見出し画像

近い将来 寿司が食べられなくなるって、本当?

こんにちは。住環境アドバイザーのMadayoです。

イカやアナゴなどすしネタの定番とされる魚介類が深刻な不漁に陥っています。背景にあるのが、世界的な乱獲です。気候変動に伴う海水温の上昇も重なり、海洋水産物の3割超が将来、海から姿を消す可能性があるとの調査結果があります。

漁業・養殖業生産統計(農林水産省)によると、公海上などでの遠洋漁業を含め、2020年に国内で水揚げされた海洋水産物の総漁獲量(養殖を除く)はピークだった1984年の3分の1以下に落ち込みました。例えば、イカ類の年間漁獲量は2020年で8万2000トン。84年から84%減りました。ウニ72%減、マアジ28%減、タコ24%減など。人気のすしネタの漁獲量は84年比でいずれも過去最低水準。95年から統計を取り始めたアナゴは79%減です。

要因は海水温の変動や繁殖周期など様々ですが、特に懸念されるのが乱獲です。近年は中国などの大型漁船が日本近海で操業するケースが目立ち、資源減少の一因となっています。

国連食糧農業機関(FAO)によると、世界の海で持続可能な水準にある漁業資源は1990年に8割でしたが、2017年は66%に低下。残る34%は将来、乱獲のために海から姿を消す恐れがあるといわれています。さらにロシアのウクライナ侵攻による政府の経済制裁も食卓に影響する可能性があります。

一方、高級すしネタとして人気のクロマグロは乱獲の影響で減少していましたが、国際的な漁獲規制が導入されるようになって回復傾向に転じ、2022年から漁獲枠を15%増やすことが国際会議で合意されました。

しかし多くの魚種については、各国・地域の間で漁獲量を把握し、共有する仕組みは整っておりません。この状況が続けば、日本の食文化への影響は避けられません。漁業資源を守るためにも、目先の利益にとらわれず、世界が協調してルール作りに取り組むべきなのですが、当該国の思惑でルール作りに至らない現状にあるようです。

気候変動に伴う海水温の上昇も、すしネタの存続に関わる大きな問題です。昨秋、北海道沿岸で発生した、ウニやサケの大量死による漁業被害の原因とされるのは赤潮の大量発生で、海水温の低い北海道では初めてのことです。軍艦巻きに欠かせないノリの生産量は20年間で3割近く減りました。生育に適した低い海水温の期間が短くなったことに加え、赤潮の発生で栄養分が足りず色が薄くなっているとみられており、日本各地でこうした現象が起きています。

結局寿司の材料である魚もノリもこのままでは将来獲れなくなることが懸念されるので、食べられるのは今のうち?

参考資料
日経新聞2022年3月22日電子版

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?