ハードルの本質を見極める

こんばんは。
本日発売された「Ghost of Tsushima」が中々に最高で、一日中遊んでいたために頭がぼーっとしておりますが、今日も真剣に文章をつづります。

今日は、僕が数か月前に気づいて、実感したことに関するお話しです。

さて、誰かが何かの行動をするかしないかの判断は、そこにある障害、ハードルによって決まることもあります。
誰かの導線をデザインしていく作業、つまりはイベント等を開いてお客さんに来てもらうためにどんな手を打つべきかを考える際に、このハードルを取り除いておく、または可能な限り低くしておくことはとても大切なことだと思います。

そのためには、どこにどれほどの高さのハードルが存在しているのかを正しく把握することが肝心なのは明白です。

ですが、この作業は、言葉で言うほど簡単なものではないと僕は思います。

何度もお話ししていますが、僕は去年の年末ごろから過去作の「なかよくなれたらいいな」と「あなたに会えたらよかった」をアマゾンで配信しております。
アマゾンで配信できたことの利点の一つとして、誰かに勧めやすくなったことがあげられます。

実際、ここ半年で知り合った方で、ちゃんとコミュニケーションが取れて、ある程度の関係性が築けた方には僕は自分が映画を作っているという話もしますし、同時にアマゾンで配信してるんで、もし気が向いたら、という風に軽い感じで勧めることができるようになりました。
例えばここで「もしよかったら見てね」といってDVDを渡したりすると、その提案が相手の方にとっては重くなってしまい、今後の僕との関係性のことを考えて「見なければいけないのか」と思わせてしまう可能性が高まります。なので、配信しているということだけを伝えられるのは、随分お互いにとってライトな会話として成り立っている気がするので、気が楽なのです。
観てはもらいたいけれど、無理して観てもらいたくはないですからね。

そして、ここからが今日の本題なのですが、そういった流れで自作を配信していることを伝えた時、

「あー、アマゾンに登録してないんだよね。ごめんねー」

といった理由を上げられることがそこそこの回数あって、その際に僕は反射的に

「アマゾンって最初の一か月は無料だったりするんで、またもし気が向いたら」

と言ってしまっていたこともあるのですが、この僕の発言は、問題の本質を見誤っていたと思うのですね。

もちろん、無名の自主映画監督の映画なんてみたくないという本心があっての建前だという可能性が一番高いのは当時から理解していたのですが、どうにも本当に「アマゾンじゃなかったら見たのにー」みたいな雰囲気の方もいて、中には「観たいからDVD貸してくれないか」と提案してくれる方もいらっしゃったりするのですね。

この時、当時の僕は「どうして月500円くらいのアマゾンに登録するのがそんなに嫌なのか」ということを考えていて、反射的に無料期間があることなどを話していたのですが、この、「アマゾンに登録していない方」からすると、僕の作品に興味があったとしてもアマゾンで観たくない理由は、間違いなく「登録の際に必要な手間」だったのですね。

この「登録の際に必要な手間」。
今の時代のサービスを、つまりはネット関係のサービスを受けたりする際には必ず必要なものなのですが、ここのハードルは想像以上に高いものだと思います。
月500円だとか1000円ぐらいそんなに気にならなくても、登録の手間が面倒なんです。

僕の場合だったなら、例えば大阪に舞台演劇を観に行く際など、最近はウェブ上でチケットの予約ができて、当日に精算できるサービスがあったりして、多くの劇団等が利用していたりするのですが、あれを利用するのが本当に嫌で、まぁ単純に面倒で、登録したくないからという理由だけで当日券狙いで劇場に向かったりすることもあります。

「会員登録に関するハードル」を、イベントなどを開く側として理解しておくべきだなと考えている今日この頃です。

どうやってこのハードルを越えてもらうか。ここが結構重要なポイントだと思うんですよね。
イベントだけじゃなくて、クラウドファンディングなどを行う際も、絶対に意識すべきことだと個人的には思ってます。

それでは皆さん、よい夢を。

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