売れる物だけ売れば良い
玩具メーカー、バンダイの前社長、
山科誠は次の様に社員に号令をかけていた。
「売れる物だけ売れば良い。
売れる時にはできるだけ売れ。
工場はこれに耐え、営業はそれを支えろ」
また次の様にも言っている
「市場に送り出した製品のうち、売れそうな物だけに力を入れて、売れそうもないものは売るな」
一見行き当たりばったりの手法にしか見えない。
でも、意外と理にはかなってて、不人気の商品を売ろうとするとどうしても無理が生じ、実際にトラブルも起こりがちになる。
不人気の玩具を無理に問屋に売っても、
小売店が買わないから、結局支払いや返品、
値引き交渉、在庫の問題でもめる。
それに加えて宣伝費を使うなら、巨大な経費になる。その過程で使われるエネルギー消費は大変なものだ。
売れない物は、初めから売ろうとしなければ、
損害はせいぜい開発費と若干の制作費ぐらいだ。
売れる物を売っている時は、ラインが忙しくてどんなに悲鳴をあげようとも、基本的には勝ち戦なので、後から見れば大きな成長と利益が残り、結局従業員の苦労に報いることができる。
一見ダメだと思っている物事の別の視点から見た成功例。
この視点を持ち続けることが大切だ。
1950年、
浅草でセルロイドの玩具を作る小さな町工場として生まれたバンダイは、いまやバンダイナムコホールディングスに姿を変え、売上約5000億円、時価総額一兆円の巨大企業に成長している。
たとえ自分の手法が人にどう捕らえられようとも別の視点から見ればそれは正しいものに見える。
自分が正しいと思う道を行けば良いのだ。
(ある書籍の記述を再構成したもの)
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