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素麺の話。

某SNSの話題をもとに、いろいろと語って参りましたが。
最近は、某SNSは政治の話と共産党の話と五歳児の検索履歴の話とバイデン勇退希望の話しかなく、正直食傷気味なのです。
こういう語り口で記事数を稼ぐのは、もう潮時かなあ、と思った由。

というわけで、季節の話題に寄せて、食べもののお話です。
政治的な話、真面目な話、不真面目な話をご期待されてるみなさまには、申し訳なく思っております。

暑い時期の素麺。めんつゆで食べるのには早々に飽き、最近ではカルディのレモン風味のだし汁やツナトマトにオリーブオイル入り、ゴマ豆乳入り坦々風など、変わり種で食べておられる方も多いと思います。
素麺はどう食べてもおいしいものです。

ちなみに私は、夏こそ温素麺を食べたい、と思う者でありまして。
素麺がスーパーに大量に並ぶこの時期、もっとも良く作る素麺料理は、沖縄料理である「ソーミンチャンプル」です。
現地だとソーミンタシヤー、と言ったりするそうですが。

このソーミンチャンプル。
いざ作るとけっこう難しいものです。
一番多い失敗は、「炒めているときに麺同士がくっつき、団子のようになる」というもの。
こうなると、食べてももさもさして、まったくおいしさを感じません。

Youtube動画を何本か漁ると、「くっつかない」ソーミンチャンプルの作り方がいくつか出てきます。
基本は、「素麺を茹ですぎない(1分半の素麺なら50秒くらいであげる)」「よく冷やす」「水気を切りすぎない(よく水気を切る、という動画もありますが、こういう方は茹で時間をさらに短く、10~30秒くらいとしておられます)」「むしろ麺は炒めない。温める、くらいの気持ちで」くらいでしょうか。

ちなみに、私のやり方は、これらを踏襲した上で、あるものを使って、麺のくっつきを押さえています。
それは、「食用の重曹を使う」というものです。
かつて細うどんやスパゲッティ、冷や麦などを重曹を入れたお湯で茹でることでラーメンの麺になる、という話が流行りましたが、要はかん水を模した重曹で素麺を煮ることによって、麺に腰を出そう、という魂胆なわけです。

あとの作り方は、ほぼ一般的なソーミンチャンプルの作り方に同じです。

<材料>
素麺 2束
タマネギ 1/4こ
ツナ缶(オイル漬けのもの) 1缶
ニラ ざく切りしたものをひとつかみ
(ニラをけちるとおいしくないです。多めに用意しましょう)
かつおぶし 好きなだけ

(調味料軍として)
ごま油(炒め油につかいます。なければサラダ油でも)
重曹(重要)
めんつゆ 大さじ1
鶏ガラスープの素(なければほんだしで) 小さじ1/3
こしょう 1振り分
塩 味見して味が足りなければ入れる、くらい

<作り方>

  1. にらは2~3cmくらのざく切りにします タマネギは薄切りです

  2. フライパンを二つ用意します

  3. 一つに水を張り、火をつけ、湯を沸かし、沸いたら重曹を入れます

  4. 煮立ったところで素麺を入れ、「袋の規定時間通り」茹でます(規定時間茹でて大丈夫です。重曹で麺に腰が入ります)

  5. ざるで素麺のお湯を切り、流水でよく洗い流します(よくもむように洗ってください。ここで洗いが足りないと、素麺の日向香が食味を邪魔します)

  6. 麺の水をきります。切りすぎないよう、ざるから水がぽたぽた落ちるくらいでおいておきます

  7. できれば素麺の茹でているのと同時進行で、もう一つのフライパンにごま油をしき、タマネギを炒め始めます タマネギが透き通ってきたら火を止め、にらを入れて箸でまぜておきます 余熱でにらにじんわり火が通ります

  8. 炒め上がったニラとタマネギのフライパンに(火を止めたままで)浅く水切りした素麺を入れ、ツナ缶を油ごと入れ、めんつゆ、鶏ガラスープの素、こしょうを入れて、麺にツナの油がからむようよく混ぜます

  9. ここで火をつけ、しばらくして、素麺が温まったな、というところで火を止めます 味見をして、塩気が足りないときは塩を入れて、かつおぶしをたっぷりかけて完成


これおいしいです。忙しいときの昼ご飯とか、ちょっと食べたいときの夜食とか。夜食に素麺2束食べたらさすがに太りますが。
上記では鶏ガラスープの素を使ってますが、本当はほんだしの方がおいしいのでは、と思っている自分もいます。現地では確実にほんだし派が多いはずです。

ニラは冷凍出来ます。足の速い野菜なので、自分は買ってきたらすぐざく切りにしてタッパーにいれ、冷凍しています。1ヶ月くらい平気でもちます。

最後、まとめとしまして。

ソーミンチャンプルは、フーチャンプルやゴーヤチャンプルとは一線を画し、なぜが具材が多すぎると食べにくく、何か別物の料理となってしまいます。現地でも、あまりソーミンチャンプルは具だくさんにはしません。
理由としては、食べ応えが出すぎてしまい、素麺で軽やかに作る、という料理のコンセプトから揺らいでしまうからでは、と思っています。
ただ。お腹空いてガッツリ食べたい! って時には、具だくさんでもいい気がします。鶏肉を入れたり、スパムを入れたり。野菜は他には、キャベツやにんじん、もやしなんかが合います。細く刻んで入れてみてください。

ソーミンチャンプルの要は何と言ってもツナとにらです。にらがあるからソーミンチャンプルはうまい、まであります。
実は素麺は、炒めで使うとわりと素麺特有の日向香が気になります。このにおいをマスクするのがにらなんです。なので、にらが足りないとおいしくありません。

味付けは不思議と、薄めの優しい味付けの方がおいしいです。塩味も醤油由来ではなく、塩で出し、醤油はめんつゆに入っている分だけで、香り要員、という位置づけです。

機械切りの素麺は、麺が太いため、麺が十分にほどけており、団子にはなっていなくてもやはり団子っぽい「もちゃ」とした歯ざわりになりやすいです。かと言って、芯が残っている状態で早茹でであげたものを使うと、麺の腰からではない生煮えの歯ごたえが残ってこれはこれでおいしくありません。
重曹茹でにしても思ったほど腰は出てくれず、もう柔らかいのを覚悟で食べるしかないような気がします。
好きずきとは思いますが、機械切り素麺のソーミンチャンプルはおすすめしません。

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