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小倉記念 3ステップ考察(予想から回顧まで)

 この投稿はGⅢ 小倉記念を考察した記事です。来週明けまでのあいだ、有力馬考察・馬券予想・レース回顧の3ステップにわけて更新していきます。


※関屋記念の考察はInstagramに投稿しています


1:有力馬考察


★ファルコニア(1番人気想定)

 母がホークウイング×パントルセレブルという構成。どちらも欧州の中距離で活躍した血であり、その影響を受けて本馬は重厚なスタミナ色が濃く出ています。社台生産のディープ産駒って、良くも悪くもこういうジリっぽいタイプが多いですよね😅
 前走のエプソムCはスタートで後手を踏んだものの、道中のペースが速く前崩れの展開になり、結果として後ろに控えたことが功を奏したかたちです。軽いスピードを問われると苦しいため、開幕週の芝がどうかという懸念はあります。ただ週末は雨予報なので、馬場状態によっては有利に戦えるかもしれません。


★ヴェロックス(2番人気想定)

 母の父・モンズンから重厚なドイツ血統を補給。2代母父の父・チーフズクラウンがアメリカのスピードをサポートしており、全体のバランスを整えています。能力の根拠という点ではチーフズクラウンの存在は大きく、この血とジャスタウェイの組み合わせは、本馬のほかにマスターフェンサー(重賞4勝)、ラブミーファイン(函館2歳S2着)などを出すパターンです。
 一方で馬の個性の面ではモンズンの影響を受けているようで、ドイツ血統特有の揉まれ弱さを孕んでいます。馬群で窮屈な競馬をするなど、ストレスが掛かると闘争心を失いやすい感じがあるので、そこは注意が必要かもしれません。


★ショウナンバルディ(3番人気想定)

 中京コースが(2-1-1-1)と巧者ぶりを見せていた馬ですが、前走(七夕賞)は福島でも3着と好走しており、地力が付いてきた印象を受けます。キングマンボとデインヒルのパワーを呼応させた構成になっているため、多少時計が掛かるほうが良いタイプ。一方で母がサーアイヴァー5×5のクロスをもつため、脚捌きは柔らかいのが特徴です。
 この柔らかみが意外と曲者で、芯の部分に非力さを残してしまうため、持ち前のパワーを活かそうにも、あまりにタフな展開だとへばってしまいます。かと言って柔らかみを切れ味に昇華できるほどの瞬発力もないため、あと一歩突き抜けられないもどかしさを感じます。もう一皮向けそうな雰囲気はあるので、どこかで変わってくるとは思うのですが・・・。


2:馬券予想


◎グランスピード
 「ストームキャット≒フレンチデピュティ」3×2のスピードで走るタイプですが、祖母の部分にスタミナがタップリと詰まっていて、重石の役割を担っています。ブリンカーを着けて先行力が増したことで、そのスタミナを粘り強さとして活かせるようになったのが良いですね。
 今回はハッキリと先手を主張したがる馬が不在。自分のペースで、渋った馬場の我慢比べに持ち込むことができれば、この舞台でも通用するのではないかと期待しています。

○ヴェロックス
▲ファルコニア


3:レース回顧


 グランスピードがスローで逃げて、前半1000mは61秒4。しかし向こう正面でペースが緩みそうになったところで、内からテーオーエナジー、外からは有力馬のショウナンバルディ、ファルコニア、ヴェロックスが揃って前を伺ったことで、グランスピードにスイッチが入り、再び流れが激化。後半1000m地点から一気に11秒3まで上がり、そのまま超ロングスパート戦へと突入しています。

 先行馬は4角でスタミナが切れて共倒れ。後方で無理をしなかった馬たちが上位を独占する結果となりました。“スローペースの前崩れ”という、ちょっと特殊な展開でしたね。


モズナガレボシ(1着・6番人気)
 母の父・クロフネ譲りのパワフルで大きなフットワークが印象的でした。セクレタリアトの持続力や、キイトゥザミントのスタミナも良い味を出しています。例えが古くて申し訳ないですが、カワカミプリンセスのような雰囲気を感じるタイプです。

ショウナンバルディ(5着・3番人気)
 先行勢のなかではもっとも早く手応えを失って後退。それでいて最後まで力を振り絞り、結局グランスピード、ファルコニア、ヴェロックスよりも先着しました。今年の春までは頼りないイメージがありましたが、だいぶ馬が変わったように思います。

グランスピード(9着・7番人気・僕の本命😢)
 向こう正面までの内容を見ていて、正直これはイケるかも?と思っていたのですが、後半で展開が一変。この馬にとってはあまりにもキツい流れでした。今回は仕方がありません。



オマケ:血統ワンポイント解説


 現役時代のグランプリボスは、千四~マイルを主戦場に活躍したスピード型でした。そのわりに産駒のモズナガレボシは2600mでの勝利経験もあり、スタミナも持ち合わせているのが特徴です。

 これにはいくつかの理由があると考えますが、そのひとつが4代母・キイパートナーの存在です。この血を牝祖にもつ子孫からは、エアダブリン(ステイヤーズSなど)=ダンスパートナー(オークスなど)=ダンスインザダーク(菊花賞など)や、スズカマンボ(天皇賞・春など)、スマートロビン(目黒記念など)のように、スタミナに秀でた活躍馬が多く出ています。モズナガレボシはこの馬たちと遠い親戚関係であり、おなじようにキイパートナーのスタミナが根付いているのでしょう。

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