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暮瀬堂日記〜朝日俳壇と螢いか

 厚木のスーパーで買物をしていると、大好きな螢烏賊が目に入った。食べたかったが、酒を飲みたくなるので止すことにした。
 三月下旬頃から『旬 新物』のラベルが貼られたボイル物、時には生食用も並び始めた。目がないので無論落手し、酒肴として舌鼓を打ったものである。

  螢いか口にひろがる光かな
  むらさきに灯しをこぼす螢いか

 その時のことを思いだし、久しぶりに朝日俳壇に投句することにした。金子兜太さんが亡くなって、どうなっているのかと調べると、新しい選者に高山れおな氏が就いたとのこと。随分若い人のようだが、私よりは年長である。
 既に鬼籍に入られた川崎展宏氏に取られて、初めて掲載された句を思い出していた。

  吾が書架に三年物の蟬の殻

 あっと言う間に、そんな季節が訪れるだろう。

(二〇二〇年 六月八日 月曜 陰暦 閏四月十七日 芒種の節気 蟷螂生 【かまきりしょうず】候)

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