地域の拠点の構築のこと

イジメへの対応として、まず、イジメが起きにくい環境をつくること、すなわち。

各種学校行事、各種集会といった、生徒が集団で行動する機会を減らすこと、生徒が集まる場合は整列はさせない、誰かと組んで行動をするにしても相性で分けること。

生徒を頻繁にクラス替え、席替えをすること。給食当番、掃除当番も相性で分けていくこと。

生徒に様々なストレスを与えない。ルールやタスク、校則や宿題といった、管理や作業を減らし、あるいは無くすこと。体罰、校則、怒鳴る指導を否定すること。

こうしたことでまず、イジメが起きにくい環境をつくるべきです。

そのうえで、イジメが起きていないかどうか、を平素から観察すること。それは嫌悪や侮蔑の所作、ですね。そして、それに対し、日頃から、生徒に啓発をしていくこと。「こうしたことがあれば、イジメとみなします」と。

それでなお、イジメがあれば、初期の兆候で逐一、はいること。生徒をクラス替え、席替えをすること。他の生徒の協力を得て、仲裁させること。

学校の内外で両者を一緒にさせない。登下校、帰宅後、休日、両者が遭遇しないよう、生活圏が近い生徒をも相性で分けていく、こうしたことを提唱します。

「重大事態」へと発展してから、イジメであると認定し、動くのではなく、イジメが起きにくい環境を構築しつつ、イジメの兆候ですぐに入る。そうやって、加害者と被害者をそもそもつくらない、あっても、初期の段階ですぐに対処することが基本でしょう。

イジメというのは、学校のなかで同年度の生徒の間で起きるものばかりではありません。地域で同じ学校の他の学年、あるいは地域で隣の校区の学校の生徒から、あるいはそれらの組み合わせ、地域で同じ学校と他校の生徒らが結託したもの、と内容は様々です。

このため、イジメへの対処は校区の垣根を越えた情報の共有と連携が必要になります。ここでも、時に校区を越えて、「生徒を相性で分ける」「大人が平素から観察し、兆候があれば、即座に介入する」「他の生徒の協力によって仲裁してもらう」といった対応が求められるでしょう。

それと併せて、要望したいのは地域に居場所をつくることです。公園だけでは不十分です。北海道、旭川、廣瀬爽彩(ひろせさあや)さんの件がそのパターンでした。公園で1人でいるところを他の児童の群れと遭遇し、やがて、深刻なイジメへと発展していきました。

子供達の生活圏、小学校1,2年の児童でも気軽にいける範囲に子供達の居場所を設けるべきでしょう。(そして、そのために公費を使うべきです)

例えば、空き家を改装して、ソロバン教室みたく、椅子と机を置く。そこは子供にとって、勉強の場所であり、雑談の場所であり、雨の日に過ごす場所であるのだと。

これが地域によっては年長者、成人、中高年の人々の居場所、雑談の場所であっても構わないでしょう。

地域のファミレスがその役割を果たしてきたのでしょうが、お金をかけずとも、大人も子供も集える場所を提供されるべきであると。そして、そこには管理の職員を配置すべきでしょう。こうした居場所が地域にあれば、旭川の不幸な出来事は回避できたでしょう。

もちろん、学校での同学年、同じクラスでのイジメがあり、また当事者達が生活圏も同じであれば、学校の外、地域でもイジメが発生することになりますから、やはり、他の生徒の協力のもと、当事者を一緒にさせない、遭遇させない、そして、そのための地域の拠点の構築が必要なのです

それでも、危害の兆候があれば、危害が発生すれば、ただちに、当該生徒を遠方に分けてしまうべきです。そのために、各校区内に寮を設けることです。そのうえで、加害側、被害側を当該地から異なる場所へ分けてしまう。

そのうえで、加害側、被害側、双方の家庭のことを丁寧に聞き取るべきでしょう。深刻な加害性を現わす生徒はそもそも家庭のこと、親子の関係に難がある、そうした生徒ばかりですから。

仮にイジメという形はとらずとも、万引きや器物の破壊、違法薬物といった他の種類の問題行動を、また、将来はDVや虐待、傷害事件など何かしら、他害行為を行う展開も想像されますので。

こうした弊害を少しでも緩和するのは平素からの観察と対話です。親との愛着の形成が十分ではない。そうした子供達と理解ある大人との対話が子供の心に平衡をもたらし、歪みを是正していくし、それがひいてはイジメを起きにくくするのだと。

また、家庭、親とも対話を重ねます。夫婦の関係はどうか、子供との接し方はどうか。自分の普段の対応が子供にとって、弊害になっている、そうした自覚がない方もいます。

長年、一緒に暮らしていても、妻の気持ちがわからない夫、子供の気持ちがわからない親もいます。愛情とは相手を知る事なのだと。そのあたり、説いていく役割、第三者が介在すべき場面は少なくないはずです。

現行の制度はイジメが発生してからの対処に焦点が当てられています。それも、当然、必要ですが、そうなる前の背景に踏み込んだ対応も求められるでしょう。そして、そのための、組織、人員、予算、ノウハウも確保せねば。

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