サードバリューの発見

昔の人は「三人寄れば文殊の知恵」と言った。

二人でディスカッションを行う場合にも、一人で考えているより、良い考えが生まれる。二人で話し合っているうちに、両名とも気づいていなかった新しいアイディアが生まれることがある。

ディスカッションは、このように、「サード・バリュー(第三の価値)」を見つけるために行うものだ。「私が正しい。あなたが間違っている」というスタンスでは、このサード・バリューは生まれない。

最も良い道は、双方の意見とは別のところにあるのではないか、と考える姿勢だ。ディスカッションは、その最も良い道を見出す為に、行われるべきだ。ディスカッションを繰り返して最も良い道を探り、それを見つけていくのだ。

ただ、このディスカッションが下手な人を時折見かける。自分の意見こそが正しいと主張し譲らない、あるいは両者の間に力関係がある場合に下の者がどんなくだらない意見でも上の者が出した意見を神のお告げのように押しいただくようなケースは典型的な駄目ディスカッションだ。

これでは、サード・バリューを見出すという基本から外れてディスカッションをしていることになる。

むしろ基本を知らないのかもしれない。

「ディスカス」の語源は「ディス」=(否定の接頭語で、"無い"という意味。「カス」="恨み"という意味。即ち「ディスカス」は、"恨みっこ無し"という意味なのだ。

(ある書籍の記述を再構成したもの)

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