始めたのなら、辞めてもいい

こんばんは、自粛期間中で全く時計を気にしない生活になっているのに、何故か妙に規則正しい生活を送っている栗山陽輔です。

今日は「始めたのなら、辞めてもいい」というテーマでお話しさせていただきます。

今日も、結構真面目な話です。

何か目標とか夢があって、挑戦してみたいけど、やはり怖かったり勇気がなかったりして、なかなか始められない人がいる。そういった気持ちも僕としては理解できますし、二の足を踏む気持ちもわかる。自信のなさや、失敗を恐れる気持ちもわかる。正解を出さなきゃいけないという正解主義の考え方ですね。(正解主義については以前にも書いたので詳しくは割愛します)
でも結局やってみるしか、結果はわからない。
「結果は運だけど、挑戦は選択」という為末大さんの有名な言葉がありますが、まさにその通りだと僕も思います。
なので、これまでも「如何に行動するか」というような話は、(自分のための意味も含めて)何度も繰り返してきたのですが、今日はその先の話です。

僕は特に十代後半から二十代前半の頃、自分勝手にわがままな行動ばかりして周りを困らせ続けてきたどうしようもない恥ずかしい奴だったのですが、今考えても当時の自分の行動力だけは褒めてやってもいい部分があると思う時があります。
若さ全開で思い出すのがちょっと辛いのですが、15歳の頃にはミュージシャンになろうとオーディション受けてたこともありますし、19歳で写真も勢いで始めて、その後ずっとやりたかった役者も始めます。
始めたことは、まぁよしとする。でも、その後が違った。

結局、役者業は東京に活動場所を移してまで続けていて、27歳になる手前で辞めたのだけれど、8年間続けていたというよりは、そのうちのかなり長い期間中、「辞められなかった」に近い。つまり、「辞めるという決断ができなかった」ということです。

この8年は、誤解を恐れずに言えば、ほとんどの期間中ずっと苦しかったし、辛い時間ばかりだった。もちろん楽しい瞬間というのはあったのだけれど、それはたぶん始めてから二十歳ぐらいまでの時間と、辞める前のほんの少しの期間が大部分を占めていて、時間にしたら一年とちょっとあるかないか。

自分が「向いていない」ことぐらいは一年ちょっとやれば自分でもわかってくるもので。
じゃあなんで辞めることができなかったのかというと、単純に「辞めてはいけない」と思い込んでいたから。

ちょっと難しいのだけれど、昔から映画が好きで、物語が好きで、舞台にも触れて好きになって、その世界に憧れて、やりたくて、そこでの目標みたいなものを抱いてその世界に飛び込んだもんだから、何故か僕の中に勝手な思い込みというか、先入観みたいなものがあったと思うのです。

途中で辞めちゃいけないとか、諦めちゃいけないとか、ここで頑張ることが正しいことだと、思い込んでいたのですね。
この考え方自体は今思えば完全な正解主義なのだけれど、走りだしてしまっている状態からブレーキをかけたり、方向転換をする決断をするのは、正直なところ走り出すことより難しい。本気で走り出していればいるほど難しい。
それは単純に辞めた瞬間に「失敗」になるからで、どこまでいっても正解主義。だからだらだらと辞めないことで、失敗にならないようにしてきたんだと思う。

まぁそのことに関してはもう過ぎたことですし、後悔があるかないかの問題ですらもなくて、続けていたからこその出会いもあったし、経験もあったし、しんどいこともあったし、というだけのことなんですが、一番の収穫は恐れていた失敗が大したものではなかったということ。

なので僕はここ数年、何かやりたいと思ったら、「とっとと始めて、とっとと失敗しろ」精神を心掛けているのだけれど、まぁ先ほども書いたように、やはり、始めることよりも途中で辞める決断をすることの方が難しい。

今はコロナの影響で、舞台公演などのイベントはしばらくどこも中止が当たり前になっているけれど、ほんの一か月前までは多くの人が、続行か中止かの決断に迫られていた。
あの時、決断を迫られた人たちというのは、もちろん「やりたい」という気持ちが大きかっただろうけれど、たぶんその中に「辞めてはいけない」、「中止にしてはいけない」という思いもあったんだろうと思う。途中で辞めてはいけないという義務みたいなものが、役者なら役者としての「役者たるものかくあるべし」みたいなものがあってさ、公演でもなんでも「一度決めたことは何があっても最後までやらなければいけない」感って確かにあったと思うんだよね。

イベントを中止にした人もそうでない人もどちらも正解とか間違いとかではなくて、それぞれの決断だっただろうから、その思いを尊重したい。

何にしても動き出しているものを途中で舵を切って方向転換したり、辞める決断をすることは本当に難しいことだよなと考えている今日この頃です。

途中で投げ出すことはダメかもしれないけれど、途中だろうが何だろうが、ちゃんと決断をすることは大切なことなんじゃないかな。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは皆さん、よい夢を。

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