「月報こんとん」１月号
作品
松尾優汰「蒙霧升降」
霧の中にいるみたいだ。霧が見えないだけでね。自分以外の人がどんな風に眺めたかはわかるよ。
――ウンベルト・エーコ『女王ロアーナ、神秘の炎』
裏声で校歌斉唱 持久走の拍手
とかいって著者近影ではかっこつけちゃって
けけけと笑ったあなたも笑った
ざァんねんここからも学級会でしたァ
グループをつくれなかった季語が来る
O型だから輸血できるよ
肋骨を調弦されてミはミんなのミ
お葬式のにおいじゃなくてお花だヨ
光にはなれなくて、点滅がやっとで、うれしかった
なりたかったひとの蓄光塗料缶
二三川練「闘争本能」
侘び寂びのない強盗だった
頭蓋骨めくれば政治家の子ども
ペットです組体操もさせてます
間に合えばコーレーグスの発情期
逆立ちをする爪切りばかり
次は新橋次は新橋その人質を放しなさい
ギャル文字のラップバトルが止まらない
（燦々と）山口県の（抑揚を）
星型の惑星ひとつつまみだす
着ぐるみの外は白目の白昼夢
暮田真名「ＧＡＭＥ」
ハコモノにならないでいるあいだだけ
球場にラメがたくさん入ってる
ストロングポイントなべて葱畑
法律で氷菓子までたどりつく
打ち水の嘘いつわりのない額
ほとぼりという名前のお皿
ああたらちねの表情管理
トゥエンティー・とばくを・セブン・やめないで・クラブ
香炉峰からイニシャルトーク
理想郷まで語い力がついてくる
ネットプリント印刷番号
セブンイレブン
【28731468】
2月2日23時59分まで
その他コンビニ
【356HUK4ND8】
2月3日18時頃まで
いただいたサポートは「川柳句会こんとん」の運営に使わせていただきます。