家族のかたち~フィリピンの拡大家族~

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                       2019/05/03 第516号
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【 家族のかたち~フィリピンの拡大家族~ 】

こんにちは。商品価格アドバイザーのカエルです。

2月末、韓国は2018年の合計特殊出生率を0.98と発表しました。日本よりも深刻な事態ですが、理由として挙げられているのは若者の経済不安、未婚率の上昇、教育にお金がかかるなど、日本と共通するものも多いようです。

日本や韓国とは家族をめぐる意識が大きく違う、と感じるのはフィリピンです。今年1月、フィリピンにしばらくいたのですが、その家族のあり方に強烈な印象を受けました。

子供の数が多いという印象のフィリピンですが、政府がバースコントロール政策等を推し進めた結果、2016年の合計特殊出生率は2.92と、3割を下回りました。子供は多い方がいい、という考え方やカトリックの教えを守る意識も次第に変わってきているようです。

それでも、フィリピンでは拡大家族と呼ばれる三世代同居が珍しくありません。子供たちが結婚しても、兄弟姉妹それぞれがその配偶者を連れてきて一緒に住み、一軒の家の中に3つ以上の夫婦が同居するというのはフィリピンの一般的な拡大家族の形です。

その拡大家族で、結婚したら男性か女性かどちらの実家に住むのか、たいていの場合は女性が決めるのだそうです。日本の家父長制度のように男性の家に「入る」という訳ではありません。

そして、
・家族は皆でお互いに助け合って暮らす
・親が年老いたら子供が面倒をみる
のが当然であり、それは拡大家族のメリットと考えられています。

日本では核家族と一人世帯が増え続け、2016年にはその2形態で全体の87.4%を占めるまでになりました。核家族や一人世帯を希望している場合も、やむを得ない場合も、事情は様々でしょう。しかし、そもそも人々が理想とする家族のかたちに大きな違いがあるのではないかという気がします。

日本では政府の旗振りの下、三世代の同居や近居を支援する取り組みが現在も行われていますが「一緒にいて気をつかうよりは離れて暮らす方がいい」という声も耳にします。

今後、フィリピンも日本のような変化の道をたどるのかもしれませんが「フィリピンの人たちは貧しくても幸せそうに見える」と言った友人の言葉には、一種の共感を覚えました。

<参考サイト>
グラフでみる世帯の状況 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h28.pdf
通商白書2017
https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2017/2017honbun/index.html
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