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「現代川柳ことはじめ」3月の振り返り

ミニ講義 「川柳の連作、川柳の句会」

背景

高円寺パンディットで行われた我妻俊樹さん、平岡直子さんとのトークイベントや、「おかじょうき」4月号誌上句会の選を通して、「川柳の連作」と「川柳の句会」を並べて喋ってみたらおもしろいかもしれないという思いつきが生まれた。

たくさんの句の中から自分が良いと思うものを選び、いいかんじに並べるという選者制の句会で選者が行う作業は、川柳が「連作」に接近するシーンの一つなのではないか。

これまでに語られたことのないルートから、つまり石田柊馬「もなか」(一つの単語をすべての句に入れる)や時実新子(テーマ詠)とは違うやり方で、川柳の連作について考えてみたいと思った。

ワーク

わたしの未発表20句のなかから10句を選び、並べ替え、連作タイトルをつけるというワークをしてもらった。

わたしが作った連作は「月報こんとん23年12月分」で発表した。

やってみてわかったこと

受講生の方から「川柳の連作と、川柳の句会は文字情報の有無という違いがある」という指摘を受け、それはそうだ、と思った。また、「句を続けて読むことで溜まっていくものがある」という意見は示唆的だった。

この講座のあと、スケザネさんとのトークイベント「川柳バズらせナイト」で再び選者をした。そのときに思ったのは、句になにが書いてあるかわかれば選をしたり、並べたりできるということ。一方、わたしはなにが書いてあるか自分ではわからない川柳を作りたいと思っている。なにが書いてあるかわからないまま句を並べるにはどうしたらいいか。

千葉雅也『センスの哲学』は、まだ途中までしか読めていないが、連作論だと思った。この本をヒントに川柳の連作について考える回を設けてみたい。

「現代川柳ことはじめ」

場所:NHK文化センター青山教室/オンライン
日時:毎月第四火曜日19〜21時
料金:1回あたり4,004円/3,850円

次回予告

4月期の1回目。川柳のパブリックイメージに触れつつ、現代川柳について考えるために、淀川テクニック『コラージュ川柳』を読む。

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