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実家売却~片付け~

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                    2021/01/08 第604号
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【 実家売却~片付け~ 】

こんにちは。消費生活のウソ・ホントを考えるアドバイザーのゆうりんです。

実家売却までの道のり。今回は「片付け」です。

売却活動と平行して家の中の片付けをぼちぼちやっていましたが、見学希望者が現れたと聞き、のんびりムードが吹き飛びます。見学日までにすべての荷物を片付けることはとてもできません。せめて「見えるところだけでもすっきりさせよう」と急ピッチで片付け作業を進めました。

最後は「とりあえず押し入れに隠せ」作戦で何とか見学者を迎え、ほっとするも「すぐに購入したい」と言われ焦ります。物はまだ山ほどあります。これをすべて処分するのかと思うと気が遠くなりました。最終的には業者にお願いするつもりでしたが、まずは何があるかをチェックしなければいけません。姉と二人で日程を合わせてせっせと実家に通いました。

我が家は付き合いの多い家だったこともあり、贈答品が山のようにありました。特に内祝いの品。中には包装されたまましまっているものまであったのです。一つ一つ取り出して中身を確認します。すると時代が見えてきました。

たとえばホーロー鍋セット。流行った時期がありました。並べてみるとデザインの変遷に気づきます。定番の花柄からシックな一色使いに変わり、そのうちガラスは重いと敬遠されたのか、ステンレスのふたになっていきます。

続いて出てきたのが毛布や布団。素材も作りも良くて暖かそうなものばかりですが、かさ高く、今のコンパクトな新素材のものに比べると場所も取るしメンテナンスも大変そうです。

そして定番の陶器類。お皿、器、茶器セットとこれまた大量です。時代ごとの内祝い定番商品が終わると、今度は多種多様なものが出てきました。カタログギフトが登場したようです。

気づくと部屋は物の山。ここで現実に引き戻されました。ゆっくり見ている場合ではありません。まずはいるものといらないものに仕分けます。断捨離中の身なので、よほどほしいものでない限り持ち帰らないと決めていました。姉も同じで、結果、ほとんどがいらないものになりました。すべて捨てるのは気が引けるので、売れそうなものは近所のリサイクルショップに持っていくことにしました。

商品の査定からは今が見えます。高級クリスタルのグラスは買い取り額が200円。査定額を聞いて耳を疑いました。このリサイクルショップには高級品がたくさん持ち込まれるそうですが、ほとんど売れないのだとか。ネットでのマニア相手なら別ですが、店舗では日用品が人気なのです。「タオルなら高く買い取れますよ」と店主。まさかタオルとは。一枚も持って行っていませんでした。

素材やデザインの変わった花瓶もたくさん持ち込みましたが、全く値段がつきません。大きな九谷焼の花瓶がやっと200円。今は花を生ける人が減っているのだそうです。需要がなければ価格は当然下がります。花を買う余裕に愛でる余裕。コロナ前ながら、日々の生活にゆとりがなくなっているようでした。

頻繁に持っていったので「まだたくさんあるようなら、ご自宅に伺いますよ」と言われ、最後は家に来てもらいました。ちなみに一度、他のリサイクルショップに持ち込んだことがありましたが、値付けも悪く、説明もいい加減で、値段がつかないものは処分費用を請求されました。取引する店はよく吟味する必要があります。

ちなみに掛け軸や着物などは専門店に持ち込む方が値段がつきます。お店によって得意分野が異なるので、納得いかない査定をされたら持ち帰り、取引先を変えるということも大事です。

処分するものの中で自宅で捨てられるものは車に詰め込んで持ち帰りました。どうせ業者に頼むなら、少々処分しても意味がないんじゃないかと思いながら持ち帰っていたのですが、実はそのちょっとした努力が査定額を変えるということを知りました。最終的にずいぶん安くなったからです。運びやすいよう一か所にまとめておくだけでも作業時間が短縮でき、金額は下がります。自分たちでできることはやっておくことを勧めます。

すべての品をチェックし、やれる範囲の片付けを終えたら業者選びです。ネットで調べると、地域の片付け業者はたくさんありすぎて絞り込むのも大変でした。そこで不動産会社に取引業者を紹介してもらうことにしました。2社をピックアップしてもらい、そこに自ら選んだ1社を加え、3社に見積りを依頼。日程と金額で1社に決めました。

不動産が動く春は引っ越しシーズンです。片付け業者は引っ越し事業も兼ねているところが多いため、日程を確保するのが大変でした。うちは物件の引き渡し日が4月に入ってからだったので何とか希望日に来てもらえましたが、3月末に引き渡す場合は業者探しに苦労するかもしれません。

実家の片付けは想像以上に大変です。けれど貴重な時間でもありました。残された物と格闘した日々は、両親との思い出を旅する日々でもあったからです。この時間を積み重ねたことで、生まれ育った家と笑ってさよならすることができたのだと思います。
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