物事を多角的に見てみる

カツ丼は豚肉揚げて作ったカツを、ネギと一緒にだし汁で煮て、仕上げに玉子をからめ、白飯の上に載せた食品だ。
生の豚肉状態から考えればなんと手の込んだことか。肉も野菜も玉子も飯も一緒に食べられる優れた食品だ。

カツ丼は、学生の発明という説がある。
前日の食べ残しのカツを調理したのだ。

カツ丼がうまいという人は揚げたてのトンカツのうまさを知らない人だ。千切りキャベツもなく、煮込んだ僅かなネギは野菜には数えられない。塩分とコレステロール値の高い玉子が加わり、不健康で下劣な食品だ。

上記はいずれもカツ丼について記述したものだが、前半は礼賛、後半はこき下ろしている。

非常に評判の良い人がいる。
仕事もでき、人柄も優れ人情にも厚い。
その評判を伝えている人に試しに聞いてみる
「ではその評判の良い人の欠点はどういうところですか？」
多分ろくな答えは返ってこないだろう。
しかし、欠点が無い人などいるわけがない。
こういう評判は気をつけて聞いた方が良い。

非常に評判の悪い人がいる。

意地悪で利己主義で自己顕示欲が強く・・・等。同様にその人の長所を尋ねてみる。

多分ろくな答えは返ってこないだろう。
しかし、欠点しかない人などいるわけがない。

人の評判は、往々にして一方的になりがちだ。
カツ丼に関する二つの方向からの意見のように
常にあらゆる角度から物事を判断できるようになりたい。

(ある書籍の記述を再構成したもの)