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重賞勝ち馬考察:プログノーシス(金鯱賞)

父:ディープインパクト
母:ヴェルダ
母父:Observatory


 ディープインパクト産駒らしい軽さや俊敏さは薄め。ドロっとした粘り気を帯びた、重厚な切れ味の使い手です。おそらく2代母の父にいる、マークオブエスティームの特徴が濃くでているのでしょう。

 マークオブエスティームがもたらすものは主に二つあります。ひとつは父のダルシャーンが切れ味特化の血であること。もうひとつは母のホーミッジが、ディープインパクト内のアルザオとニアリークロスで繋がり、切れ味を引き出すこと。いずれも切れ味に寄与する効果です。プログノーシスは国内で走った11戦のうち、9戦で上がり3ハロン最速の脚を使っています。優れた決め手性能は、この部分に理由がありそうです。

 マークオブエスティーム(のダルシャーン的な)切れ味は、積極的に好位置につけたり、自ら勝ちにいったりすると、案外と切れが鈍ることがあります。下手に色気をもたず、直線に賭けるくらいのほうが、かえって好結果に結びつくことも多いでしょう。そうは言っても後方で悠長に構えていては、いくら決め手があっても前を捕らえきれません。ポジショニングと仕掛けのタイミングがかなり難しいタイプです。

 そんな本馬を完璧に乗りこなしているのが川田騎手。ここまでの7勝はすべて彼がもたらしています。エンジンをかけすぎず、その範囲ギリギリの上限となる速さでスピードをコントロール。今回は札幌記念とおなじように、内からじわじわとポジションを上げていく作戦をとっています。こんな乗り難しい馬を忍者のような競馬で勝たせちゃうんですから、だいぶ変態ですよね(笑) 見事な騎乗でした。


※数値や一言メモは個人の主観です


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