「月報こんとん」８月号
作品
松尾優汰「笑う逃亡者」
良心の呵責から降るロリポップ
きみの悪意に八月が千個ある
ではないひとの悲鳴のさなかSuicaをかざす
警ら隊につづいて笛を吹いている
ぼくのせいですが袋からあふれそうだ
「あやまちばかりでした」と蓄音機がとまる
嬉しいぼくも楽しいぼくも大嫌い
わたしの傷口からあふれだす写真
ぼくの感嘆符はだれにもわたさない
二三川練「地動説」
残飯と交尾している西新井
森ビルに愛の三つ子を置いていく
終戦の忌にも振替休日を
福岡は貨幣を使わない馬術
幼少期からめんつゆの仇です
同情の余地なしビーフストロガノフ
愛媛には男兄弟しかいない
引っ越しの手土産が地動説なんて
ハプニングバーの双子の妹です
姥捨はQuizKnockの思う壺
暮田真名「音を上げるまで」
手心をくわえて籍を入れてみる
おうちサイズの火種が好きで
遠すぎて終末時計がほしいのね
心臓がカメオ出演したみたい
音を上げるまで海賊を袋とじ
人生のゴールテープを悪用す
そこらじゅう額の汗でつまらない
馬主を馬は避けては通れない
おなかから道にお金がはみ出てる
洗脳の甲斐あってまだあたたかい
ネプリ印刷番号
ファミマなど
【356HUK4ND8】
9月10日9時頃まで
セブンイレブン
【67704545】
9月9日23時59分まで
いただいたサポートは「川柳句会こんとん」の運営に使わせていただきます。