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中国にこの先復活の目はあるのか

好きなことを語るだけの稿です。

土地需要の縮小からくる経済のビッグクランチ、デフレへの突入が濃厚となった中国で、それを裏付けるように失業者問題がじわじわと鮮明になってきました。

まず、中国経済の状況というのを我々が知ろうという時。
ニュースや新聞には基本的に共産党が発表した公式の統計を元に情報が流されます。
が、基本この数字はあてになりません。

……以下ちょっと脱線します。共産党が発表する数字があてにならない理由は、共産党の上層部に、地方政府が挙げてくる数字。この時点ですでに脚色がなされているからです。もう何十年も(ことによると、もっとずっと)前から、共産党政権はこういう脚色された数字で経済状態を判断するしかない状況でした。正しい数字が知りたくても知れない、という。
なんで、ってのは、とにかく怖いだけで無能な鬼上司を想像し、そこへ進捗データなり検証データなりを報告することを想像してもらって。そうすると分かります。そうです。いい話しか機嫌良く聴いてくれないからです。上司(ゴミくず)が。
ですからま、自業自得ですね。
なのでたとえば、李克強指数(貨物輸送量や電力消費量で中国経済の活性ぶりを測定するという考えに基づいたもの)などを用いて、その大まかな外観をつかむ、というやり方のほうがまだましな把握が出来る、という状況です。ただこれも万能じゃないので、鵜呑みにもできません。あくまで概算のための数値です。一種のフェルミ推定ですね。はい脱線終わり。

そんな状態で、中国の経済状況を中央政府の発表した統計データ以外で知ろうとしたら。もう一つ有効な方法があります。
実地の街の様子を「見る」ことです。

上海という街は、いま中国の地方都市の中ではほぼ唯一と言っていいくらい「調子いい」都市であります。
その上海で、たとえば

という話や、

という情報が、経済雑誌からじわじわ挙がってきております。

このようなやばい状況には、我々日本の、とくに五十代以上の人間には思い当たる節があると思います。日本のバブル崩壊の惨状です。

利益が期待できない鉄道を延ばすだけ延ばし、誰も使わない土地を開発するだけ開発し、誰も住まないビルを建て(アメリカの百年分に相当するコンクリートをわずか三年で消費し尽くして、今世界で「砂」が枯渇する、という問題まで起きました)、そのような姿を見てきた我々は、日本のそれと比較して明らかな後遺症のすさまじさに恐怖しております。

ただ。
実は中国の未来の経済に関しては、私はさほど悲観しておりません(※1)。

理由は、(※「仮に」習近平政権が今後もある程度長く続くと仮定して)
彼、習近平は、毛沢東以来の「共産党の原点回帰」を目指す人間だからです。

実は、共産党政権にとって、経済が好調であるというのは必ずしもプラスであるとは限らないのです。
経済が好調となると、それによって資産を築いた人間は、より大きなビジネスを求めて、あるいは自分の我を通す意味として、「内向きに強固な統治を行いたい」共産党と、むしろ対立する存在へとなりえるからです。
彼らの力を削ぎ、没落させる。誰もそんな奴らの言うことなど聞かなくなる。影響力をなくす。その一番簡単な方法は、
「経済を悪くさせる」
ことなのです。

実際、習氏は、自由経済圏では考えられないような政策(ジャック・マーを拘束したり、俗に14号文書と呼ばれる不動産の公営化を宣言したり)をうちだし、時代に、自由主義に逆行しております。しかし、習氏の目的が経済の回復ではなく社会主義への回帰、財界人の弱体化だとしたら、これらの政策は俄然、意味を帯びてきます。

はい、意味がおわかりでしょうか。
私が※1のように言った理由は、
経済が崩壊することによって共産党支配の力は高まり、自国民の地獄の苦しみのなかで自然と淘汰が行われ、いずれは適切な数、適切な資産へとコントロールされるだろう、ということです。
いわば、「元サヤに戻る」ということです。

……中国共産党の一番の理念って、共同富裕だったと思うのですが……。

ま、そんなもの。
共産主義者が言うのだから、まやかしなのでしょう。

困るのは、中国との取引を継続している他の国々でしょう。
手の切りどきを間違えると、中国不況が飛び火してしまう。
困ったことです(困ったことです、で締めればいいというものではない)。

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