重賞勝ち馬考察:ダノンマッキンリー(スワンS)
父:モーリス
母:ホームカミングクイーン
母父:Holy Roman Emperor
父のモーリスは現役時代に挙げたGⅠ6勝のうち4勝がマイル戦。母の父・ホーリーローマンエンペラーは短距離GⅠを2勝した馬。この両者が「アメリフローラ≒デインヒル」、「ノーザンテースト≒ファンフルルーシュ」のニアリークロスを介して脈絡しています。どちらも屈強なパワーの増幅にまつわる仕掛け。同時にホーリーローマンエンペラーの主要な血をまるごと抑えた仕掛けでもあります。本馬の前進気勢や突進力はこれらの影響でしょう。
ただしパワー一辺倒というわけではありません。本馬の3代母にあたるラップイットアップ(Wrap It Up)がモデルスポートに対してニアリークロスで脈絡(ナスルーラ、トムフール、ウォーアドミラル、ラトロワンヌなどが脈絡)。モーリスの軽いスピード源であるモデルスポートの血も、しっかりと刺激しています。主体となるのはあくまでもパワーですが、軽さに対しても配慮してあることが好印象です。とくに脚さばきにはこの特徴が表れていますね。
将来は生粋のスプリンターに完成すると想像していました。しかし今回の走りをみると、千四のスペシャリストになる可能性もありそうです。そうなった場合、折り合い面が課題になるでしょう。やみくもに走って勝手に消耗しやすいところがあるため、今回のようにペースが流れてくれると楽ですね。
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