オリジナリティなんていらない

こんばんは、今日は二日酔いで夕方までダウンしていた栗山陽輔です。反省してます。
さて今日は「オリジナリティなんていらない」というテーマで考えてみたいと思います。

オリジナリティ、独創性というか、もっとわかりやすく言うと個性ですね。もしかしたら僕と同じように映画を作っている自主映画監督の方や、役者の方、演劇人、その他幅広いクリエイターの方はビックリする意見かもしれません。
だって皆個性を出すために頑張ってるんですから。
自分にしかできないものを生み出そうと必死なんですから。
僕もね、特に役者やっていた頃は耳が痛いほど言われましたよ。「オリジナリティを出せ」とか「お前にしかできないことをやってみせろよ」だとかですね、「それを表現するのが表現者だろ! お前には自分だけのアイディアはないのか!」みたいな言葉を本当にあらゆる方面からたくさん受けましてね。
そうするとね、まぁ精神的に迷走するんです。自分には何ができるんだろうとか、自分の個性ってなんなのだろうかとか、自分の武器がどうかとか、ですね。
それを考えて、それを表現できて、観客に喜んでもらえるならそれでいいんですよ。でもね、実際はそうじゃない。

自分だけのものを表現しようとする人って基本スベるんです。

誤解を恐れずに話しているのですが、あくまでも基本だと思ってください。僕が言いたいのは、オリジナリティを出すこと自体を全て否定しているのではなく、「オリジナリティを出さなきゃと思い込み過ぎている」人がたくさんいるという話なんです。
もちろん世の中には、これまでなかった全く新しい価値観のようなものを生み出せる人はいます。こういった人を世間では天才というのですが、それは本当に限られたごく一部の方です。1000万人に一人いるかいないか。
しかもこの限られた天才がその人生において一つ生み出せるかどうかのものなんです、新しいものというのは。
だからですね、全ての人にはオリジナリティなんて必要ない。何故なら、多くの場合において観客の皆さんからすれば、全く知らないものを、全く知らない人のオリジナリティなんて見せられても迷惑なんです。
観客は新しいものを観たいのではなく、面白いものが観たいのです。
もしも役者として「ロミオとジュリエット」のロミオを演じることになったとしたら、自分だけの新しいロミオなんて考えてはいけません。まずはしっかりと真っすぐにロミオを演じることが大切なんです。ロミオはロミオ。あなたの考えたオリジナルのロミオなんて誰も期待していないかもしれないのです。

繰り返しますが新しいものが面白くないというわけではないのです。新しいもの=面白いものであると思い込んでいる人が多いという話です。

僕自身の話をしますと、僕が今やっている活動はほぼすべて誰かの真似です。映画作ったりする方法だって、宣伝の方法だって、上映会の開き方だって全部人の真似です。
この記事だってそうですし、これまで書いてきた考え方のようなものや、色々な意見は基本すべて、すでにどこかで誰かが同じようなことを発信していたりします。僕はそれらを僕の「実感」として書いているだけであって、記事に書いていることを全く新しい発想であるとか、誰も知らない情報なんて一切思っていません。

ちょっと話があっちゃこっちゃいってしまっているのでちょっと整理します。
まず、オリジナリティというのは基本的にいらないということ。
観客が求めているのはオリジナリティでもなく、新しいものでもなく、面白いものだということ。
オリジナリティ、新しいものを生み出さなければいけないという思い込みを捨てたほうがいいということです。

もうひとつ、オリジナリティを出そうとすることを辞めたほうがいい理由があります。言葉がきつくなってしまいますが、才能がないからです。
もし才能があるならば、オリジナリティを出そうとした時点で評価されているはずなんです。あなたのオリジナルなものが世間に通用していないという事実は間違いないのです。有名な落語家さんの言葉にもあるように「現実は正解」なのです。

才能のない人は自分で考えるから失敗するのです。
じゃあどうするか。人の言う通りにやるんです。

もちろん誰の言う通りにするかの選定は大切です。でももしあなたの目の前に本当に信頼できる人がいるならば、本気でその人の言う通りにすれば何かが変わるきっかけになるかもしれません。
人間はどうしても自分で考えたくなってしまうもの。自分の行動なんですからそれは当たり前です。
でも自分の考え方自体が通用しないと割り切ることも、時には大切なのかもしれないというお話しでした。

そんなこんなで、今の僕はもう、人のやることなすこと真似しまくりです。作品の内容を意図的にパクるようなことは決してしませんが、やり方はどんどん取り入れていく所存です。

とはいっても自分というものは捨てきれないものだよなと納得しつつも、なんとか折り合いをつけていきたい今日この頃です。

いつも以上にまとまりのない文章になってしまってごめんなさい。最後まで読んでくださってありがとうございます。

それでは皆さん、よい夢を。

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