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太く逞しい木の形 ~【櫻坂46】「BAN」にみる成長の軌跡~

 公式YouTubeチャンネルでは、「1st TOUR 2021」の様子が配信されている。さすがに全曲ではないのだが、「Overture」→「BAN」→「櫻坂の詩」と3曲を楽しむことができる。

 恒例のかっこ良すぎる「Overture」から「BAN」への流れは、何回観ても感動してしまう。

 今回の配信映像もそうだが、「BAN」のスタートが、シングルをリリースしたばかりの頃、音楽番組に出演していた時とは、かなり変わってきていることに気がつく。
 パフォーマンスは、シルエットで桜の樹形を表現しながら下を向いている姿勢から始まる。イントロが流れ、枝が伸びる様子を手で表現した後、一斉に顔を上げるのだが、リリースしたばかりの頃は、理佐さんがアップになることが多かった。フォーメーションの真ん中で、正面を向いた理佐さんの表情は、とても凜々しく美しい。

 「櫻」の太く逞しいみきを構成しているのは、一期生である。
 グループの矢面に立って、綺麗に咲こうとしている二期生たちをしっかりと支えている様子が、この一瞬からも伝わってくる。
 フォーメーションの中で、このようなストーリーをもたせようとするのは、TAKAHIRO先生の得意技である。
 ライブなどで、メンバーを真上から映しているカメラアングルが使われることがあるが、そこでは、彼女たちの陣形で、文字や元素モデル、唇などが表現されていて、正面から観ているだけでは気がつかないような仕掛けがある場合が多い。
 そのため、円盤化されたライブ映像を何回観ても、新しい発見がある。
 振りの一つひとつにも、いろいろな意味を持たせているところに、TAKAHIRO先生の遊び心を感じることができる。

 最初の頃は、まだ一期生に頼る部分もあったのだろうが、今はもう、二期生も十分に成長し、いろいろと任せることができるようになってきている。
 彼女たちのこのような変化が、「BAN」の冒頭部分からも感じることができる。

 「櫻」の木は、どんどんと太く逞しくなって、毎年、綺麗な花を咲かせてくれるだろう。
 満開の「櫻」が世界を覆い尽くし、人々を魅了する未来は、もうすぐそこまで来ている。
 来年の彼女たちが、どこまで突き進んでくれるのか、一瞬たりとも目を離すことができない。

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