温室効果ガスを吸収できるって!?

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                    2021/03/26 第615号
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【 温室効果ガスを吸収できるって!? 】

こんにちは。住環境アドバイザーのMadayoです。

今まで、温室効果ガスの排出増加を止めることばかりに目を向けて情報収集を行ってきましたが、そうは言っても、今までにこの地球上には410ppmもの温室効果ガスがすでに溜まってしまっていますので、本来あるべき280ppmまで減らすことがもっと大事なんだということを失念しておりました(あくまでも個人的に)。280ppmとは、産業革命以前の温室効果ガスの濃度です。

ほぼ毎回日経電子版の記事を引用して恐縮ですが、2021年1月31日の記事に空中に漂う炭酸ガスを吸着する技術について紹介されていました。石炭火力発電所の廃止や再生可能エネルギーの導入といった経済活動に制約を与えることなく、大気中の温暖化ガスの濃度だけを減らす夢の技術です。かと言って、化石燃料をエネルギーとして使い続けることを肯定するつもりはありません。

その技術とは、直接炭酸ガス(CO2)を空気中から回収する「ダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)」と呼ばれています。アミンという化合物を使った材料で、アミンとはアンモニアの仲間で、もともとCO2を吸収する能力があるのですが、水分も取り込むという課題があり、CO2を吸収した後、セ氏100度超にするとCO2を放出し回収することができたようです。

現状の回収コストは高く実用化の道のりは険しいのですが、2050年に温暖化ガス排出量を実質ゼロにする脱炭素の救世主になる可能性を秘めています。

そのコストは1トン当たりの回収費を600ドル(約6万2千円)と見積もっています。100ドル(約1万400円)以下になれば実用化も視野に入るとのこと。DACのコストが1トン当たり100ドル程度になれば、日本が毎年排出するCO2の1割にあたる1億トンを1兆円で減らせます。太陽光発電などの再生可能エネルギーの買い取りにかかる賦課金が3兆円規模だと考えると、DACは魅力的なオプションになると試算しています。

とはいえ、過去この地球に溜め込んだ410ppmものCO2を280ppmまで減らすとなれば、この技術では莫大な費用と時間を要することになります。もっと効率的な回収技術が望まれることと、私たちが温室効果ガスの排出を1日でも早く止めることが必要であることは言うまでもありません。そう言いながらも、自分は毎日火力で発電された電気を使い、そしてほぼ毎日ガソリン車を走らせているのです。残念ながら選択の余地なしです。矛盾。
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