住宅の構造と、主に外壁について(ハウスメーカー VS 工務店 という落とし穴 Vol.03)
見聞きした情報を備忘録的においておくだけの稿です。
住宅建築において、住宅の構造は主に木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造の三種類がある、と、別稿のVol.01で述べました。
このうち、重量鉄骨造に関しては高額になる等のデメリットが大きいのでほとんど注文住宅では選ばれない、とは言いましたが、ほとんど選ばれないだけで、請け負っているハウスメーカーも工務店も多くあります。
ので、この木造、さらには軽量鉄骨造、重量鉄骨造(この二つを合わせて、"S造(鉄骨造)"という表現を使います)。これら三種全て。それに、今回は鉄骨鉄筋造というつくり方、"RC" も加えて、比較対象として述べていくことにします。
どの工法を採るにしても、メリットと、その裏返しとしてのデメリットは必ず存在します。
どんな環境や要望にも適合する鉄壁の工法、というのはまず存在しません。とくに、昨今要望が多く多岐にわたっている住宅建築においては。
ではこれから、それぞれの住宅構造と特徴を見ながら、主に外壁との組み合わせでどのような家づくりを狙っていくのか、を見ていきたいと思います。
住宅構造と特徴の一覧
まずは、こちらをごらんください。
(※:軽量鉄骨造でも、木材は建材として使用される。また後述するが、断熱材などもシロアリの加害を受ける)
ざっと説明いたしますと、(Vol.01の内容とかぶりますが)
木造には、従来型の軸組工法とツーバイフォーがあります。
S造のうち、鋼材の厚さが6mm未満なら軽量鉄骨造、6mm以上だと重量鉄骨造となります。
RCは鉄筋コンクリート建材、SRCは鉄骨と鉄筋コンクリートの建材を組み合わせた住宅となります。
ほぼほぼ、木造→S造→RCの順で家の性能がよくなるように(そして値段が高くなるように)見えます。が。
S造の弱点はなんといっても気密性能に劣る、ということです。
これにはいくつか理由がありまして。
まず、鉄骨独自の特性として、揺れやすい、というものがあります。構造上振動の減衰が、木造などと比べても起こりにくいとか。
また温度によっての伸縮が大きいのも理由となります。
そして、このような場合、別に気密性能を上げる措置を行う……例としては、気密シートを張ったり(木造でも)して対処する……のですが、この気密シートも鉄骨だと張りにくく、たわみが出やすくなってしまう、といったことが起こったりします。
RC造だと気密は取りやすい(RC造の特徴でもある)のですが、やはりコンクリートという材質の性質から、断熱に関しては一難があります。
ただ。
ここはデザイン性の問題も絡んでまして。
RC造を選択する施主さんというのは、コンクリート打ちっぱなしの無骨で無機質な壁面をあえてデザインとして残す、そのまま出す、ということを望む方が多いので、あえて断熱を気にしてない(高い家を買えるお宅なので、セントラルヒーティングや空調設備などでがんがん暖かくすればいいじゃん)という発想で、あえて弱点を弱点としてそのまま残し、デザイン性を重視しているわけです。
RC独特の無骨なデザインにこだわらない場合は、内から断熱材を張ることで対処し、断熱性を出すことも可能です。ですので、RC=暑い、寒い、というだけの結論に一概にはならないことは、注意が必要です。
あと、分かることは、軽量鉄骨(木造の次に多い建築構造)の場合は、多少耐震に関しては利があるものの、防音、断熱等の性能に関しては木造とそれほど優位な差はなく、むしろ気密性で劣る、というところはチェックしておきたいところです。
ただ。
上記RC造の項で少し触れましたが、家の設計というのは総合力で勝負するもので、基礎の構造だけで順位をつけてそれを盲信するのではなく、それぞれの建材のウィークポイントを押さえた上で、そのポイントをリカバーする防音材、断熱材、気密材を用いて結果を出せればよい、という方向で考えるべきでしょう。
と。
ここまでを抑えた上で、
今回は、家の外壁と合わせて、家の建築という意識がどのように変化していったかを、以後は見ていきましょう。
通気工法の採用と、外壁材の発想転換
ここでも、Vol.01で語った歴史が少し、関係してきます。
外壁については、およそ20年くらい前までは、モルタル、漆喰といったいわゆる「塗り壁」工法をのぞくと、内壁に外壁材を直接貼り付けて施工するいわば「直張り工法」が採用されておりました。
採用されていた、というよりは、これ以外の工法が(塗り壁以外は)なかった、というべきでしょうか。
しかし、この工法は大きな弱点を抱えることを、後々人は知ることになります。
気密、断熱をうるさく言い出す前の住宅。と言っても、断熱材や耐火の石膏ボードなどを用いた「住みやすい家」の提言はそれなりにあったころ。
アルミサッシを用い、結露甚だしいおうちが普通、であったころです。
木造は「木が呼吸をしている」と表現されるような通気性、吸湿性にそれなりの強さがあり、いわばそれを「過信」している状態でした。
が。
直張り工法をしている家で、外壁の腐食やひび割れ、はがれ落ちなどの被害が散見されるようになりました(一気に表面化したのはこれまでの大きな震災でしょう)。
この外壁へのダメージ。その原因は窓・屋根・外壁・バルコニー等の外装からの雨水浸入が主でありますが、そのほかにもう一つ。壁内結露、という現象が関係しておりました。
たとえば、窓を例にとります。
窓というのは外と内の気温差から結露を引き起こすことがよくあります。
この水滴、もともとは空気内に水蒸気として普通に蓄えられているものです。
木は「呼吸して」おり、吸湿性が「ある」ので、一定以上の湿気を帯びると腐食が始まります。
これが外壁と直結している木の部分で起これば、「直張り」という湿気の「逃げる余地がない」工法の場合は、腐食した内壁部分と外壁部分の接着が外れ、ひび割れ、はがれ落ちの原因となるわけです。
事実、直張り工法で建てられた家は、定期のメンテナンスを怠っている(というより、定期のメンテナンスをしている家というのは割合で言えば少数派だったでしょう)外壁のダメージは明らかで、地震による倒壊リスクも上がる、という結果として表れました。
このため、2000年に住宅の品質確保に関する、品確法という法律が定められ、その中で性能表示制度の「劣化対策等級」の等級2および3を満たすものとして、外壁と内装材の間に空気が通る隙間を設ける建て方、いわゆる
「通気工法」
を取り入れるべき、と定められました。
この通気工法は、現在はほぼ全ての住宅建築において採用されており、これによって外壁材はここ十数年くらいで大きく発想が変わりました。
「丈夫」「長持ち」するものを、素材から考えなくてよく、「軽いが湿気によってもろくなるような材質を、コーティングによって湿気や汚れから守り長持ちさせる」サイディング、というものも採用できるようになったのです。
外壁材の種類
現在住宅建築に用いられている外壁材には、以下のような種類があります。
窯業系サイディング
金属サイディング
木質サイディング
樹脂サイディング
ALCパネル
タイル
レンガ
その他、塗り壁をそのまま外壁とする
モルタル
漆喰
などです。
モルタル・漆喰
どちらも同じ「塗り壁」材ですが、原材料が違います。
漆喰は消石灰に粘性のある海藻ノリ、麻、藁などを練り込んだもの。
モルタルは要はセメント(プラス砂と水。つまりはコンクリート)です。
品確法に定められた通気工法をとるには、モルタルや漆喰塗りは難しいところがありますが、構造用合板(壁下地材)の上にラス(金網)をしいて間をとり、これに塗りつける方法や、通気胴縁(サイディングを固定するための下地材)に下地のサイディングボードを張り、これに塗りつける工法などをとっているとのこと。
どちらも、非常に耐久性のある外壁材で、モルタルなら30年、漆喰ならなんと100年(!)の耐用年数がある……そうですが。
とにかくひび割れが起きたらすぐメンテナンス(塗り直し)をしないと、耐用年数は著しく落ちるとのことです。
ただ、デメリットとして。
昔はどこの地域にも地域に根ざした代々続く左官屋さんというのが必ずいて、修理を頼めば飛んできてくれたものですが、近年はこの左官業を営むところがぐっと少なくなりました。
なので地域によっては、塗り直しを頼みたいのに左官屋さんが見つからない、というようなことが起こりうる、ということです。
また、他のサイディング材と比較しても㎡あたりの価格は塗り壁の方が高いです。(価格は会社によってまちまちで、一概の比較、とは行きませんが、少なくとも初期コストについて、塗り壁の方がサイディングより安い、という試算を出す会社はないように思います)
なお、漆喰の方がモルタルより高い(つまり、高級)です。
タイル・レンガ
外壁材としてこの二つを並列で表記するのは少し乱暴ではありますが、じつはホンモノのレンガ外壁を住宅で取り入れる場合は少なく、かついわゆる「積み上げ工法」……ブロックレンガを積み上げる、いわばレンガ工法と言って普通の人が想像するような工法……はまず、取られない、ということで、「張る」工法としてのタイル・レンガということで、二つをセットとしました。
防水性はあるものの、価格が高いのと、重量が重いのと、いったんクラックしたり一カ所が剥がれたりすると、その面は「全面塗り直し」となる、という点で、まずお勧めはできません。
ただその質感が好き、という方は、チャレンジしてみてもよいかと。
木質・樹脂サイディング
また、乱暴に性質の違う二つの材質を併記していますが、この二つはある点においてデメリットが同じであるため、ひとまとめとしました。
それは、
「対応業者の少なさ」
です。
樹脂サイディングについては、昨今は外国ではけっこう取り入れられていると聞きますが、日本では圧倒的に他のサイディングが幅を利かせており、対応してくれる企業が限られているというのが現状です。
対応業者が少ない、ということは、不具合が発見されたときにすぐ対応してくれるかどうかが未知数であること、および価格が高めになること。この二つのデメリットがはっきりあるので、やはりお勧めはできない、という結論になろうかと思います。
また、木質サイディングについては、他に腐食しやすい、防火性に劣るというデメリットもあります。
今後、この二つが他のサイディング・外壁材として注目されるかといえば……どうでしょう。他と比べての圧倒的なメリット、というのが今のところデザイン性以外見えないので、ちょっとその可能性は薄いと思います。
そして、……これを言うとある種の方たちに猛反発を食らいそうですが……私は、木質サイディングとして昨今持て囃されている「焼杉板」にも同じ感想を抱いています。耐用年数50年、腐食に強い、とは言いますが、それは表面に傷や破損が入らなかった場合のこと。
コーティングの進化によってその質を上げた、後述する窯業系サイディングと仕組みの考え方はまったく一緒です。
いわば焼杉板がありなら今の進化した窯業系サイディングを否定する理由はまったくなくなりますし、あえてセメントより耐久度の悪い木材を、自然素材だからという理由だけで推奨するのはいかがなものか。
自然素材か否かのみで優劣を判定する姿勢はナンセンスに映ります。そういう態度を私は肯定しません。
ALCパネル
ある程度のビル建築でも採用されることがあるALCパネルですが、住宅の外壁材として用いられる場合は、他のサイディングと同じく、胴縁にパネル状のALCを貼り付けていく、という工法になります。
あるいは、一部のハウスメーカーでは、その吸湿吸水性を利用して、あえて通気工法を取らず、直張り工法をとるところもあります。
このALC。要は気泡を多く含んだ軽量のコンクリートです。
気泡を多く含むので、この気泡内の空気が雨の日は湿気をため込み、晴れの日に吐き出すイメージです。
他のサイディングと比べ、耐火性・保温性・断熱性・遮音性に優れている、と言われています。
が。
……ある意味、このALCについて語りたいからこそ、あえて家の構造と外壁を合わせて語ろう、ということを思いついた、まであります。
このALCを外壁として推すハウスメーカー、工務店があります。ハウスメーカーならヘーベルハウスが有名どころでしょうか。
ですが。
このALC、肝心の耐久性ですが、吸湿する(孔に水をため込む)というその特性上、そこから耐久性が落ちてしまう可能性があります。
孔は被膜保護されていますが、その被膜も永久ではありません。
いわば、水を溜めるがゆえに水に弱い。これがALCのデメリットであります。
ここからは、大きく外壁としてのALCの考え方、捉え方になりますが。
つまるところ、雨の日に吸水したぶんの水分を、晴れの日に吐き出せれば(乾けば)よく、このローテーションがうまく行く限り、内部の耐久性には問題は起こらないことになります。
ですが、吸水しっぱなしだとよくない。雨が続いたり、湿気の高い日ばかりが続くとよくないわけです。吸水したまま一定の時間がたてば、内部被膜も経年劣化し、そこからもろくなっていきます。
それでも、ALCには断熱性があるので採用する、という一定層の方がいます。
ではここで質問です。
そもそもの話、外壁に断熱性、はたして必要でしょうか?
通気工法をとる以上、外側からの熱、あるいは冷気は内部の空気の層で遮られ、その空気の層は一定温度を保った通気が確保されているわけです。
この状態で外壁材が断熱を確保したところで、意味がある効果がでるかといわれれば、疑問符であると思います。
そもそもALCが断熱効果があるといっても、それは例えばグラスウールなどのような本物の断熱材の、5分の1程度のもので……極端なたとえを申し上げれば、寒い真冬の日にバスタオル一枚で外に出てバスタオルはあったかいから、と言っているような空々しさを感じます。寒ければ人は普通はコートやダウンで風をしのぐものです。
ただちょっと、このままだとある誤解を生んだままとなりますので加筆しますと、先ほど申しましたように、ALCはその吸湿という特性から壁内結露は起きないとして、直張り工法でも問題はなく、事実ヘーベルなどでALC外壁の家は直張り工法で建てられます。
ただし湿気は壁内にたまるので、この状況は夏熱く冬冷たい壁を作り出します。
直張り工法でしかも夏熱く冬冷たいが、断熱効果はコンクリートよりはるかに高い……断熱効果があるのかないのかよくわからなくなります。が、繰り返しますが外壁の温度は家の内部の断熱性とは関係がない、と切って捨てるべきです。家の内部の断熱性は別の方法で出すのです。
それは、例えば外壁の話から離れて、RC造、S造という構造によって断熱がどうの、と語るのに似ています。
断熱を仕込むべきは屋根の内部、壁の内部(つまり家側の壁)、及び床です。外ではありえません。
断熱という言葉が今の家づくりのキーワードとなって十数年が経とうとしていますが、その断熱をどこで担保するか、というのは施主側が理解した上でハウスメーカーなり工務店に意見が言えた方がよいし、逆にそうあるべきだ、と私は思います。
家づくりとは、それぞれの構造の弱点を理解し、その弱点を別の方法で克服し、トータルでプラスを狙う、という考えに一から十まで貫かれております。
この構造はだめだ。あの材質はだめだ。あのやり方ならどんな風にしてもうまくいく。
そういう発想では、理想の家づくりはいつまでたっても平行線のまま、進化しません。
多角的な眼を養う。このことこそが重要です。
ALCを外壁に採用するならば、一にも二にもきちんと乾燥する日が一定以上ある地域で使用すること。そして定期的なメンテナンスを欠かさないこと。これに尽きます。
窯業系サイディング
実は、世の住宅の8割の外壁は、この窯業系サイディングです。
この窯業系サイディングについても、昨今の家づくりの常識非常識に関することで、申し上げたいことがいくつかございます。
昨今、窯業系サイディングはダメだ、という発想をする動画が多いように見受けます。Youtubeで。
市場の8割を席巻するこのサイディング材にダメだしをする理由は、本当に駄目な理由があるなら別ですが、あえて弱点をあげつらってそこ一点で材質全部に×をつける、そんな短絡的な話に落ちているように感じます。
たしかに窯業系サイディングには弱点があります。
それは、
水に弱い
重い
というものです。
実は、家というのは、軽ければ軽い方がよい、と言われています。
それは、耐震についての話となります。
耐震の考え方は、いくつかあります。
強い材質で、揺れてもびくともしない構造を作る
しなやかな材質で、揺れを「いなす」設計をする
(法隆寺の五重塔のような発想ですね)
ジョイントに弾力のあるものをはさみ、そこで揺れを吸収する
(昨今の橋は、このような設計になってます)
このうち、揺れを「いなす」設計を目指した場合。
その家は、重ければ揺れの動力をダイレクトにうけます。
鉄球とピンポン球、同じ速度で当たって痛いのはどちらか、ということです。
耐震については、軽い方が有利。これは一定の真理です。
そういう意味では、窯業系サイディングは軽い材質とは言いがたい。むしろ「重い」材質です。
もう一つは、水に弱い、ということです。
窯業系サイディングは、つまるところ「セメント+αを高熱処理したもの」です。
この材質の特徴は、水を含むとそこが脆くなり、劣化するところにあります。
いわば、たとえば地震などでヒビが入り、そこに雨なんかが降り込むと一気にヒビが大きくなったり、場合によっては剥がれ落ちる可能性がある、ということです。
さて。
「だから窯業系サイディングはやめろ」
と言うのは早計です。
住宅建築は、この十数年で進化した、と私は繰り返しております。
そして。
この窯業系サイディングも、需要に応じてかなりの進化をとげてきたのです。
まず、クラックが入るとそこから水がしみこむ、という点について。
そのクラックを起こさない工夫が凝らされるようになりました。
例えば、サイディングの厚みを15mm以上とする、という考え方が出てきました。
14mm以下の場合、窯業系サイディングは胴縁に直接釘などで留めるのですが、15mm以上だとこれでは強度が保証できないので、胴縁に金具を取り付け、そこに並べていく、という方法をとります。
これによって、釘の周りからクラックが入り、水が入り込む、という欠点を消しております。
また、表面のコーティングも格段に進化し、まさに40年クラックを起こさない高性能のコーティングを施した窯業系サイディングも出てきました。
また、サイディングの隙間を埋めるシーリングも高耐久のものが出てきて、シーリングからひび割れが起こる、という現象も過去の物になりつつあります。
ですが、これらの努力はひとえに、
「水に弱い材質のものを、強いコーティングで守る」
という考え方で出来たものですので、日々のメンテナンス方法には注意が必要です。
たとえば、壁が汚れたからといって高圧洗浄は御法度です。当たり前ですね。
高性能塗装をわざわざはがしてひび割れさせたいのか、ってことです。
ですが、こういうことを知らないと、窯業系サイディングの外壁を高圧洗浄で洗い流す、ということを平気でやってしまうのが人間なのです。
とにもかくにも、知識をつけるということ。
これがとにかく、家づくりにおいては重要だということです。
金属サイディング
金属サイディングには、実はこれといって弱点らしいものは見当たりません。
強いて言えば、
錆びる
断熱性に弱い
デザインが、ハマらない人にはダサいと感じられる
窯業系サイディングに比べると、かなり割高
ということくらいでしょうか。
錆びについては、確かに海辺の家ではあまりガルバリウムなどの金属サイディングは採用しない方がいい、と言われることが、ままあるくらいです。
その錆びも、水によってではなく、経年でたまった埃などが壁にたまり、それが錆の原因となっているそうです。
逆に、雨によって洗い流されることで錆の発生を止めることが出来ますので、ガルバは屋根材としても非常に重宝されておりますが、これは理に適っていると言えます。
ですので、窯業系サイディングとは逆に、定期的に水で壁を洗い流してやることによって、遙かにもちはよくなります。
断熱については、ALCの項でも述べましたように、外壁材に断熱性を語ることにうろんなものを私は感じておりまして、正直語る意味を見いだせません。
窯業系サイディングと比べると割高なのは難点と言えば難点ですが、扱いやすさと丈夫さでは追随を許さず、デザインさえ気にならないならと、ガルバを推すハウスメーカー、工務店は非常に多いです。
以上が、外壁材の紹介になります。
住宅の構造というのは、途中でも申しましたが、どこが弱点で、その弱点をどこで補うか、というトライアンドエラーの繰り返しであり、要は弱点の多い建材を選ぼうと、その弱点をどこかで帳消しにでき、トータルでプラスのおうちが完成すれば……つまり、断熱性、気密性等に優れた家になっていれば……それでいい、とするものであります。
材質の弱点のみをあげつらった、短絡的な説明をするハウスメーカー、工務店は避けた方が無難でしょう。
逆に言えば、そういったハウスメーカー、工務店は不勉強だという証左でもあります。
おお。新しい重要な言葉が偶然にも出ました。
不勉強。
じつは、この言葉こそ
ハウスメーカー VS 工務店
という当初の争いに決定的な終止符を打つための魔法の言葉であります。
ですが……
まだまだ建材については語りたいことが目白押しでして。
なにしろまだ外壁材について語っただけ。
床材、屋根材、窓、通気システム……語りたいことはまだまだあります。
それらを語り尽くしてから、最終的な ハウスメーカー VS 工務店の最終結論を出していきたい。このように思っております。
この話、まだまだ続きます。
あしからず。