マガジンのカバー画像

連載短編小説「逆再生」

9
2008年、初期衝動にまかせて人生ではじめて書いた小説です。
運営しているクリエイター

2023年11月の記事一覧

【連載小説】「逆再生」 第6話

9月4日 16時25分  坂巻佑子  消毒液の匂いが空気に充満していた。朝にしてはずいぶん薄暗…

【連載小説】「逆再生」 第5話

 あの後、佑ちゃんの足の傷が突然直ったことについては、結局何も聞き出すことはできませんで…

【連載小説】「逆再生」 第4話

9月4日 19時42分  坂巻佑子   玄関のドアを開けると、魚の焼ける匂いがした。母が夕食の準…

【連載小説】「逆再生」 第3話

9月4日 07時45分  小川直美  太陽の見えない朝でした。  車内アナウンスの声は、一定時間…

【連載小説】「逆再生」 第2話

9月5日 17時37分  坂巻佑子 一陣の強い風が、鉄骨の隙間を抜けた。 風は生温く、錆びた鉄の…

【連載小説】「逆再生」 第1話

彼女は停止した。 黒々とした深い沼のような眼球を大きく見開いたまま、虚空を見つめている。 …

【連載小説】逆再生 はじめに

突然ですが、私の今につながるオリジナル作品の原点となる、個人サイト時代に掲載していた、人生で初めて書いた小説を公開します。 この小説は、2008年当時、ホラーゲームの二次創作サイトをやっていた私が漠然とオリジナルの何かを作って発信したいという欲求と焦りから、描き始めた漫画のネームを途中で挫折して(長すぎて描ける気がしなくなった)、「小説という形ならこの長さもいけるのでは?」と思い立ち、人生で初めて書いた小説です。 そして、この小説の公開少し前に立ち上げていたオリジナルの個人