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後継者について

古代ローマの歴史の中で、五賢帝時代(96~180)と言われる時代があった。
ネルウァ、トラヌヤス、ハドリアヌス、アントニヌス、そしてアレリウスの5人の皇帝が統治した84年間を指す。

善政で知られ、統治する側にとっても統治される側にとっても、人類史上で最も幸福な時代だったという歴史学者さえもいる。

後継者人事が見事に成功した時期である。

この5人とも、次期皇帝は自分で在位期間中に決めた。リーダーにとって自らの責任を明確にする行為とは、この様な行為を指すのではないかと思う。

しかし5人目のアレリウスが後継者に自分の息子を指名したことで終わってしまった。

いつの時代でも自分の息子がかわいいという人間の気持ちに変わりはない。だが、たまたま息子が誰にも負けない優秀な後継者能力を持っている場合なら良いが、なかなかそうはいかない。

企業の後継者問題も同じだ。
二世経営者にうまく継承されている会社は、販売開発研究所の調査では10%以下(日本企業)という。

創業者は、いろいろな修羅場をくぐってきただけに人情の機微に通じているから従業員が追いかけてくる。

しかし二代目には苦労の蓄えがない脆さを持っている。大なり、小なり、組織の存続は後継者次第だ。

後継者を育てることは成果を出すのと同じくらい大事なタスクであることを肝に銘じて仕事に取組むべきである。

(ある書籍の記述を再構成したもの)

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