『時実新子全句集』を1年分ずつ読むnote #39

コイビトに戻る病み呆けた夫
たんねんに顔から焼いていくお前
さっきからトンボの羽根を嚙んでいる
まっくらというのは春の部屋のこと
人間とおなじ匂いで死ぬいちご
邪魔だなあ緑の羽根も恋人も
春沈思子宮のような貌になる
しっかりほめてもらった小さい小さい足

『時実新子1955〜1998全句集』より

1993年、新子64歳の句から8句引用しました。

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