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桜花賞 3ステップ考察(予想から回顧まで)

この投稿はGⅠ桜花賞を考察した記事です。本日から来週明けまで一週間、3ステップに分けて更新していきます。通常、GⅠ考察は有料記事として投稿していますが、大阪杯を外してしまったので、罪滅ぼしに無料で公開します😣💦

記事の内容と更新スケジュールの詳細は以下のとおりです。


1:有力馬考察
netkeibaの予想オッズ1~5番人気の馬を考察します。
(※公開中)

2:馬券予想
個人的な予想の印と馬券の買い目を投稿します。あまり多くの金額はかけず、だいたい1000~2000円くらいの気楽な豆券予想です。
(※土曜日の夜に更新予定)

3:レース回顧
レースの回顧を投稿します。
(※翌週の月曜日に更新予定)


1:有力馬考察

★ソダシ(1番人気想定)

 母の父・キングカメハメハはスピード、パワー、持続力の三拍子揃った万能型の血。その特徴が顕著に出ているのが本馬です。洋芝でのタフな消耗戦になった札幌2歳S、スローペースの瞬発力比べとなったアルテミスS、そして2歳牝馬女王を決めるGⅠまで、いずれもきっちりと勝ち切っています。馬場・展開・ペース問わずに力を出し切れるタイプで、競走馬としての弱点のなさが最大の武器でしょう。
 阪神JFは2ハロン目が10秒8、それ以降はすべて11秒台と速いラップを刻みつづけており、道中のペースが緩まない質の高いレースでした。これを5番手で流れに乗って、最後まで凌げるのですから、マイラーとしての高い資質を感じます。レースセンスを活かして立ち回れば、ここも大きく崩れることはなさそうです。
 3代母・ウェイブウインドはダート適性を伝える牝祖ではあるものの、その血統内にはドラムトップやサーゲイロードなど、柔らかみを伝える血も多く含まれています。本馬の場合はそっちが強く伝わったことで、芝馬に出たのでしょう。ただそれを踏まえても、この構成でなぜダート馬じゃないのか不思議に思うところはあります。まあ金子真人オーナーの馬ですから、常識が通用しないことが常識なのかもしれませんけど😅


★サトノレイナス(2番人気)

 母の父・ノットフォーセールのガッシリとした血で土台固め。そのパワーが生み出すスピードの爆発力を、リファールのクロスによってフワッと持続させています。これは阪神JFの勝ち馬・ダノンファンタジーとおなじで、ディープインパクトの配合として好感がもてるものです。ただダノンは2代母の父にスキーチャンプが入る影響で前向きなスピード型に出ていますが、サトノの2代母の父・コンフィデンシャルトークはダマスカス直仔のパワー型。ダノンより重厚さが強く、雄大なフットワークが目を引きます。
 全兄のサトノフラッグは男馬で鈍重寄りに出ており、クラシック路線で一線級と戦うには少しスピードが足りませんでした(弥生賞を勝っているので十分ではありますが)。性別が変わった本馬は女性らしい先天的な素軽さがあり、3歳春向きのバランスという点ではこちらが上でしょう。それでも本質的な部分では兄妹で似ており、ピュアマイラーというよりは、マイルもこなせる中距離馬という印象です。そのなかで3戦すべてでマイルを使い、段階的に速いペースに慣らすことができたのは大きな収穫と言っていいでしょう。1戦ごとにパフォーマンスを上げており、前走の阪神JFではマイル然とした引き締まった流れにも対応できています。

※サトノレイナスについては以下の記事もご参照ください


★アカイトリノムスメ(3番人気想定)

 ソダシの考察と重複する話ではありますが、本馬の母の父であるキングカメハメハは、スピード、パワー、持続力の三拍子揃った万能型の血。ソダシがクロフネによるパワーがベースであるなら、こちらはディープの素軽さが主体ですが、こちらもキンカメの影響を受けており、特定の突出した才能で一点突破するのではなく、能力全体の総合力で勝負するタイプです。
 祖母の部分に淡白な米血が入るため、全兄(モクレレ、ジナンボー、ラインベック)はジリ脚っぽいところがあります。しかし女の子に生まれた本馬は兄より軽快さがしっかりと出ており、仕上がりの早いマイラーになりました。「能力はあるがパワーが勝ちすぎてスピードが足りないディープ牡駒」の全妹が成功するというのは、サトノレイナスとも共通する話であり、POGでも積極的に活用したい戦法です。
 2走前の赤松賞は、2ハロン目以降すべて11秒台を刻む淀みないペース。前走のクイーンCでも2ハロン目が10秒8、それ以降もすべて11秒台という競馬。2走連続で速い流れによるスピード決着を勝ちきっており、高いマイル適性を感じる内容となっています。1戦ごとに時計を短縮しているのも好印象。初めての輸送をクリアできればここでも良い勝負ができそうです。

※アカイトリノムスメについては以下の記事もご参照ください


★メイケイエール(4番人気想定)

 パワフルな突進力を武器に活躍したミッキーアイルを父にもち、デインヒル4×4のクロスでその資質を強調しています。これだけを見るとムキムキのタイプを想像するかもしれませんが、実馬は跳びの大きい軽やかな走りをしています。これは前述のデインヒルよりも、「オフショアブーム≒フレンチデピュティ」4×4や「アルザオ≒シャリーフダンサー」4×4の軽さ、柔らかさが強く発現しているためでしょう。字面から想像できるのイメージとはちょっと違うタイプです。
 走り自体は好マイラーという雰囲気をまとった馬ですが、困ったことにぶっ飛んだ気性がそれを阻んでいます。前走は武豊騎手がスタートから抑え込もうとしましたが、暴走機関車と化した状態でまったく制御できず。残り1000mあたりで前を突き破る勢いで飛び出てしまいました。そんなメチャクチャな競馬でも勝ってしまうのですから、能力は世代屈指と言っていいでしょう。馬群に入れると事故を起こしかねないレベルなので、控える競馬は不可能に近い感じがしますが、急遽代打で乗ることになったポツン大好きの横山典騎手はどう乗るのでしょうね。今回の展開のカギを握る重要な存在になりそうです。

※メイケイエールについては以下の記事もご参照ください


★エリザベスタワー(5番人気想定)

 名マイラーのキングマンに独オークス馬の母を組み合わせた、スピード×スタミナの本格派。弥生賞で2着になったシュネルマイスターもおなじ構成で、血の勢いを感じる1頭です。本馬はクリス4×4、ダンジグ4×5、ミルリーフ5×5など主要な血を満遍なくクロス。両親の高い能力を増幅することで、素直に受け継がせる構成になっています。ややズブく、ドロっとした柔らかみを感じさせる走りから、どちらかと言えば母の重厚さが強く出ている印象を受けます。
 前走はメイケイエールの暴走ばかりがクローズアップされがちですが、この馬もだいぶ引っ掛かるところがありました。重厚な本馬にとって、息の入らない速い流れは忙しい感じがするものの、気性的には流れたほうが走りやすそうな雰囲気もあり、ちょっと捉えどころの難しいタイプですね。相対的に考えると、力の要る馬場になったほうが良さそうです。


2:馬券予想

 まず最初に考えなければいけないのは、メイケイエールがどういう競馬をするかですよね。精神面は逃げ馬ですが、肉体面は差し馬なのでスタートが上手じゃありません。出足がつかないようだと、馬群に包まれる可能性はありそうです。ただここまでぶっ飛んだ気性だと、控える競馬をしようにも周りに迷惑をかけることになるでしょう。一緒に走る騎手心理としても、大事故を起こしかねない爆弾娘を抱えたまま持ち運ぶのはイヤなはず。前走も途中で福永騎手が進路を空けてあげてましたよね。よほどの大出遅れでないかぎりは、前に行くことになるのではないかと思っています。

 メイケイエールについては、チューリップ賞をみてわかったことが二つあります。ひとつは先頭に立つと意外と落ち着くこと。もうひとつは世代屈指の能力であること。暴走して勝手に自滅してくれるなら大勢に影響はないのですが、先頭でリラックスして走らせたら、おそらくそのまま勝ってしまうでしょう。他陣営とすれば放置するわけにもいかず、色んな意味で危険な存在です。有力馬でもっとも先行力があるのは1番人気のソダシ。この馬がメイケイを視野に入れた走りをすれば、集団のペースも自ずと速くなりそうです。今回は息の入らない流れでも楽に追走できるような、スピード型を重視して印をつけました。

 ただもっとも厄介なのは、メイケイエールの鞍上が横山典さんということですよね。根底から覆すことをしでかしてきそうな予感が・・・😅


◎16.ソングライン
◯5.アカイトリノムスメ
▲2.ファインルージュ
△8.メイケイエール
△18.サトノレイナス

単勝16
ワイド16-2.5.8.18


◎ソングライン
 2走前の未勝利戦は、前半1000mが58秒9という速い流れをノーステッキ&加速ラップで勝利。前走の紅梅Sはタフな馬場の中京で先行して3馬身差の完勝。異なる条件で変わらない強さを見せており、総合力の高さが伺える内容でした。ソニンク牝系のスピードがしっかりと根づいており、1400mでも楽に対応できていることから、ペースは速いほうが走りやすそうです。

◯アカイトリノムスメ
 近2走はいずれも息を入れづらいスピード競馬となっており、そこでしっかりと勝ちきっているところに高いマイル適性を感じます。切れ味のあるディープインパクト産駒で、阪神外回りのマイル戦でパフォーマンスを落とすことはないでしょう。

▲ファインルージュ
 前走のフェアリーSは道中捲りなどの影響で、落ち着かない乱ペースになりました。そのなかでも動じることなく、スピード競馬への対応力の違いを見せて完勝。ボストンハーバーの影響が強いタイプなので、速い流れも歓迎です。

△メイケイエール
 アッサリ勝っちゃってもおかしくない素質馬なので、印は入れておかないといけませんね。

△サトノレイナス
 能力はかなり高いと思っていますが、ピュアマイラーという雰囲気ではないので、今回予想した展開では忙しいとみてこの評価で。


3:レース回顧

 注目のメイケイエールはスタートで出遅れ。これについては意図的じゃなかったように見えました。そこで腹をくくったのかは定かではありませんが、横山典騎手はガチッと抑える競馬を試みたものの、やはり前走同様ジェットスキー?ロデオ?状態に。限界に達したのか、途中で外の馬を弾き破って一気に先頭へと立っています。その際に大きな不利を受けたのが、僕の本命ソングライン。なんでだよ・・・😢

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 前半はストゥーティが軽快に飛ばし、残り600mからはメイケイエールが一気に捲くって先頭へ。道中一番遅い部分でも11秒6。それ以外はずっと11秒2以下ですから、速いペースのまま流れ続けています。

 掲示板の5頭をみると、ソダシとサトノレイナスは阪神JFの1、2着馬。ファインルージュはフェアリーSの勝ち馬。アカイトリノムスメとアールドヴィーヴルはクイーンCの1、2着馬。いずれも道中息を入れづらい速い流れだったレースです。そこで結果を出してきた馬たちが好走しているように、今回は追走スピードの高い馬に有利な展開だったのでしょう。しかしこれだけ流れていたにもかかわらず、ラスト3ハロンもすべて11秒台を計測してレコード決着。馬場が相当速かったようです。

 

★ソダシ(1着・2番人気)
 メイケイエールに気を使いつつ、後ろの有力馬にもマークされる難しい立ち位置になることが予想されたので、個人的には軽視してしまいました。実際そのとおりのレースになったと思いますが、好スタートからすぐに3番手につけて、スムーズな競馬で完勝。立ち回りの上手さを活かして、隙をまったく見せませんでした。これまでどんな馬場・展開・ペースでも結果を残してきましたが、1分31秒1のレコード決着でも勝ちきってしまうとは。全国の白毛ファンのみなさん、ゴメンナサイ。僕の見る目がなかったです😣💦

★サトノレイナス(2着・1番人気)
 集団についていく気がなく後方から。ピュアマイラーではないので、この選択は正しかったと思います。今日のペースを積極的に追走していたら、脚を消耗してラストの切れ味は鈍っていたはずです。近差の2着ですから悔しいでしょうが、距離が伸びる次走が非常に楽しみになりました。

★ファインルージュ(3着・8番人気)
 母の父・ボストンハーバーなので速い流れは得意。捲りで乱ペースになることも、前走すでに経験しています(笑) 内でロスなく追走し、直線もスムーズな競馬。自分の力を出し切っての3着です。

★ソングライン(15着・7番人気・僕の本命😢)
 メイケイエールが外に突破する際、体当たりを食らって大きな不利を受けました。3コーナーあたりですでに手応えが悪く、4コーナーでもうムチが入っていたので、力負けでない別の理由がありそうです。公式の発表によると、池添騎手は歩様に違和感を感じていたようなので、体調面と精神面の両方で尾を引かなければいいのですが・・・。

★メイケイエール(18着・3番人気)
 控える競馬を何とか試みましたが、失敗に終わってしまいました(※平地調教再審査が課されたようです)。最後はまったく追っていないので、着順はあってないようなものですが、今後どうするのでしょうね💧


オマケ:血統ワンポイント解説

 ソダシは母方に『ドローン』の血をもつクロフネ産駒ですが、このパターンには二つの特徴があります。

1,ダート馬に出やすい
 該当馬がJRAで挙げた勝ち星は、芝9勝に対してダート42勝。クロフネ自身がダート型種牡馬なので、ある程度ダート寄りに出るのは当然だと思うかもしれません。でもよく考えてみてください。芝9勝のうち5勝はソダシが挙げたものですから、ほかの馬の勝利は4つしかないんです。
2,牡馬に効果が出やすい
 全51勝の内訳は、牡馬36勝、牝馬15勝。割合にするとおよそ7:3となっています。クロフネ産駒全体の割合はおよそ5.5:4.5なので、大きな違いが生じていることがわかります。


 これらの傾向から、クロフネにとってドローンの血はダート適性を強める効果があり、とくに牡馬に大きな恩恵をもたらす組み合わせだと考えられます。実際、牝馬で目立つのはソダシと、そのおばにあたるユキチャンしかいません。

クロフネ×ドローン



 なぜこの2頭は牝馬なのに成功したのか。そしてなぜソダシは芝馬にでたのか。それは僕にもわかりません。「金子真人オーナーの馬」だからじゃないでしょうか(笑)



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