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疑問と答えの連鎖とは何か

こんばんは、愛なき時代に生まれたわけじゃない栗山陽輔です。やさしくなりたい。

さて今日は「疑問と答えの連鎖とは何か」というお話しです。

疑問と答えの連鎖、僕は自作の上映会などで、上映後のトークイベントなどの際、結構この「疑問と答えの連鎖」について言及してしまうのですが、話し始めた途端に、その場にいる全員の方が心の中で首を傾げるのを感じてしまうので、すぐに話を打ち切っているのですが、まぁなんというか、映画作りについてかなり重要なことだと思っておりますので、どれだけちゃんと文章化できるかわかりませんが、お話ししてみようと思います。

と、いうのも最近、僕の過去の記事の「ホラー映画の作り方」という、毎日記事を書き始める前に時々書いていた記事が妙にアクセス数が伸びていて、「ホラー映画の作り方」を謳っているにも関わらず、かなりライトな内容で映画作りの参考にはならないだろうなと、なんだか申し訳なくなってきてしまったので、この場で「疑問と答えの連鎖」についてお話しいたします。
僕ごとき無名の自主映画監督が映画作りについて語るのも、なんともおこがましくて恥ずかしいのですが。

さて、疑問と答えの連鎖。これを意識している作品としていない作品では、かなりの差が生まれてしまうだろうと僕は思っています。一言で言えば、観客が興味を失わないための工夫のようなものです。

週刊連載のマンガを思い出してもらえればわかりやすいかもしれません。
週刊連載のマンガは、その週の終わりに、必ずと言っていいほど、来週も読んでもらうための「引き」を作ります。つまり続きが気になる構成にもっていくのですね。
さらに昨今のヒット漫画は、間違いなく週の一話ごとの引きと、単行本化された時のその巻での最終話の引きを意識しています。一話ごとよりも大きな引きを一巻ごとに設けているのですね。
これは、週刊連載漫画の単行本化というハード的な意味合いにおいての「疑問と答えの連鎖」です。そこにストーリーなどのソフト的な連鎖も加え、何層構造にも連鎖を重ねていく。
是非、今あなたの部屋の本棚に置いてある、あなたの好きなマンガをどれでもいいから手にとって開いてみてください。絶対とは言いませんが、かなりの確率でそういった構成になっているはずです。
ここまでお話しして、もしかしたら「そんなの週刊連載なんだから当たり前じゃないか」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。その通り。でも、これは漫画に限った話ではないのです。

映画における「疑問と答えの連鎖」には、賛否両論といいますか、必ずしも当てはまっていないことも確かにあるにはあります。しかし、これは時代の変化で捉えることができます。

昔、ジブリの宮崎駿監督は映画の長所について「映画の長所は、テレビとかと違って、最後まで見てもらえることだよ。映画館で途中で席を立つ人って、あんまりいないでしょ」とどこかのインタビューで語っていたことがあるのですが、(どこだったかは忘れましたが)この考え方って、かなり昔のインタビューだったからなのだろうと思うのです。

それについての僕の中での実感というのは、僕の過去二作を比べてみればよくわかります。
僕の監督作のホラー映画「なかよくなれたらいいな」は疑問と答えの連鎖をかなり意識した作品です。
ですが、その二年後に制作した「あなたに会えたらよかった」は疑問と答えの連鎖を意識的に排除した作品です。
なぜ「あなたに~」において疑問と答えの連鎖を排除したのかはちゃんとした理由があるのですが、そのことは今は置いておいて、今お話ししたいのはこの二作のアマゾンプライムビデオにおける再生数の違いです。

細かな数字はさすがに言及しませんが、圧倒的に「なかよく~」の再生時間が多い結果となっています。「あなたに~」においては一日に10分の再生時間とかの日もあります。つまり10分みて、途中で再生を止めた人がいるということ。
誤解しないでいただきたいのですが、この話は決してどちらかの作品が優れているとかいう話ではないということ。実際、映画祭などの評価については「あなたに~」の方が総合的には高かったりする部分もあります。
どちらがいい悪いの話ではなく、アマゾンプライムというプラットフォームにおいて、明確な差が出ているという事。
そしてこの二作の最大の違いは、「疑問と答えの連鎖」であると僕自身が認識しているというお話しです。

つまりですね、昔は確かに映画って最後まで見てもらえるものだったのです。ですが、今の時代はそうではありません。配信という形が生まれたのもそうですし、配信での鑑賞になれてしまったからこそ、今は映画館でも途中で席を立つ人の姿が目につくことが多くなりました。あ、これはあくまで僕が個人的に感じることではありますが。

と、ここまで時代の変化的な話になってしまいましたが、実は昔の作品だって、疑問と答えの連鎖が見事に作りこまれている作品というのは多々存在します。
そして、それらの作品は、何十年も経った今でも、名作と語り継がれていることが多い。
黒澤明監督作品や、ヒッチコック作品も多いです。
ヒッチコックの「サイコ」なんて、もう疑問と答えの連鎖の教科書にしたいような作品ですよ。

なんだかこういう話をするとここまで本題に入ってもいないのに、どんだけしゃべってしまっているんだろうと反省している今日この頃です。

いやはや申し訳ない。疑問と答えの連鎖については、また明日に続きます。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。

それでは皆さん、よい夢を。

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