Go To Travel キャンペーン
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2020/10/16 第592号
☆★☆ TIPS通信 ☆★☆
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【 Go To Travel キャンペーン 】
こんにちは。旅のアドバイザーのさくらです。
新型コロナウイルス感染症のために落ち込んだ旅行・観光需要を喚起する目的で、「Go To Travel キャンペーン」が2020年7月22日から始まっています。宿泊を伴う旅行および日帰り旅行代金の最大5割を国が補助する観光支援策です。10月1日からは、旅行代金の35%割引に加え、旅行先の登録加盟店で幅広く利用できる「地域共通クーポン」が15%分発行されます。
※文末に参考サイトとして記載している観光庁のURL
https://www.mlit.go.jp/kankocho/page01_000637.html から、「Go To トラベル事業の概要」というPDFを開いて、このメルマガを読み進めていただくと図解入りで分かり易いです。
例えば、1名1泊につき20,000円の旅行を申し込んだ場合は、7,000円の給付額となり、支払額は13,000円になります(35%割引)。そして、3,000円分(15%相当)の地域共通クーポンが付与されます。上限は1人1泊あたり2万円、日帰りの場合は1人1万円となっていますが、連泊や利用回数の制限はありませんので、5泊するとは最大10万円もお得になる計算です。
1泊の料金が高い旅館やホテルに宿泊したほうが、多くの給付を受けられるとあって、この機会に高いところに泊まろうと考える人が多いようです。そのため高い宿泊施設の予約は好調ですが、安いホテルや民宿などは予約ゼロのところもあるそうです。落ち込んだ旅行・観光需要を喚起するという本来の目的から考えると、高い宿泊施設ばかりが恩恵を受けること、給付があるとはいえ旅行代金の65%は自己負担のため、高い宿泊施設に泊まることができる富裕層の方が多くの恩恵を受ける制度設計には、疑問も感じます。
旅行者はキャンペーンに参加する旅行会社やオンライン予約サイト、宿泊事業者から申込むことができます。対象は国内旅行のみで、訪日外国人旅行者は対象外となっています。事前にクーポン等の取得の必要はありません。
各旅行会社がGo To トラベル クーポンが利用できるプランや宿泊施設の販売を行っています。宿泊先等によって、利用できる場合とできない場合があるようです。
9月にいくつかの宿泊予約サイトや、宿泊と交通機関等がセットになったプランを販売している旅行会社のサイトを確認してみました。
ある宿泊予約サイトは、日付や場所・予算などの条件を入力して検索した結果の一覧ページに、キャンペーン対象施設には「Go To トラベル対象」アイコンが表示されていました。対象施設を選んで予約すると、「支払情報入力画面」の最上部に「Go To トラベル クーポンの利用有無」欄が表示され「上記に同意して利用する」チェックがONになっていれば割引適用となりますという説明から、予約確定時に料金が変更されるようです。
別のセットプラン販売サイトでは、「割引適用は「最終確認画面」でご確認ください。」との記載がありますが、商品を選択する時点では、Go To トラベル対象かどうか分かりませんでした。
このメルマガが発行される頃には、サイトやパンフレットも、もう少し分かりやすく改善されるかもしれません。
注意しなければならないのは、宿泊と交通機関等がセットになった旅行業者等のプランを使うと、交通費分も含めて35%の割引対象になりますが、宿泊は旅行会社や宿泊施設のサイト等で予約し、交通機関等の予約は個人で手配した場合、宿泊分のみが35%の割引対象となることです。
日帰り旅行の場合は、往復の乗車券等の移動+旅行先での消費となる食事や観光体験等とのセットプランを、旅行代理店や予約サイト経由で申し込んだ場合が対象となります。
地域共通クーポンは、旅行業者や宿泊事業者より受け取ります。お釣りは出ません。
観光庁は「感染症の状況により、実施地域を絞るなど臨機応変に対応する」としており、キャンペーンが始まる直前に、東京発着分は対象外としたため、旅行会社も旅行者も混乱させられました。
東京発着分が対象になってからは、申し込みが予想以上だったようで、先週は各旅行会社等に割り当てられていた給付金を使い切ったことを理由に、いくつかの旅行サイトで、割引額の引き下げや予約受付を終了した会社も出ました。
13日には国土交通大臣が「まだ割り当てられていない予算から、急きょ追加の給付金を配分することで、元通り35%の割引商品を継続して販売できるよう、観光庁に指示した」と会見し、一応混乱は収まったようです。
実施期間は2021年1月末までの予定ですが、予算に達した場合は早期終了する場合があるとなっていますので、利用する予定の方は早めに予約した方がいいかもしれません。
感染を拡大させないために、「Go To トラベルのご利用に当たっての遵守事項」が制定されています。内容は、毎朝の検温、接触確認アプリの利用、マスク着用、車内でのおしゃべりは控えめに、食事時のおしゃべりはほどほどに、3密の回避、大人数の宴会など大声を出すような行為はやめるなど、日常生活でも気を付けている内容と変わりません。
宿泊施設等では、チェックイン時の検温、旅行者の本人確認、浴場や飲食施設での3密対策の徹底、食事の際の3密の回避等が事業の参加条件になっているため、同行者も含め全ての参加者に対し本人確認が行われます。免許証や保険証などの書類を持参しましょう。忘れた場合は、後日送付を求められることがあるようです。
居住地の不正申告が発覚した場合には、詐欺罪などに問われる可能性もあること、遵守事項にご協力いただけない場合は、事務局より給付金の返還を請求することがありますと記載されています。
「Go To Travel キャンペーン」そのものに対して、賛否もあるでしょうが、利用する場合は感染拡大防止に留意して、観光地も旅行者も楽しい思い出になるようにしたいものです。
<参考サイト>
・Go To トラベル事務局 旅行者向け公式サイト
https://goto.jata-net.or.jp/
・観光庁 Go To トラベル事業関連情報
https://www.mlit.go.jp/kankocho/page01_000637.html
↑この中のGo To トラベル事業の概要というPDFが図解で分かりやすい
・「旅行クーポンサイト」by トラベラーズナビ
https://travelersnavi.com/coupon/goto-travel
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