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偽の家族の離婚騒動に巻き込まれて、40万ぶっ飛んだ話

今回は私の鉄板話を書いていきたいと思います。


高校2年生の時です。私は外国語科に入学し、2年生で任意で参加するサマープログラムに参加しました。内容は2週間オーストラリアに行き、ホストファミリーの家に暮らし、現地の学校に通うというものです。
参加費は約40万(渡航費、ホストファミリーへの謝礼含)と決して安くないのですが、高校に入学する前から参加したいと思っていたので、家族も参加させるためにこつこつ貯めてくれていました。(感謝)

参加人数は20名ほどで、4名だけ普通科から参加していました。この20名で団を作り、出発したわけです。
ちなみに、私はこの団で団長を僭越ながら努めておりました。

さて、毎週水曜日の放課後に、渡航する前の事前学習なるものがあります。そこでは、オーストラリアの地理を勉強したり、Farewell partyの出し物の練習をしたり、とにかく様々です。
私はダンスを踊るチームだったので、振り付けをしたり曲を編集したり、はたまた団長という立場から、現地の校長先生やお世話になるみんなに挨拶をする必要があったので、その準備も行うなど超超超忙しい日々を過ごしておりました。

出発前にホストファミリーに、Application formという軽い自己紹介的な紙も送ることになっていました。そこには、自分のかんたんなプロフィールとともに、このような質問がありました。

「あなたは英語が話せますか?」

1~5で自分の能力を示す必要がありましたが、ここで私は自信を持って4を選ぶわけです。これが運命の分かれ道でした。

話は進んで、渡航前の事前説明会です。事前説明会では、どんな洋服が必要か、現地で注意することは何かなど色々な情報を提供されました。その中で私が覚えているあるフレーズがあります。

"ホストファミリーは、ピンきりです!みんながみんな自分の理想としている家に行けないかもしれません。それは仕方がないですよ〜。"

この時の私の思考は、

「ある意味家族なんだから、受け入れてくれる相手を選ぶことができないなんて当たり前やん。」

という感じ。この時の私はとっても楽観的だったようですね。この時に私が得られたホストファミリーの情報は、お父さんとお母さん、9歳の男の子と5歳の女の子がいるということのみ。

さて、ようやくオーストラリアに飛び立ちます。準備もしっかりやったし、ホストファミリーへのお土産(お父さんお母さんにちょい高いお箸、男の子にはトミカ、女の子にはキラキラしたペン)もしっかり用意しました。

現地に到着して、ついにホストファミリーとの対面です。めちゃくちゃ人が良さげなお母さんが迎えに来てくれました。車に乗り込むと子供2人がニコニコ笑ってます。めちゃめちゃかわいい!当たりだ!そう瞬間的に思いました。
そして、家に到着して無事1日目を過ごすはずが…。事件は起きます。

お父さんとお母さんがばちくそ喧嘩を始めるのです。子どもたちはいつものことや〜みたいな顔でゲームを始めるのです。あれれ???ちょっと雲行きが怪しいですね。まあ、そういうこともあるでしょう。

2日目:喧嘩は続きます。あの、朝お父さん部屋から起きてこないんですよ。お母さんもめっちゃキレてます。まぁ、夫婦喧嘩した翌日なんてそんなものよね。

3日目:夜ご飯が作られません。というか、なんか私だけ別の席で食べてます。ん???私って見えてるかな〜?なんか4人はめちゃめちゃ美味しそうなの食べてません???

4/5日目:初めての休日。旅のしおりみたいなやつみたら、「初めてのホストファミリーとの休日です!楽しく過ごしてね!」みたいなことが書かれてます。私はどうやって過ごしたかというと、
①車の洗車をやらされる(私とお父さんのみ活動)
②子どもたちの乱闘に巻き込まれる(まさに大乱闘スマッシュブラザーズ)
③お母さんが発狂して、慰める
の3本だてです!

6日目:授業で先生に休日は何をしたの?と聞かれて、嬉しそうに「ブルーマウンテンに行った!」「テーマパークに連れて行ってもらった!」と団員が発表する中、私の「家で洗車手伝ってました」に静まり返る教室。

7日目:3時に必ず車で迎えが来るのですが、今日は来ないぞ?4時になっても来ないぞ???引率の先生達の顔が暗くなります。ついに私、先生達に明かします。
「ご飯がちゃんとしたの出してもらえません。今日も忘れられちゃったのかなあ、あはは〜」
ちなみにこの20分後くらいに、元気なおばあちゃんが「忘れてたごめんね★」みたいな感じで現れます。

8日目:家に帰ってもやることないから、子どもたちと一緒におばあちゃん家に預けられます。兄弟喧嘩に巻き込まれ、育ち盛り9歳ボーイの盛大なケリがお腹にクリティカルヒットします。

9日目:夫婦喧嘩の原因がわかります。原因は旦那さんのお母さん(姑)との不仲。なんか思った以上に旦那がクズ。家のお金勝手にお母さんに流して、しかもそのお金で姑がエジプトに旅行に行ったそうです。マザコン男◯ねと連呼するお母さんをなだめる私。

10日目:ついに離婚の危機が訪れます。もう日常茶飯事になった夫婦喧嘩でしたが、その日はいつもと違かったのです。
お母さんが泣き叫んだと思ったら、お父さんが突然私に話しかけてきます。
「今からこの家を出るからお前も一緒に来なさい。荷物はよまとめろや。」
私はあなたの子供ではないが?????
そしてお母さんが言います。
「あなたは私側でしょ???家に残りなさい!!」
私はあなたの子供ではないが?????(Part2)
両方に攻め寄られ、精神が崩壊した私は日本にいる本当の家族に泣きながら電話をすることになりました。引率の先生たちに電話をし、家に乗り込んできたおかげでなんとかその場は落ち着きました。

11/12日目:異変を察知した引率の先生がショッピングモールに連れて行ってくれました。この休日が唯一救いでした。

13/14日目:ついにホストファミリーとさよならです。何もなくさよならと挨拶をして家を出ましたが、学校に到着すると別れを悲しんで泣く団員。ホストファミリーからもらった2週間の思い出が詰まったフォトブックを見せてくれる団員。あれれ???私ってば何かプレゼントもらったけど、お家に忘れてきたっけ???あは!なかったや〜!みたいなテンションです。


といった感じで軽くエピソードを並べましたが、嘘のようで本当の話です。ちなみに、いつ起こったか忘れてしまったため入れられなかったエピソードを箇条書きで並べていきます。

・5歳の女の子にお金を盗まれる(「日本に帰ったら使わないんでしょ?」というすげえセリフつき。確信犯。)
・夜ご飯になると急に4人でどこかに出かける。そのため、私は家で1人でレンチンするご飯を食べる。確か5日間くらい。
・動物園に行きたいといったら、そんなお金はないぞ!と言われる。
・おばあちゃんの家にディナーを食べにいくが、ひたすら韓国人より日本人のほうがいいわ〜!という謎の褒められ方をする。
・日本にいる家族に手紙を書く課題があり、心配させないように「めちゃくちゃ楽しいです!」という手紙を書く。


さて、ここまで私は壮絶な2週間を過ごしたわけですが、これの原因はなんとなくわかっています。それは事前のApplication formにさかのぼります。

「あなたは英語が話せますか?」

これに対して、5に近い回答をした子ほどひどい家をふられていたようです。めちゃめちゃ良いお家に行った子は、とことん1にしていたそうで。

しかも、団長としての仕事を全うしなければ行けなかった私は、2週間とてつもなくボロボロになったメンタルで過ごしていました。正直、周りの子と同じ費用を払って渡航して、全く違う2週間を過ごしましたので、めちゃくちゃに腹が立っていたのは事実です。

まあもっと早くにホストファミリーかえてくれ!って言えば良かったのですが、いわゆるDVと同じです。変な一面を見せたと思いきや、すごく美味しいディナーに(1度ですが)連れて行ってくれたりしました。あとは、他の団員が苦しんでいた「シャワー問題」も、私のホストファミリーはお金持ちだったので、特に問題がなかったことも離れられなかった理由です。

*シャワー問題とは:オーストラリアは水が少ないので、ほとんどの家庭が砂時計でシャワーを浴びる時間が決まっています。家庭によっては、水しか出ないところもあったようです。

といった感じで、ホストファミリーという偽の家族の離婚騒動に巻き込まれて、40万円をぱーにしました。
これだけひどい内容ですが、これを書いている今の私はめちゃめちゃ笑ってます。なんか笑えるほどひどかったっていうのもあるんですが。

でも、絶対にこの話を仲良くなった人に面白おかしく話すと、興味深いバックグラウンドを持っている女として認定されます。なので、日本に帰国してから色々考えた私は、鉄板ネタを40万円で買ったと思っております。


まあ、これだけひどい体験をしましたので、ちょっとのことではへこたれない人に育ったかといえば育っておりません。いつでも傷つきます。

でも私を少しでも大きく変えてくれた経験ですね。
ただの自己満でつらつらとここまで書きました。
もうちょっと短く書く練習をしたいと思います。

読んでくれてありがとうございました!

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