパターン化し、それを取り入れることで、同じように真似ができるからである。
それと同じように、出来る人がそばにいると、出来るようになるためのポイントや感覚が掴みやすくなることから、上達が早くなるだろう。
グループの表現の幅を拡げ、レベルを向上させるためにも、「得意なもの」をさらに伸ばす機会が増えていくことを期待したい。
得意な人が、さらにハイレベルなことに挑戦し、それを修得することで、グループにとって良い刺激となり、全体が同じレベルになるまでが加速されるはずである。
メンバーの皆さんが、挑戦し切磋琢磨した結果が、世界への飛躍につながることを心から応援していきたい。
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