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非薬物療法による認知症予防法

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                    2021/02/26 第611号
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【 非薬物療法による認知症予防法 】

こんにちは。くらし活き活きアドバイザーの晴兵衛です。

最近、人の名前が出てこないことが多くなりました。年齢と共に誰でも直面する傾向に、不安になる方も居られることでしょう。私もその一人です。
2025年には、認知症は65歳以上で5人に1人と言われています。単に恐れるのではなく、どう向き合っていけばよいのかと考えるようになりたいものです。

一昨年のある日、仕事上の付き合いから「認知症予防教室」を見学させてもらいました。それは、回想療法という非薬物療法によるものでした。回想療法とは、1960年代にアメリカの精神科医バトラー博士によって提唱されたもので、高齢者がブツブツと同じことを繰り返す「老人の繰り言」は否定的な行動として考えられていいたが、バトラー博士は「おしゃべりする事で、自分の人生を整理している」と捉えなおしました。このお喋りすることに価値を見出し、声に出して相手に語ることが精神的な安定をもたらすと考えたのです。
 これが出発点となり、認知症を予防又は回復させる回想療法が生まれました。自分の過去をしっかり思い起こし自分の人生を明確に振り返ることで自分の存在を取り戻そうというものです。特に、認知症に見られるADL(日常生活動作)の低下は、10~15歳ごろの記憶の喪失と非常に高い相関関係があることが学会で発表されています。つまり、ADL記憶は、10~15歳までに形成されると書かれています。もっと平たく言うと「子どもの頃の記憶を忘れてしまうと認知症になる」ということらしいです。

 私が見学させてもらった認知症予防教室では、グループによる回想カルタをしました。表に三角、丸、四角を組み合わせた図柄を書きます。そして裏には、お題が書かれています。
 心療回想士の講師が、札を読みます「ピンク色の四角の中に、黒色の三角!」これは直近の記憶です。その札を取った人が、裏に書いて有るお題を読みます。
「小学校に入学した時の担任の先生の名前は?」という具合に過去の記憶を尋ねます。ここから、参加者の会話が広がります。これは、回想法のほんの一例ですが、楽しく過去の映像を言葉に出して喋りあいます。

 これが嵩じて、自分が回想療法の本格的な勉強に嵌ってしまいました。
約一年掛けて、課題を提出しましたが、一番つらかったのは全100項目にわたるお題について、記憶を振り返る回想録の作成でした。どうしても思い出せない、書けないお題が幾つかあったからです。更に、同じ内容の回想録を他人と会話しながら作成しなければなりませんでした。これは、実際に回想療法をする上で必須項目です。
 
晴れて、回想療法士(一番初級)の資格は取得したものの、高齢者施設での講座や福祉センターでの教室は恐らく今年も難しいので、今のところ資格を活かせる場面が少ないです。

自分もいつか直面すると思いますので、子供の頃の記憶を引っ張り出して、カビが生えないように曝書しなければいけませんね。

 
【参考資料】
回想法と回想療法 ~おしゃべりを楽しむ回想療法で認知症予防~ 
 日本回想療法学会監修 小林幹児 著

NPO法人 認知症予防教室 一輪会監修・制作 回想かるた
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