【ヘブバン】小さな部隊長の話【U140】

やなぎんと丸ちゃんの関係が好きな紅月シオンです
やなぎんイベやる前にクリアして来いって言われたのでU140プレイした感想になります
ネタバレしかないのでプレイ前は見ないことを推奨


Uってなんの事?

実はプレイ前からタイトルだけは気になってたU140の意味は割と最初の方でそれが明かされました

今回は研究所に謎の発電が発生、その影響を確かめに行くのですがあちこちの入口が溶接されており唯一通れるのがダクトだけ
つまり、身長の低い部隊員でなければ突入できない

そうUとはアンダー、つまり身長140cm以下のメンバーで構成された部隊のことです
そして丸ちゃんこと丸山奏多(139cm)が部隊長として

30Gから緋雨っちこと小笠原緋雨(138cm)
31Cから豊ちゃん天然ちゃんこと豊後弥生(121cm)と天音巫呼(129cm)
31Eからよっつんこと大島四ツ葉(139cm)
31Xからヴリちゃんことヴリティカ(131cm)

と小さい面々で構成されました
ちなみにおタマさんも133cmなので一応条件は満たしているのですが今後のあれそれとかに影響ありそうなのか除外されてます、ヒーラー無しはキツイ

凸凹でも抜群のチームワークと個々のセンス

さて臨時部隊もとい丸山部隊は研究所にてそれぞれの知識を利用し研究所の最下層を目指して潜っていきます
途中の硫化水素ガスには天然ちゃんの知識、レーザートラップには緋雨っちの体術、暗証番号にはヴリちゃんの数学と途中途中でトラブルに会いながらもその度に個々が得意とする分野で道を切り開いて行きます

とはいえ最初こそ先輩らしさを見せようとして転んだ緋雨っちや閉じ込められて「ニルヴァーナ」
(涅槃の意味、転じて詰んだわの意味)と諦観したヴリちゃん、所々で天然ちゃんにヘルメット越しにポコポコ叩かれる豊ちゃんなど優秀であってもちょいちょい危機に陥ることも
だけど丸ちゃんは見捨てることはせず全員で道を切り開き、一丸となって目的を果たすため悪戦苦闘しながらどうにか進んでいきます

部隊長の交流と仲間からの信頼

丸ちゃんが所属する31Fはやなぎんが部隊長な為、実質これが初めての部隊長としての作戦になります
しかし31Fの面々は自身の体験から丸ちゃんにアドバイスを送ったり、他の部隊長達からも部隊員が頑張ってるか聞きに来ます

丸ちゃんも丸ちゃんで凸凹な丸山部隊の事を決して悪く言わず任務が順調なこと、個々の能力を活かして進めていることを報告
途中で階段が塞がっているという問題こそあれどダクトの配管工から地下に行けることをやなぎんと共に考えたりとしっかりと部隊長として頑張っていました

かねてよりやなぎんは丸ちゃんの事を自分が仕えるに相応しい主と言っていましたがそれは決して誇張でもなんでもなく、今はまだやなぎんに及ばないだけで将来的にはやなぎんを抜くと言うセリフは確かなものでした
だからこそ、この後の事も丸ちゃんだからこそ乗り越えられた形なのだと思います

そもそもこの研究所はなんなの?

入り口が溶接されているにもかかわらず存在するキャンサー
しかも個々は強いとは言えずまるで「意図して弱い個体ばかり集められた」ような研究所
(プレイ前の推定戦力値も3000あればクリア出来る=メタ的な考察も含むが詰まない為の処置とはいえ部隊員のレベルやブースターでなんとかなるレベル)
放棄されたにも関わらず何故か動く研究所内の設備など、怪しさ満点です
そんな中で丸ちゃん達はある研究員の日誌を入手
そこでは火力でも原子力でもない未知の放電性物質を発見と書かれていました
そのことからその何かを研究し行く行くは人類の発電施設を作ることが目的だったみたいです

確かに効率としては地熱や太陽光、波や風力発電とは比べ物にならない上に火力や原子力のように環境破壊をしないのならこれ程有効な発電方法もありません
しかしこの地球にそんなものが最初からあったのでしょうか?
もしあったとすればもっと早い段階で公表され、キャンサーの襲来で作られたドームの周辺等に配備されるはずです
ですがそれは行われなかった、キャンサーの襲来で破壊されたとしても発電施設は大きくなりがちなためその痕跡すら残らないのは不自然です

そして彼らは諦めた、それが行うのは放電だけではなく集電も行い、まるで呼吸するかのように両者が入れ替わる、制御する方法すら見つからず仕方なく露見しないように入口を塞いだ
(ここは推測です、制御出来なかった所までは本編)
そしてそれは今も、この研究所の最奥で待ってました

人の業と部隊長の決断(最終版ネタバレ)

薄々気がついたかもしれませんがその奥にいたのはキャンサー、イモータルセルです
日本語に直すと「不死の電動機」、確かにうってつけの名前でしょう
キャンサーの命名に関しての出所は不明ですが少なくとも今回のは皮肉と悪意に満ちているとは思いました

そう、人類はキャンサーを利用しようとした
それ自体はおかしな事では無いのかもしれない
人類はキャンサーに攻め込まれた被害者で、現在進行形で地球を侵略しようとしている
許せるはずも無い怨敵で、それを利用しようとするのは大人として、研究者としては正しいのでしょう

しかしイモータルセルは胴体に杭を刺され、動けないまま生命維持装置のようなもので無理やり生かされ、ひたすらに生み出す電気を搾取され続ける
もうとっくに放棄されたにも関わらず、それが永遠と続いていく
こんなものが人道とでも言えるのでしょうか?

キャンサーは確かに人類にとって怨敵です
ですがその光景を見た時丸ちゃんは憐憫を抱きました
その姿を可哀想と思い、せめて楽にしてやりたいと
子供たちの観点から、人としての情を捨てなかった
キャンサーから見れば彼女達は自分を終わらせてくれる救いか、あるいは罪を罰そうとする処刑人か
その意思こそ分からないまま、戦闘に突入します

キャンサーの抵抗もあれど駆けつけたやなぎんの助力(肩を外してダクトを通ったらしい、なんて無茶な)
部隊長としての責務、そしてやなぎんに丸山奏多は凄いのだと、仕えるに相応しいのだと示すために立ち上がり、それに続くように皆も立ち上がりました
そして戦闘に入るのですがこの戦闘でずっと泣きそうな丸ちゃんが印象的です
倒すことには変わらない、だけどその今までを思いせめて解放したいと願う
それは決して「甘さ」ではなく「優しさ」なのだと思います
研究者たちが捨てた人間性のひとつを丸山奏多は捨てないまま遂に不死の電動機の電源を落とすことに成功
その際の「ごめんなさい」は人類を代表してのものだったと思ってます

部隊ではなく仲間でもなく

未知のキャンサーの撃退、そして研究所の任務を終え基地に帰ってきた丸山部隊
この完了をもって解散となりますがそれでもここでも全てお終いという訳ではありませんでした

ヴリちゃんが発した「ニルヴァーナ」は緋雨っちや丸ちゃんが危機的状況に陥った時に使われてましたし丸ちゃんのお茶会にみんなが参加したりと新しい形で丸ちゃんたちとの交流は続いてます

そう、緋雨っちもヴリちゃんも豊ちゃんも天然ちゃんもよっつんもみんな、今度は部隊員ではなく仲間としてでもなく、丸山奏多の友達として4章後半後も交流は続いているのでした

それではいいものを見れたところでここでお終いにさせてもらいます



























さて、今回のイベントでキャンサーの物質には人類にとって有用な何かがあるのだと判明
手塚司令官がななみんから貰った情報をもとに「キャンサーを利用しているのがまだ存在する」と判断したことからそれは間違いではないのかと
しかしそれは果たして人類の手に負えるものなのでしょうか
パンドラの箱や聖櫃は開けないからこそ意味のあるもの
このまま欲を出さずに人類の生存権を取り戻す戦いに終始するのか
それともキャンサーさえも利用し人類の新たな生存圏を増やすために人の道を外れるのか
そしてそれを行った時、果たして人類は人類のままでいられるのか、それはまだ分かりません

丸ちゃんのお話はこの分水嶺だったのかも知れません
欲のために人間性を捨てた研究者達、利用されるキャンサーに対して憐れみを抱いた丸ちゃん
今や彼女達の方が人らしいと思うのは俺だけでしょうか
真実を知ったからこそあるいはそう見えるのかもしれませんが

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