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その先に見えるもの

私の頭の中に、アーノルド・ベックリンの『死の島』という名の絵とともに、マーラーの第5番の第4楽章アダージエットの音楽が、時々、流れることがあります。

上記の演奏の、指揮者のカラヤンさんが、もう弱っていらっしゃる頃、そして、運転手がイタリア人のお医者様だった頃、ウィーンで、その演奏を聞いたことがあります。美意識が素晴らしかったので、颯爽としたおしゃれなおじいちゃまを想像していた私は、弱々しくなっている姿を見て、少し悲しくなりました。が、その音楽は、深く素晴らしいものでした。

人は、生まれたその日から、死、というよりは、あちらの世界に向かっていきます。身体は弱っていきますが、亡くなるその時まで、魂は成熟していくものだと思っています。

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