センターに歌わせたいメッセージとは？　～【櫻坂46】表題曲センターの条件を考える～

秋元さんは、歌い手に合わせる形で作詞をしていく。
そのため、彼が書く詩は、彼が訴えたいことではない。
秋元さんがよく口にするのは、歌うメンバーの「1」を「100」にする作業が、自分の作詞方法であると言うことなのだが、今回は、山﨑さんが歌うものとして、何を種としたのだろう。

グループ最年少である山﨑さんには、今まで「仲間」「友情」「絆」というテーマが与えられてきたのだが、今回は、淡い恋心がテーマとなっているようだ。
年齢的にも、中学生から高校生へと進学し、気のあった仲間との友情に加えて、特定の相手を異性として意識する年頃である。
櫻坂46も、グループとして、次のステージに進むタイミングであり、表現の幅をつけるためにも、真っ正面から恋愛のことを歌う表題曲があっても良い時期と言えるだろう。
このイメージの合致が、今回、「五月雨よ」のセンターに、山﨑さんが選ばれた理由であろう。

「BACKS LIVE!!」が開催されるようになってから、オリジナルではないメンバーが楽曲を披露する姿が観られるため、違う可能性を味わうこともできるのだが、やはり、オリジナルメンバーの選定は、グループを対外的に知らしめるためには、非常に重要である。
山﨑さんは、今までもカップリング曲のセンターを務めてきているので、グループとして、それほど冒険とは言えないのだが、二年目の第一弾となるシングルを任せるのに、イメージを一新するという意味で、相応しい人選と言えるかもしれない。

今までも、音楽番組に出演するだけで、世間から注目を集める逸材である。
正直、もう少し経ってから、表題曲を担当するようになると考えていたのだが、思いの外、早いセンター就任である。
シングルのリリースが少なくなっていることから、次のタイミングでは遅すぎるという判断なのかもしれない。
「ViVi」の専属モデルに就任した勢いで、グループの認知度アップを図りたいという思惑もあるのだろう。
表題曲センターを経験しているというのは、やはり、世間に対して、グループの顔という印象で見られるための条件である。

表題曲センターを経験している森田さんや田村さんは、外番組に出演する時、いつも「櫻坂46のセンター」と言う肩書きが付くことが多い。
山﨑さんも、今後、このように呼ばれるようになることは間違いない。

イオンカードの企画で、配信番組を担当していたのが、森田さん（モリタクラブ）、田村さん（タムラノジダイ）であったことから、4枚目シングルは、同じく配信番組を担当していた理佐さんが、次のシングルのセンターになると予想されていたのだが、これは叶わぬ夢となってしまった。
櫻坂46となってからは、二期生メンバーを中心とした編成となっていることは明確なのだが、一期生にも表題曲センターのチャンスは与えられることになるのだろうか。
グループでもトップ5に入る程の人気を誇る理佐さんが、センターになること無く卒業するという事実をみると、もう期待しないでいるくらいの方が、良いのかもしれない。