新潟記念 3ステップ考察(予想から回顧まで)
この投稿はGⅢ 新潟記念を考察した記事です。来週明けまでのあいだ、有力馬考察・馬券予想・レース回顧の3ステップにわけて更新していきます。
※札幌2歳S、小倉2歳Sの考察はInstagramに投稿しています
1:有力馬考察
★ザダル(1番人気想定)
ディープインパクト+キングマンボ+ブロードブラッシュなので、ダービー馬ワグネリアンと似たようなところがあります。ただこの馬は父がトーセンラーであり、「サドラーズウェルズ≒ヌレイエフ」を内包(正確にはプレンセスオリビア≒キングマンボ2×3)。タフな代わりにちょっとジリっぽさが強めです。
前走は道中のペースが厳しく、後方で無理せず様子を見ていた差し馬が台頭しました。パワーと持続力に秀でたスタミナ寄りの馬が有利な展開で、本馬の特性と上手く嵌まった感じがします。新潟らしい決め手勝負では良さを活かしづらくなるので、タフ寄りの展開・馬場が理想でしょうか。
★トーセンスーリヤ(2番人気想定)
母の父・デュランダルと「サドラーズウェルズ≒ヌレイエフ」4×4からパワーを受け継いだ機動力型。ヘイローのクロスもあって、フワッと軽いスピードも兼備しています。先行力があり、速いペースへも対応できることから、安定感のあるタイプです。
このレースと同条件の新潟大賞典を20年に勝っていますが、あの時は午前中に降った雨の影響で、馬場が重たさを含んでいたことが有利に働きました。重厚な欧州血統が主体のため、本質的には新潟向きとは言えません。切れ味勝負よりも多少時計が掛かるくらいの条件が合うでしょう。
★リアアメリア(3番人気想定)
インリアリティやダマスカス、ダンジグなど北米のパワーで固めた配合。 本来は牝馬向きではない無骨な血ですが、牡馬並の恵まれた馬格によって手の内に入れています。 母方に含まれる2本のミスタープロスペクターと、4本のボールドルーラーからスピードを得ている影響で走りが単調。 またスタミナには強みがないため、タフな流れでは消耗しやすくなります。 速くもなく遅くもなく、一定のペースで流れたときに強いタイプです。
柔らかみのある大トビ走法で、新潟は走りやすいほうでしょう。ただスピードの加減速が得意ではないため、ペースが落ち着きすぎると、案外と伸び悩むかもしれません。好走レンジが狭く、狙い所が難しいですね。
2:馬券予想
◎ヤシャマル
9着に敗れた前走は、ペースが早く先行馬に厳しい展開。その流れを無理して5番手で付いていったため、余力を削がれてしまいました。もう少し落ち着いてダンシングブレーヴの切れ味を活かす競馬をすれば、もっとやれていいはずです。
○パルティアーモ
▲プレシャスブルー
3:レース回顧
ショウナンバルディによるフワッとした逃げ。中盤で少し緩んで小休止を挟みつつ、残り800mから持続力勝負へと突入しています。流れ自体は新潟らしい質でしたが、馬場が重さを含んでいたようで、先行勢は最後まで踏ん張ることができず。道中で後方ふた桁番手の位置取りだった馬が1~4着を独占しました。また内外の馬場差が大きく、直線で外にいる馬ほど最後まで伸びています。勝ったマイネルファンロンは外ラチ沿いを走るほど。SNSではアイビスサマーダッシュのようだという投稿が見られましたが、本当にそんな感じでしたよね。
マイネルファンロン(1着・12番人気)
いや~何もかもがビックリです。スタートで後手を踏んで後方2番手から。直線で外ラチ沿いまでもっていくと、力強い伸び脚でごぼう抜きにしてしまいました。展開が向いたというのは確かにあったと思いますが、そもそもこの馬は前走、前々走で2番手で走っていたんですよね。なぜ後方から上がり最速で追い込んでくるのか、ワケがわかりません😅
本馬の半妹にあたるユーバーレーベンのオークス勝利時のレースぶりに近いものを感じたので、デムーロ騎手にもそういう意識があったのかもしれません。・・・と思ったら、きょうだいだって知らなかったみたいです(笑)
ヤシャマル(4着・8番人気・僕の本命)
道中トーセンスーリヤとずっと並走するかたちになっていましたが、4コーナーでスピードに乗せつつ外に誘導していったトーセンの横山和生騎手に対して、綺麗なコーナリングで内寄りに回ったヤシャマルの菅原騎手。トーセンとおなじ進路取りをしていたら、正直もう少し際どい勝負になったのではないかとも感じます。まあトーセンがいたから外に出せなかった、というのもあるでしょうし、こればかりは仕方がないですね。
ラインベック(5着・5人気)
2番手で先行して直線は内寄りの進路を選択。外差し決着のなかで逆の競馬をして、5着に粘ったことは評価したいです。次走の注目馬として覚えておこうと思います。
オマケ:血統ワンポイント解説
マイネルファンロンの血統表で注目したいのが、3代母の父『ザビール』。この血は祖父にサーアイヴァー、母の父にヌレイエフをもっているのですが、どちらもステイゴールド牡駒にとっては好相性なのです。
サーアイヴァーは柔らかさが強い血です。ステイゴールドとの組み合わせだと、好相性であることはさておき、少し非力にでやすいのではないかとも感じます。序盤に無理してポジションを取りにいくより、ゆっくりとスピードに乗せてあげる競馬のほうが、非力さを誤魔化せそうですし、ニックスの効果を活かしやすいはず。そう考えると今回の競馬は理に適っているのかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?