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見えないポイントを理解する事の大切さ

ある営業マンが言う。
「当社はこの市場で他メーカがやりたがらない特別デザインの品物は強いです。しかし標準的なものは、競争力はありません」

そこで、その営業マンに特別デザインのものが高い利益を挙げているのか、と聞くと利益は薄いと言う。

この営業マンの言動には二つの気がかりな点がある。

一つは、自身の営業力の弱さを露呈しているという点。厳しい言い方をすれば、特別デザインのものを薄い利益で売れば、誰でもある程度は売ることはできる。

二つめは、特別デザインが製造ラインや目に見えない管理費に対する猛烈な圧迫要因になるという事に意識が薄い点である。

メーカにとって、コストダウンに一番有効なのは、同じ物を多く作ること。

これは今も昔も変わらない。

だから営業は生産部隊の為にできるだけ同じ物、標準品を顧客にいかに買わせるか、という目標を第一におくべきである。
これが結局、営業がいつも欲しがる価格競争力につながる。

ただ、対顧客にはできるだけ、顧客の為にできるだけ特別仕様にしました、という売込み技術は必要だ。

営業の人達は工場やバックオフィスの人達の苦労が見えにくいが、逆もまた然りでバックオフィスの人達は営業の苦労が見えにくい。

大切なことは根本的なところにある。

(ある書籍の記述を再構成したもの)

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