検討するだけの選択肢を試したか

こんばんは今日は「検討するだけの選択肢を試したか」というテーマでお話しさせていただきます。

迷ったり悩んだりすることは人間誰だってありますね。
でもそもそも、迷うだけの、悩むに値するほどの選択肢が自分にあるのかということはあまり考えません。僕たちが往々にして悩んでいたりすることは、目の前に現れたたった一つの選択肢を選ぶべきか選ばないべきかの選択だったりします。一つではないこともあるでしょうが、その数は良くて二つ三つだったりすることが多いだろうと思います。

例えば服を買いに行って、気に入った服が少し思っていたよりも値段が高い。買うか、買わないべきか。そんな風に迷います。この時選択肢は一つです。たまたま隣にもいい服が合った。どっちにしようか。この時選択肢は二つ。買わないという選択肢も含めれば三つ。
もしその金額が大きければ、その買い物はこんなたった三つの選択肢だけで検討されるべき問題なのか、というお話しです。

秘書問題というものをご存知でしょうか?
数学的な命題(?)なんですが、今から秘書を雇うための面接をするとする。応募者は100人。一人ずつ面接をして、面接後すぐに採用か不採用かを決めなければならない。誰かを採用した時点で後の応募者を面接することはできなくなる。誰かを不採用にした時点でその応募者は後から採用することはできない。つまりは保留にできない。
そんな状況のなかで、100人の応募者から優秀な人材を選ぶにはどうすればいいか、という問題です。

さぁどうすれば優秀な人材を選ぶことができるか。

答えは、最初の37人を無条件で不採用にするというものです。この37人の中で最も優秀な人材のレベルを把握する。
そうして後の面接を続け、最初の37人の中で優秀だった人材を上回るような人材が現れたら採用。というものが最適解であるとされています。

個人的にはこの考え方物凄く関心して、大好きな命題なのです。

つまりこれ、人は何かを決断する時に、十分なサンプル数がそろっていなければ適切な決断ができないっていう話なんです。

そして人間は、決断の際にサンプル数を検討しようとしないものであるともされています。つまりこの秘書問題を実際に実験として行った場合、多くの人間はかなり早い段階で採用する秘書を決定してしまうという話なのですね。

例えば人生で最初に付き合った恋人を、運命の相手かのように思い込んでしまって別れた際に絶望するようなことも、サンプル数が少ないからです。客観的に観ればその別れた恋人が運命の相手である可能性はかなり低いですし、「他の人と付き合ってみろよ」という月並みなアドバイスが飛び交うわけですが、当人からしてみればそもそも検討するためのサンプル数がないので、そういった考え方ができないのですね。

ですからもし、本気で結婚したいと思った中年男性がいるとして、結婚相談所に登録とかしたなら、まずは何人の女性と実際に会って話してみるか決めて、その数を2.718という数学定数で割った数(先の秘書問題も100をこの数字で割っている)の女性は必ずお断りし、その後今までの女性よりも素敵な人が現れたらその人に決める、という考え方もできるのです。
あくまで数学的な解の出し方になるので、感情のようなものが薄くなってしまう気もしますが、検討するだけの選択肢を自分が知っているかという考えはとても大切だと思います。

何故、多くの方が十分な選択肢を検討せずに決断を下してしまうか。それは簡単ですね。その方が楽だからです。

結局楽ばかりしてしまうから、全体像を掴めず情報不足になり、悩みにつながってしまうこともあるのだろうなと考えている今日この頃です。

秘書問題、面白いので是非検索してみたくださいね。

それでは皆さん、よい夢を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?