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ガンブレードに釣られてFF14をプレーしてみたら、そのガンブレードが革命児だった話。

皆さんこんにちは。

僕がファイナルファンタジー14(FF14)を始めてからそろそろ一年が経とうとしています。ファイナルファンタジーは国産RPGの代表的シリーズであり、その14番目のナンバリング作品です。MMORPG、すなわち大規模多人数同時参加型オンラインRPGとして提供されているのが大きな特徴です。オンラインゲームというやつです。

オンラインゲームって難しそうですよね。僕はアラサーなのですが、このFF14をやるまでにまともにオンラインゲームをやったことがありませんでした。子供の頃は自力でネット環境を構築することは難しく、気になるタイトルが月額課金制だったりして敷居が高いものでした。成長してからも、小さいころに植え付けてしまった「オンラインゲームは敷居が高い」というイメージが抜けませんでした。

僕はそういう男だったのですが、去年の5月から月額課金制オンラインゲーム・FF14をほぼ毎日プレーしています。なぜならガンブレードがカッコイイからです。

2019年夏に、ガンブレードをふるって戦うジョブが実装される。その噂を聞きつけて僕はFF14の世界、エオルゼアに降り立ちました。自分の癖(へき)や業(カルマ)をブチ込んだキャラクターをメイクして、ガンブレードを片手にファイナルファンタジーの世界を冒険する。それだけをモチベーションに、オンラインゲームの扉を叩きました。

FF14は遊んでみたら面白かったです。でも実際のところ、FF14というゲームは、誰にも頼らずにプレーするには難しいゲームだと僕は今も感じています。ゲーム内にしろ、SNS上にしろ、リアル知人にしろ、気軽に質問できる関係がないとキツいシーンけっこうあるな、と。ゲームにアクセスした最序盤のスクリーンショット(SS)を探してきたのですが、

迎えてくれたのが「とても面白いオンラインゲーム」という風聞からは想像もつかないほどのクソUIだったんですね。上記の画像では、
 ・ミニマップがデカすぎてTo Doリストが読めなくなっている
 ・スキルアイコンがデカすぎて邪魔。自分キャラがよく見えない
 ・情報源たるチャットログは逆に小さすぎる
などなど、ゲーマー的に文句を言いたくなるポイントが結構あります。
実は、FF14では画面に表示されるゲージやウィンドウといったものは余すことなくサイズと配置を自由に変えることができるんですね。自分だけの最強レイアウトを作れるわけです。しかし、その変更方法のチュートリアルはない。敵から得られる経験値や報酬について学んでる場合じゃないんだよ。まずは快適にゲームをさせろ……。初日はクエストとか進めずに画面レイアウトを見やすく調整することに終始しました。でも諦めませんでした。なぜならガンブレードがカッコイイからです。

閑話休題。僕の場合、ゲーム序盤は内容以前に操作方法や画面情報の見づらさで困惑することが多かったです。いまだに別の味方チームの人を回復する方法わからないし。でも今日まで続けることができました。なぜならガンブレードがカッコイイからです。

この記事は「オンラインゲームで出会えた仲間!オンラインゲームで生まれる絆!ありがとう!」って感じの内容ではないです。いや、僕はフリーカンパニー(FC)というゲーム内のプレーヤーコミュニティ加入して他プレーヤーとの交流も行ってて、それはもちろん楽しいし感謝しているけれど、記事の趣旨ではないんです(FCメンバーの皆さんすみません。いつもお世話になってます)。

そんなわけで、ガンブレードに釣られてFF14をプレーしたわけなんですが、この「FF14のガンブレード」が実はガンブレード界の革命児なんじゃないかと思えるやつだったんですね。果てしなく個人的な話なんですが、実は僕とファイナルファンタジーの関係を語るにあたってガンブレードとは必須の要素なんです。ちょうどFF14デビューから1年の節目なのと、ゴールデンウイークで微妙に暇だったので、いつもと違うことをしようと思って文章を書き起こすことになりました。

※FF14のガンブレードにまつわる作中設定に触れています。いちおうネタバレということになりますのでご注意ください。

そもそもガンブレードってなに

本稿で扱うそれは、「ガンブレード FF8」で画像検索をすれば一発で解決しますが、以下のように

「刀剣のグリップとその周辺が銃の意匠になっている架空の武器」のことを指します。これはFF14で僕がよく使ってるガンブレードのSSです。回転式けん銃の如きシリンダーが生み出すメカ感と、刀身の織り成す美しいシルエットがたまりませんね。つまり、カッコイイのです。

銃と剣の機能やデザインを組み合わせたガジェットは現実世界やフィクションを問わず試行錯誤されています。ことフィクションの括りにおいて、エポックメーキングだったのはやはりファイナルファンタジー8(FF8)のガンブレードでしょう。べつに何の裏もとってないですが、ガンブレードといったら「ファイナルファンタジーのやつ」みたいな風潮ありませんか?

ファイナルファンタジー8というゲームは、僕が初めてプレーしたFFシリーズ作品ではありません。しかし、初めて自分の小遣いで買ったFFシリーズ作品です。なぜならガンブレードがカッコイイからです。
主人公のライバル・サイファーが映画のヒーローが使っていたガンブレードに憧れたように、僕もスコールがガンブレードを担ぐ姿に憧れてFF8を買ったのでした。なので思い入れがあります。

しかしながら、少なくとも僕が買って遊んできたゲームのなかでガンブレードを振るうキャラクターがメインになるものってFF8以降あんまりなかったんですよね。だから「FF14は自分の操作キャラクターがガンブレードを使える」というのは、それだけでもう、僕にとって福音なのでした。

まぁでも、ガンブレードをメインに据えた作品が出にくい理由も解る気がします。クリエイター側からしたら、おそらく「扱いに困る問題児」であろうので……。

ガンブレードのリアリティ

無いんですよね、リアリティ。欠片もない。

ガンブレードの代名詞みたいな顔をしているFF8式ガンブレードですが、作中設定からしてツッコミどころ満載の謎ウェポンと化しています。

FF8式ガンブレードはセールスポイントが最大のツッコミどころでもある逸材なのです。このガンブレードは手元のシリンダーに弾がセットされた状態で引き金を引くと、弾が発射されて刀身に激突。その振動で斬撃の威力が増加する素敵な剣、みたいな感じだったと思います
振動剣や高周波ブレードと呼ばれる、「振動を刀身に与えて威力を上げる」いったアイディアはFF8に限らずよくあるものなのですが、FF8式ガンブレードは設計思想がヤバいです。弾が発射されて剣が振動する時間なんてたかがしれてますし、斬撃の瞬間なんてもっとも負荷のかかるタイミングで引き金をひこうとしたらおそらく指が折れます。
そもそも「引き金を引いて弾を発射する」という銃の機構が打撃武器に向いていない。銃は銃なのでそれで物や敵を殴ったら故障の原因になるでしょう……。

そのカッコイイ見た目に反して、その使用方法を想像すればするほど、説明されればされるほど、「誰が使うんだよこんな武器!」と叫ばずにはいられません。
銃の機構やメリットを求めれば求めるほど剣が邪魔になり、剣の機能やメリットを求めれば求めるほど銃が邪魔になる。なんで作ったんだろうこんな武器。その方がカッコイイからなのでしょうが……。

スタッフもその辺は理解しているようで、FF8の作中では「ガンブレードはその扱いにくさから既に廃れてしまった武器」だと明言されています。「ガンブレードとか軍の訓練でしか使ったことないわ……」なんてセリフが出てきたりして、購入当時FF8をプレーしていた僕ですら「やっぱりそうだよな。ぜったい使いにくいよなコレ……」と納得していました。まぁカッコイイから良いんですけど。

「銃と剣をくっつけたら最強にカッコイイんじゃねーか?」というアホな発想。野村哲也氏の天才的なセンスでカタチにしたはいいものの、リアリティのある設定を付与するのは大変であっただろうと勝手に推測します。

FF8で鮮烈なデビューをしたガンブレード。しかし、そのあまりに尖った性質から本家FFシリーズですらフォロワーがあまり生まれませんでした。

FFシリーズ内でのガンブレード要素を思い返すと、

・FF7外伝作品にて、敵キャラが「ガンブレードみたいな見た目の銃」を使用している。あくまで銃であって剣ではない。
・FF13主人公のライトニングが剣モードと銃モードを切り替えできる変形武器「デュアルウェポン」を使っている。

これぐらいしか浮かばなかった。結局FF8式ガンブレードが出てこないんですよね。上記の2例は、斬撃の瞬間にトリガーを引くというFF8式ガンブレードの機能を捨てた“見た目が似ているまったく違う武器”なのでした。

そんなところに飛び込んできた「FF14にガンブレードだします。スコールが使ってた感じのやつだします」というニュース。これが、とんでもない奴だった……。

革命児、FF14式ガンブレード

この使いにくそうなデザイン!俺たちのガンブレードが帰ってきた!!
別にFF14やってないのに情報を仕入れた当時は「マジかよ!!!」と飛び跳ねて喜びました。デビューするな今しかない。そう決断してからは早かった。

実は、『ファイナルファンタジー14フリートライアル』というものが存在します。フリートライアル、つまり無料です。パッケージ料金も必要なければ、プレイ料金も必要ない。現在は複数のジョブやクラス、どれでもレベル35まで自由に遊べる。レベルが35に到達した後だって、プレイが遮断されてしまうことはない。
そんな素敵なサービスがあることを僕は知っていたけれど、フリートライアルのダウンロードはしませんでした。新生エオルゼアと蒼天編+紅蓮編がセットになった、当時のコンプリートパックをいきなり購入しました。もう一度、ガンブレードを片手に世界を救うために。僕は本気だった。あとセールやってて安かったし。

さて、ここから、FF14式ガンブレードの作中設定に触れていきます。ジョブクエストのネタバレを若干含みますのでご注意ください。

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いよいよ、このFF14式ガンブレードの何が凄いかという話です。それは、このFF14式ガンブレードに与えられた作中設定。すなわち「ガンブレードという言葉が成立した経緯」が凄いのです。

解説すると、

FF14世界における、太古の昔に存在した女王グンビルド。それを守る近衛兵たちは皆、特殊な剣を使用していました。その剣は、シリンダーに魔弾を装填し、トリガーを引くことで魔弾を炸裂させる機能を持っていました。魔弾の炸裂により、刀身を振動させて攻撃力を高めたり魔法のバリアを展開する攻防一体の武器だったのです。彼らの振るう武器はいつしか“グンビルドの剣”と呼ばれ、グンビルドのブレード→グンブレード→ガンブレードと時と共に訛り、短縮されて呼ばれるようになったのです!

という感じです。ガンブレードでありながら、別に「銃と剣をくっつけた」という解説がされていないんですね。しかも、このグンビルドの剣の歴史には続きがあって、

後の世に銃が発明された時、その形状はかつて女王グンビルドの守り手が振るっていたガンブレードに酷似していました。そのことから銃という発明品に「ガン」と名前が付けらたのです!

という衝撃の設定が開示されます。

めちゃくちゃ見た目がカッコイイが、「銃と剣をくっつける」というデザインコンセプトそのものがボトルネックなっていたガンブレード。それを「ガンブレードがあったから銃という発明が生まれた」という歴史を用意するパワープレイで解決していましました。

発想の転換。 そ の 手 が あ っ た か ! ! ! 
ガンブレードの設計がナンセンスなんじゃなくて、ガンブレードをパクった銃という武器こそが無粋とまで言ってしまうその神経の太さ。並大抵のものじゃないですよ!俺の負けだ……。

そんなわけで、銃の呪縛を解いたFF14式ガンブレード。その結果、

銃のエッセンスが皆無なやつがガンブレードとしてお出しされてるんですよね。かつてないほどの開き直りを感じる。いや、それもうガンブレードじゃなくてただの変な形の剣じゃん!?と思わなくもないですが、もういいんだ。FF14式ガンブレードは新世界を切り開いた。お前が元気なら、それでいい。

そんなこんなでガンブレード片手に駆け抜けたFF14の世界。なかなか楽しいです。なぜならガンブレードはカッコイイからです。ストーリーを進めていても「凄腕のガンブレード使い」としてNPCがむやみやたらと僕のことを褒めてくれます。すこぶる気分が良い。他のプレーヤーとレイドに参加したり、宝探ししたり、ファンションショーやったり。一年たって、けっこう愛着がわいてきたなぁ、と思ってたりします。いつも遊んでくれる皆さん、ありがとうございます。

愛着がわいてきたところで、同時に欲も出てきました。じつは、僕はガンブレード以外にも大好きな武器があるんですね。ガンブレードは架空のものなのでゲームでしか触れることができません。しかし、こちらは違います。実在します。僕の人生においては、けっこう長い付き合いです。せっかくだから、ガンブレードだけじゃなくてコイツとも一緒にFF14を冒険してみたいと思い始めたのです。
それは……

刀です。

休みの日にお父さんがDIYに勤しむ様子を「日曜大工」なんて呼ぶことがあります。その理論でいうと僕は「日曜剣術士」でしょうか。まぁ実際の僕はお父さんではないし、稽古日は土曜日なんですけど。剣道にはじまり、合気道、居合術……と現代人にしては剣技に触れていた時間が長いのが僕という人間です。
ところで、この刀という武器もゲームにおいては付き合いがちょっと難しいやつだったります。攻撃力はあるけど耐久性に難がある、みたいなピーキーな性能になってることが多くてモヤモヤします。確かに細身の刃物に見えるかもしれないけど、だからって極端に脆いわけじゃないのに……みたいな。

と、何が言いたいのかというと

侍を始めました、最近。ファイナルファンタジー14の世界を侍で冒険しようと。ゲーム内での僕をご存じならわかると思うんですけど、ガンブレイカー以外のレベル上げしてなかったんですよね。なぜならガンブレードがカッコイイからです。ぶっちゃけ他のジョブに興味がなかった。

リアル世界でガンブレードの修行をしたいなんて願いは叶いません。リアルでは無理なことでも、ゲームなら実現できる。それは勿論ゲームやバーチャルな世界のメリットではありますが、その逆もまた然り。ふと、あっちの世界でも、カッコイイ侍を目指してみたくなったのです。

お読みいただきありがとうございました。この記事はここでおしまいです。

さて、今日はエオルゼアで何をしようか……。

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