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ネットサービスと高齢夫婦の引っ越し準備

こんにちは。身近な数字のアドバイザーのナカナカです。
今回は数字にまつわる話題はお休みし、高齢夫婦の引っ越しまでのあれこれについてのお話です。

私たち70代の夫婦は、今年の夏、半世紀近く住み慣れた関西をはなれ、東京都の郊外に住まいを移しました。

転居を決断した事情と高齢期の住まいをどのように選択したかは、後日お話させていただくとして、今回は高齢者が家財を処分する際に、何が負担だったのか、どのようなサービスが役にたったのか、実体験を中心にお話したいと思います。

最も時間がかかったのはアルバムに貼られた写真の整理です。長年住み慣れた兵庫県の自宅には、親子4人と愛犬との楽しい思い出が写真としてたっぷり残されていました。出産、入園、入学など、イベントごとに写真を現像する時代でしたので、子ども一人につき10冊ほどのアルバムが出てきました。さらに15年あまり同居した義母も先祖からの写真を持ち込んでいましたので、アルバムだけで合計40冊ほど、並べれば壁一面が埋まるほどの圧迫感です。

これからの暮らしは極力シンプルにしたい、というのが70代夫婦の希望です。必要な写真だけを選んでアルバムからはがし、透明の容器に納めてみると、わずかな空間に収まる量になりました。大変なのは堅くて重いアルバムの解体です。金属のリングやビスは不燃ゴミ、台紙は可燃ゴミと分別する作業と、ゴミ集積場まで持って行く作業はかなり負担でした。

ここからは、インターネット上のサービスを利用して負担を軽くした体験です。

どのように処分したら良いか悩んでいた使用済みのパソコン数台は、国が指定した業者にデータ消去(有料)も含めて処分を依頼しました。消去証明書を発行してくれることと、ダンボールにパソコンを入れておけば宅配業者が取りに来てくれる利便性が業者選びのポイントでした。

次に本の処分です。最近は目が疲れて読書から遠ざかっていたつもりですが、仕事のために買った専門書を含めるとかなりの数です。古紙回収に出すには惜しいし、古書店まで持ってゆくには重すぎるし、悩ましいところでしたが、こちらもネット上の古本買い取りサービスで解決しました。会員登録をして集荷依頼をかけるだけ、スマホでさくさくとことが運びます。ダンボール1個につき500円の送料を負担すれば玄関先まで集荷に来てくれて、高齢者には大助かりです。買取額決定後は、明細をネット上で確認できますので、どの本がいくらと評価されたのか、古本の価値も分かります。

終活を見据えた引っ越し準備の大詰めは、家具の処分です。二人の子どもはそれぞれ家庭を築いていますし、義母は他界しました。家族が家を出たそれぞれのタイミングで不用品を処分してきたつもりでしたが、椅子や机、本棚などはそのまま残り、高齢期の新しい住まいには入り切らない物があふれています。

それぞれの家具は状態も良いと思えたので、リサイクルショップに相談したところ、5年以上使用した家具は一切引き取らないとのことでした。廃棄処分もやむなしと諦めて、市の業務を請け負っている処分業者に見積もりを依頼すると、家具の処分だけで40万円という金額に夫婦は顔を見合わせました。

まだ使える家具を廃棄する罪悪感と、家具が資産ではなく負債であると思い知らされた現実を受け止め、次に私が取った行動は、インターネット上のフリーマーケットに掲載することでした。負債を無くすのが目的ですから、地元の掲示板には「引っ越しのため、無料で差し上げます」という言葉を添えて家具の写真をアップしました。

驚いたのは、写真が掲載された直後からエントリーのメールが入り、次々に家具の引き取り先が決まったことです。メールのやりとりはハンドルネームで詳細は分からないのですが、引き取りに来た人の多くは若い世代でした。一様に礼儀正しく謝意を表してくれたので、私達も気持ちよく家財とお別れすることができた上、40万円と見積もられた処分費用は、7万円に減額できました。

インターネット上のサービスをうまく利用することができれば、高齢者もあまり体力や費用をかけずに物を処分できる時代になったことを今回はしみじみと感じました。子ども世代が実家の片付けに時間と費用を費やすことがないよう、転居後は夫婦でシンプルな暮らしを心掛けています。

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