義肢装具

義肢装具提供の算定が変わります〈2020診療報酬改定〉

 これまで義肢装具・治療装具の算定ってややこしくなかったですか。事務方だと、採型現場を見る機会に恵まれないこともあって、装具の種類や採寸・採型と、算定項目の理解をつなげるのが難しいとよく伺います。

 今回の診療報酬改定で、ここの算定方法ががらっと変わります。装具屋さんに治療装具をつくってもらうことがある整形外科医院の事務さんは、早めに頭に叩き込んでおくことをおすすめします。

これまで

【J129 治療装具の採型ギプス】
 1 義肢装具採型法(1肢につき) 200点
 2 義肢装具採型法(四肢切断の場合)(1肢につき) 700点
 3 体幹硬性装具採型法 700点
 4 義肢装具採型法(股関節、肩関節離断の場合)(1肢につき) 1,050点

【J129-2 練習用仮義足又は仮義手】
 1 義肢装具採型法(四肢切断の場合)(1肢につき) 700点
 2 義肢装具採型法(股関節、肩関節離断の場合)(1肢につき) 1,050点

【J129-3 義肢装具採寸法(1肢につき)】200点

【J129-4 治療装具採型法(1肢につき)】700点

改定後

【J129 義肢採型法】
 1 四肢切断の場合(1肢につき)  700点
 2 股関節、肩関節離断の場合(1肢につき) 1,050点

【J129-2 練習用仮義足又は仮義手採型法】
 1 四肢切断の場合(1肢につき) 700点
 2 股関節、肩関節離断の場合(1肢につき) 1,050点

【J129-3 治療用装具採寸法(1肢につき)】 200点

【J129-4 治療用装具採型法】
 1 体幹装具 700点
 2 四肢装具(1肢につき) 700点
 3 その他(1肢につき) 200点

 今まで、義肢装具と治療用装具、採型と採寸がごちゃっとしていたのが、

1.作る物は何か
 → 義肢か(治療用でなく、長く使うために作る)
 → 練習用義肢か(義肢だが、一時的な仮の物として作る)
 → 治療用装具か(治療目的で作り、治るまでに一時的に使う)

2.測定法は何か
 → ギプスで型をとって立体的に測る採型法
 → 平面で型を取る採寸法

の分類になりました。

装具の費用

 ここからは改定には関係なく、余談です。 

 装具をお渡ししたとき、医療機関が診療報酬として算定できるのは、上記の採寸・採型の費用だけですよね。この費用は「J 処置料」ですが、ドクターから装具屋さんに「こういうのを作ってね」とオーダーする、指示料のようなものと理解するとよいと思います。

 装具そのものの費用は、オーダーメイドであろうがなかろうが、レセプトで算定することはありません。

 装具屋さんに指示してつくってもらうオーダーメイドの場合は、装具代は患者さんから装具屋さんへ支払います。(条件を満たす装具は、いったん支払い後、患者さんから請求して、保険者から療養費として返金されます。)

 提供したものが既製品の場合は、特定保険医療材料として認可されていないものは、処置料や手術料などに含まれます。別に算定はできないのが原則です。


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