『時実新子全句集』を1年分ずつ読むnote #36

誰もいない海マンボウが生きている
きのう女であった記憶のあいまいさ
遠い遠い薄荷を取りに行っている
やわらかいサインを出してみなごろし
天国はひどいところよ行かないで
ラの音を探しつづけて日が暮れる
せんべいのようにやさしさ減っていく
おかげさまで私と私めしを食う

『時実新子1955〜1998全句集』より

1990年、新子61歳の句から8句引用しました。

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